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持っているだけでアガる / 配色スタイルハンドブック

その配色をどう実践に使っていいのかわからないから、配色本を開く機会がめっきりなくなっていった

配色サンプルのたくさん掲載された本、カラーパレットを作るオンラインジェネレータは何かのタイミングにつけて目にすることがあるのに、全く使わないタイプ。というのも、目の前にある最適とされるカラーパレットを、どうやって目の前の課題に反映すべきかが全く想像できない程度には、自分の得意とする配色レパートリーが少ないのである。

この本のいいところは、配色事例が限りなく自分好みなこと。ファッションに興味のある若者クリエーターに向けたような選定で、たとえばUnsplashにあるような美しい写真だったり、アートやイラストも中世西洋美術ではなく、インスタグラムのフィードに流れてきたりTシャツの柄に使われていそうなモダンなテイストの作品が事例として引用されている。

配色に何らかの苦手意識を感じていても、「もっと配色センスを改善していきたい」と思わせてくれるようなインスピレーションがこの本にはある

色も、ただ単に配色メソッドに合致した色が網羅的に並んでいるのではなく、この本の世界感を維持するために厳選された配色が用いられている。それぞれが天然石みたいな、素朴な魅力に溢れた配色のように思えるのだから、まるで配色の大切さとそれを守ることの美しさを体現してくれているようだ。

実際にどう活用しているか

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実際に配色スタイルガイドブックを参考にしていろいろ設計してみた事例をざっくり出してみた。UIデザインの場合は、完全にカラーコードを真似たわけではなく、おおまかな色と色面積構成の参考にしたり、どちらかというとインスピレーションを得る目的が大きい。

次にドローイングでの実例はこんなかんじ

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制限時間を設けて水彩で着彩する練習を行っているが、配色のスピードアップに大いにこの本が役に立った。めちゃくちゃもったいないと思いつつも、今では本からお気に入りのページを割いて持ち歩いている。アナログなツールを使う人ほどにこの配色手帳は実用的に使えるはずだ。


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