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グリーンウォッシュに呑まれないために〜斎藤幸平さんの本を読んで〜

 最近、斎藤幸平さんの本『人新世の「資本論」』を読みました。

https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1035-a/

 理論の細かいところなど、私には理解しきれていない部分もあるのですが…
 でもとっても面白かった…!
 世界を変えるのは簡単ではないかもしれないけど、でも希望もすごく感じられる本です。

 今回はこの読書を通じて、グリーンウォッシュに惑わされないためにはどうしたら良いのかを私なりに考えてみたので、それを文章にまとめてみます。

(並行してコミュニティを作ることの大切さも書かれており、それも大きな学びだったのですが、そちらについては別記事で書きたいなと思います。)

 グリーンウォッシュとは、本当は環境にそこまで優しくないことでも、環境に優しいと銘打って企業が行う対策だそうです。
 

 冒頭の、SDGsは「大衆のアヘン」である!
という言葉から、どう言うことかな?と掴まれたのですが、読んでいるうちに私も思い当たることがあり耳が痛くもなりました😓

 近頃は本当にSDGsや、環境に優しいという言葉が広く使われるようになりましたね。そうした表示のある商品もよく見かけます。

 ですがそれらは本当に環境に優しいのでしょうか?
 本の中で指摘されていてハッとしたのですが、そもそもモノを生産するという過程では(手作りの場合を除き)CO2の排出や資源の利用を伴うのですよね。
 それが環境負荷の少ない暮らしを実現する電気自動車や太陽光パネルであっても…。

 もちろんそうした、より環境負荷の少ないモノへの移行は大切ですが、ただそれだけでは気候変動などの対策になるかと言うとそうではないようです。

 例えば、いくら自然エネルギーの電力に変えると言っても、そもそもの電気の使用量を減らす必要がありますね。

 また日用品でも本当にエコなのかな?というグッズが出てきてます。
 例えで出てきたのがエコバッグ。こちらはオマケや景品としても付いてくるようなイメージがあります。ですが化繊でできた安物も多く出回ってますね。化繊は使う過程でマイクロプラスチックを生じていきます…。
 
 個人的にはタンブラーも増えてきた気がします。とあるコーヒーチェーン店で、以前並んでいた商品が一掃されて新しいデザインのものになっているのには驚きました。
 いくら紙コップやペットボトルの代わりと言っても、これだけ多量に作って良いのかな?と気になってきました。

 
 本の中ではエコなグッズ等を称してビジネスチャンスと乗ってくる企業が多いことを危惧されています。
 本当は大量生産、大量消費の形自体を脱しなければいけないのです。
 そのことを見失っていて、企業の謳い文句に乗っているだけでは、むしろ問題に加担してしまいかねないのですね…🤔

 実は先日、オーストラリア在住の方とお会いする機会があったのですが、「日本で過ごすとモノが多いと感じる」とおっしゃってました。

 私は日本以外で過ごしたことがほんの短い旅行くらいしかないので、よく分からないのですが、言われてみるとそうかもしれません。
 東京の大学に通っていた頃に通学途中で大きな駅を通っていたのですが、ショーウィンドウに並ぶ華やかな商品や、広告を目にする機会も多く、色々と欲しい気持ちになっていたことを思い出しました。
 ただ大学生だとそこまで大金を持っているわけもなく、私はお金をあまり持っていないのだなあ、という気分になっていたものです。今振り返ると、本当に貧困で困っている学生さんもいる中、申し訳ないような気持ちになります🙇‍♀️
 ただ、広告などは大体において人の不足感を煽る面が大きいようで…(そう言えばThe True Costを観ててもそんなことを実感しました。)

 そんなマーケティングのために大金が投じられているというのには驚きます。

 
 
 グリーンウォッシュとは少し違いますが、個人的に健康志向、ナチュラル志向の食品を選んで、良い選択をしたと思っている時期がありました。
 例えば身体に良いとされるアボカド、大豆製品、バナナなどなど…。
 もちろん扱っている商店などにもよるでしょうが、そうした食品を作るために、海外の森林や現地の人々の暮らしが破壊されている面が少なくないようです。
 私はアボカドが好きなのですが、色々な犠牲の上で食べられていたのかもしれないと知った時はショックでした😢
 他にもコーヒー、チョコレート、パーム油(植物油脂と記載されているケースが多いそう)、海老もリスクの大きい産物のようです。

 …そんな風に私たちの生活には本当に世界のどこかや誰かを傷つけて作られているモノが溢れているのだ、と意識すると広告で作られたイメージ(環境に優しい、健康に良い、流行りのetc…)に惑わされない大切さを感じます。

 結局エコとされる製品でも、無駄に買うことはせずに済ますのが一番なのではないかと思います。
 譲ったり、譲られたり、中古のものを選んだり、新品を買うなら長持ちするモノを選んだり…。
 また、人へ贈り物をする際も食べ物や石鹸、花などの消え物を選ぶのも良いでしょう。

 そして、再生可能エネルギーに電力を切り替えたり電気自動車を買ったりすれば終わり、という訳ではなく…そもそもの電気の使用量を減らす必要があるように。
 環境に優しいことにお金を払うだけでなく、その後の普段の生活も変化させていくことを忘れないようにしたいなと思います。

 そして何がより良い選択か、日々変わっていく情報を学び続けていきたいです。
 
 長々と書いた文章を最後までお読み頂きありがとうございます🙏

 


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