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ハートを守る<心膜>の話

心膜、って聞いたことありますか?

その名の通り、心臓を包んでいる膜のことです。膜は内側と外側、二重構造になっていて、その間には液体が挟まれています。

そのしっかりした構造で、何かあれば生死に直結してしまう大事な大事な心臓を、摩擦や衝撃から守ってくれています。

ロルフィングのトレーニング中、先生がくれたプリントの片隅に「心膜は感情から心臓を守っている」みたいなセンテンスがポロッと書かれていて、それから私は心膜に並々ならぬ興味を持つようになりました。

心臓は単なる血液のポンプとしての役割だけでなく、それ自体が豊富な神経細胞を持っていて、独自の脳のような働きをしている、ということも研究から分かっています。

喜怒哀楽、感情のエネルギーも強すぎれば害になる。そういうエネルギーによって大事な心臓が傷つかないよう、守ってくれているのが心膜です。

長年生きてきた大人のからだを見ると、だいたい心膜は固く柔軟性をなくしていることが多いです。いろんな出来事、ストレスを生き抜いてきた歴史が刻まれています。

必死に心臓を守ろうとしているので、無理やり緩めることはできません。まずは「緩んで大丈夫だよ」という足場作りから。

足元から順に土台を組み立て直していって、胸郭が「ほっ」とできるしっかりとした土台ができて初めて、心膜は緩む準備ができてきます。

10回のセッションの最後の方で緩んでくる人もいれば、10回終わった後のフォローセッションを重ねていくなかでようやく緩んでくる人もいます。

以前は土台づくりのうちはあまり触れていなかったのですが、最近は早い段階から<声かけ>しとく方が目覚めが早いようなので、ちょくちょく注目するようになりました。

そっと触れて待っていると、たまった電気が放電されていって、潤いと滑らかさが戻ってきます。受け手の方は、息が楽になった、ほっとした、あたたかくなった、そんな感覚になるようです。

胸の中というのは、「最後の砦」感があって、でもここが緩んでくると、「この人は、こういう人だったんだなぁ」と、本当の姿に出会ったような感覚になります。

ハートが開く、というのは、心臓そのものより心膜のことを言うのかな。

いずれにしても、ハートが開くときのファーストステップとしてとても大事な場所です。





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