女性管理職がいないなら。女性登壇者がいないなら。「席」をいただけたなら。
uni'que CEO若宮さんのnoteを読み、私は痺れた。
埋まらないジェンダーギャップを考えたときに、例えば、イベントにおいて、男性である若宮さんが登壇することで、ジェンダーギャップを広げてしまっているのではないか。他人事のように批評していたけれど、実は当事者だった、と綴られている。
これまでの構造がフェアでなかったのですから、公平さの観点からいえば一定数の男性が「席」を辞退して、その機会を奪われてきた「優秀な女性」に返上すべきです。
そう論じた上で、若宮さん自身、イベント登壇機会という小さなところからだけれども、「まずは自分が手放す」というところから取り組んでいきたい、と。
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先月、「指導的地位に占める女性の割合を30%程度」の到達目標が、2020年から2030年へ繰り延べする調整がされているという報道があった。
私自身、2014年にアディッシュを設立してから、唯一の女性取締役として仕事をしてきたが、役員に女性がいるからといって、ひとりでに経営層の女性候補者が増えるわけでないことを、この身をもって痛感している。報道を素通りできない、当事者なのである。
私も、まずは自分から出来ることについて表明したい。
社内のスポンサーシップ・アクションを高めたい
昨年、男女問わず有望な人材を幹部まで引き上がっていく仕組みのひとつとして、「スポンサーシップ」という考え方を知った。
スポンサーの役割について、「「メンター」と「スポンサー」の大きな違い」では、以下のように定義されている。
庇護の対象とする部下のために労を惜しまず昇進を後押しし、少なくとも次のうち2つを行う上司である。
・対象者の潜在能力を本人に認識させ、解き放つ。
・上級幹部とのコネクションを持たせる。
・幹部のあいだで認知度を高める。
・昇進のチャンスを増やす。
・幹部らしく振る舞う方法を教える。
・社外とのコネクションを持たせる。
・さまざまな助言を与える。
そして、「スポンサーシップの欠如が女性の昇進を阻んでいる」によると、男女平等が進んでいるとはいえ、組織の幹部クラスに昇進する女性の数はあまりに少なく、そのひとつの理由は、女性にはメンタリングは過剰にされているけれど、優秀な女性を引き上げてくれるスポンサーがいないからだと言う。
私自身、歴代の上司が、メンターの役割を越えて、「コネクター」「機会提供者」「昇進推薦者」といったスポンサーシップを発揮してくれていたことを改めて思う。また、私も、女性に限らず若手をリーダーに抜擢していく際、歴代の上司が私にやってくれたことをやっていた。
会社全体でスポンサーの動きが意識的に推進されるようにするためにはどうしたらいいか、問うて動いていきたい。幸いにも、少なからず、身をもって、事例はある。
社外でスポンサーシップ・コミュニティを立ち上げたい
昨年末、スティーブ・ジョブズやエリック・シュミットらのコーチであったビル・キャンベルの生き様が綴られた「1兆ドルコーチ」を読み、感銘を受けた。真正面から経営者と向き合う大きな愛、だからこその厳しさが突き刺さった。
ビルと女性にまつわるエピソードとして、以下が綴られている。
・会議で傍聴席にいる女性を同じテーブルにつかせる
・より大きな職務と損益責任を積極的に担うよう刺激
・自分の知っている成功した女性リーダーを、ほかの女性リーダーに紹介
・女性CEO同士でチャンスを与え合うようにと促す
ビル・キャンベルは、会社を越えてスポンサーとしての役割を発揮していたと受け取った。
私自身、3カ月前から、コミュニティを立ち上げたいと挑戦している。ベンチャー8社の女性役員の皆さんが参加してくださった。ビル・キャンベルのようにとは言わないけれど、いや、せっかくやるならそれほどに、会社を越えたつながりからも動いていきたいと考えている。
2020年はビジョンを耕す時期。いきなりアクションを始めるのではなく、参加してくださった皆さんと価値観レベルで相互理解を深めたい。
ジェンダーギャップの課題は、今日明日で何か変わる類ではない。息の長いアクションとなるように、丁寧に前進していきたい。
社外の女性管理職の存在として応援したい
さて、そもそも、自社で女性管理職3割目標を目指すにしても、平成30年度雇用均等基本調査によると、5社に4社は女性管理職を有さない状況だ。
会社によっては、女性管理職のロールモデルがまったくいないだろう。
最近、私のコーチである垂水さんが開催する「集まれ新卒の森!組織横断型 育ちあう勉強会」でメンターを担ったり、Twitterで他社の女性メンバーとやり取りをしたり、交流会で女性経営者と出会ったり。社外のつながりが増えてきた。
社外の存在として、メンターから、ゆくゆくはスポンサーまで、私にできることは、社内外問わず微力ながらやっていきたい。
足元、女性登壇者を増やしたい
そして、若宮さんと同じように、各種イベントの登壇者の比率は気になるところだ。私自身、所属しているコミュニティに、女性が登壇するイベント企画を持ち込んだり、小さなアクションではあるが、動いてみている。
イベントに登壇していただける女性役員を探しているという連絡をいただくこともある。私が昨年登壇させていただいたSmartHR社主催の人事労務のミートアップ『PARK』は、男女のバランスを考慮されていたのではないかと思う。
今後、イベントにおいても、登壇者の女性比率が意識される動きが増えてくるだろう。そして、その女性登壇者は、人脈を駆使して探し出す必要があるのだろう。
もし、女性登壇者をお探しの方がいらっしゃったら、私も一緒に探させていただきたい。
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その「席」をいただけたなら、私は。
施されたら施し返す。恩返しです!
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