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ダイバーシティ&インクルージョンについて考えたこと

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ダイバーシティ&インクルージョンについて考えたことをまとめています。
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#ジェンダーギャップ

景色を変える仕事をしよう

私は、ライフテーマに「ベンチャー企業における意思決定層の多様化」を掲げているのだが、これは、景色を変える仕事なのかもしれないと思うようになった。 10%以下の女子比率が30%を超えた日兼務しているみんなのコードは、コンピュータクラブハウス加賀(加賀市)、ミミミラボ(金沢市)、てくテックすさき(高知県須崎市)という施設を運営している。子どもたちが3Dプリンタなどのデジタル機器を利用して自己表現ができる場所だ。 テクノロジー分野も、ジェンダーギャップが確認されている領域である

女性役員を増やすということは、男性役員を減らす目標を立てることですか?

11日、東京証券取引所が発表した上場企業の行動規範となるコーポレートガバナンス・コードの改訂には、社外取締役や女性の活用についても盛り込まれた。 アメリカでは、ナスダック証券取引所が米国証券取引委員会に取締役会の多様性方針案を提出し話題になっている。取締役会のうち少なくとも2名を女性と少数派を登用、そうでない場合は説明責任を求めるという内容で、今夏までには最初の何らかの決定がされる可能性があるとのことだ。 取締役会の多様性については、昨年9月にアディッシュ取締役会で『経営

"ITベンチャー業界の意思決定層のジェンダーギャップに取り組む"コミュニティをつくる理由

昨年から、じわじわとコミュニティをつくり始めている。 掲げている活動テーマは「ITベンチャー業界の意思決定層のジェンダーギャップ」。 集まってくれた素敵な仲間と濃い時間を重ねながら、複数社で協同したとしたら何が出来るか、模索している。 なぜコミュニティか。私は、自分自身のビジョンを「まだ見ぬ可能性を最大化する構造をつくりたい」と表現しているのだが、まだ見ぬ可能性が含むひとつのテーマとして、意思決定層に女性が少ない現実に対して、社内でのアクションだけでなく、社外とのつなが

"データ=人=男"構造の歪みに気づくには

最近、口を開けばおススメしている本『存在しない女たち: 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く(Invisible Women)』について書きたい。 新しい年が始まったばかりであるが、間違いなく、2021年一番おススメの本である。各社様の文庫に推薦して回りたい。 本書の帯にはこんなコメントが書かれている。 男のために設計された社会で「男も大変」とか言っちゃう傲慢さを知る ──武田砂鉄 ぐっ。 しかし、本書を読み終えると、感想は変わる。 あれ、私も同じではな

2020年、"意思決定層に女性が少ない"をテーマに発信したことまとめ

2020年は、ここ数年間取り組んでいたIPO関連やコーチングの文脈で、イベントに登壇させていただけるようになった年だった。 そして、自分のミッションを表現したことで、本業とはまた違う軸が動きだした。そんな年だった。 特に後者について、2020年のまとめ! 自分自身のミッションが「ない」ことの葛藤新卒で入社したガイアックスは、社会をこうしていきたいとプレゼンする人たちが集まる環境だった。その中で、ずっと、自分自身のミッションが「ない」ことがコンプレックスだった。 自分自

"組織・キャリアにおけるスポンサーシップ"についてまとめてみた

2020年は、「経営・管理職層に女性が少ない」をテーマに細々とアクションしてきた。 「難しい問題だよね」で終わりがちなこのテーマをどう前進させるか。 社内外で壁打ちをさせてもらう中で、個々人の意見や感情はいったん置いておいて、「構造の問題」として課題提起をすれば、具体的な議論につながるのではないかと考え、9月には取締役会でも本議題を扱った。(経緯は『取締役会で『経営・管理職層におけるジェンダーギャップ』に関する議題を初めて扱った話』にまとめている) 「構造の問題」に対し

女性に「管理職になりたいですか?」と問うことが見落としていること

さて、最近、「経営層に女性が少ない」をテーマに様々と考えを巡らせ、構想を紙に落としてはいろいろな人に壁打ちをさせてもらっているのだが、こんな声が漏れ聞こえてくる。 経営層とは、「みんな、管理職になりたいのかな?」という話になることがある。うーん、それは分からないよね、となる。 女性メンバーとは、「管理職が良く分からないから、管理職になりたいのか分からない。」という話になることがある。うーん、それはそうだよね、となる。 女性管理職メンバーとは、「管理職が誰にとっても幸せだ

女性管理職がいないなら。女性登壇者がいないなら。「席」をいただけたなら。

uni'que CEO若宮さんのnoteを読み、私は痺れた。 埋まらないジェンダーギャップを考えたときに、例えば、イベントにおいて、男性である若宮さんが登壇することで、ジェンダーギャップを広げてしまっているのではないか。他人事のように批評していたけれど、実は当事者だった、と綴られている。 これまでの構造がフェアでなかったのですから、公平さの観点からいえば一定数の男性が「席」を辞退して、その機会を奪われてきた「優秀な女性」に返上すべきです。 そう論じた上で、若宮さん自身、