西渕 あきこ

イラク北部ドホークにて6ニャンと暮らしている。イタリアの国際NGOで働きながら「ピース…

西渕 あきこ

イラク北部ドホークにて6ニャンと暮らしている。イタリアの国際NGOで働きながら「ピースセルプロジェクト」でプロボノ活動中。他にはシリア、モロッコ、バングラデシュ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ガーナ、ジブチなどでのおしごと経験があります。

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  • ピースセルプロジェクト

    ピースセルプロジェクトが発行する他言語絵本「モンちゃんシリーズ」の作家が、絵本読み聞かせ、モバイルライブラリー、学校図書館づくりの活動で出会ったこと、気づいたことを書きます。

最近の記事

わたしの心をつかんではなさない納豆

以前は、長い海外滞在の後に日本に帰ったら、おすし、とんかつ、チャーシュー麺、生クリームたっぷりのショートケーキなどがとても楽しみでした。 最近は、おすし、は引き続き毎回必ず食べたいものですが、とんかつ、ラーメン、ショートケーキなどは、わたしにとっては昔の輝きを失っています。 最近は何が楽しみかというと、一番は「納豆」。 納豆の何が素晴らしいかといえば、スーパーで3個セットで88円などの安い納豆でも十分においしいこと! 乾燥納豆、納豆ふりかけ、はたまた手作り納豆など海外

    • 高輪ゲートウェイ駅でライフハック!

      JR山手線の一番あたらしい駅、高輪ゲートウェイ駅を利用したことがありますか。以前、だれかに駅の周りに「何もない」ときいて、東京の山手線の駅で何もないってことはないだろうと行ったら、本当に何もなかった(工事現場しかなかった)のでびっくりしました。 今晩発の羽田発フライトのため、昨日から本日東京のホテルで一泊しているのですが、高輪ゲートウェイ駅ハックを2つも開発したので、「イチオシ」として紹介します。 どちらも、今工事中の施設が完成して駅利用者が増えれば使えなくなるハックなので、

      • イタリアの人道支援団体で働く

        毎日、何かを書いているとなにか「気の巡り」が良いような、1日の終わりに気持ちよく眠れる気がしています。それに、連続投稿でNote特注アイテムをもらいたい! 今日は指定のお題を少しカーブさせ、わたしの日本円以外で収入を得る「はじめての仕事」について。 日本以外の組織で働く 海外での仕事が日本国内より長いわたしですが、今まで給与は日本でまたは日本の組織から得ていました。昨年12月からイタリアの団体のイラクのオフィスで働いています。海外の組織から収入を得る(日本円以外で給与をも

        • 視線が向かうその前に。

          最近、運転免許を更新し、更新時の一般講習を受けました。それより過去2、3回ぐらい優良講習の30分で更新できていたので、今回は一般講習になったのは残念に思っていました(悔、スピード違反1回)。 しかしながら、同じ部屋で一緒に講習を受けていた優良講習の人々が「優良の人は以上です。ロビーで新しい免許を受領してください。」とアナウンスされ出て行った後、第2部としてはじまった一般講習の部分でおもしろい気づきと学びがありました。 負け惜しみではありませんよ。せっかく転んだからにはただでは

        わたしの心をつかんではなさない納豆

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          2本

        記事

          春の気配を感じる散歩道

          総武線飯田橋駅の神楽坂下からスタートです。 新宿方面に向かって一駅、市ヶ谷駅まで、またはさらにもう一駅、四ツ谷まで歩きます。桜の名所案内などを見れば、外濠公園という場所の名前ですが、わたしが歩いたのは公道(外堀通り)の桜並木で、公園の外も気持ち良い散歩ができます。 飯田橋から市ヶ谷までは、お堀の水面を左手に見ながら道路の左側の歩道、桜並木の下を歩いていきます。オレンジのラインの入った中央線、黄色いラインの入った総武線が水の向こう側の線路を行き交う様子もを眺めながら。 飯田橋駅

          春の気配を感じる散歩道

          神楽坂下スターバックスにて

          神楽坂下スターバックスにて

          Come and Join!

          「Come and Join!」ストーブの上で、沸騰しているやかんの湯気からのアドバイスだ。今日からはじまった3週間のプロセスワーク冬季集中コースにて。 プロセスワークの冬季集中コース オレゴン州ポートランドにあるProcess Work Institute(プロセスワーク研究所)は、毎年1月に1ヶ月の冬季集中コースを開催しており、今のような移動の制約がでる2020年までは会場で参加するコースだった。数年前から参加するタイミングを見計らっていたが、仕事をしながらスケジュー

          「躾」と「内発的動機付け」は両立するのか

          最近悩んでいることに関連して、お薦めしたい二冊の本について書く。 悩みについて、詳細はこちらの記事を。 一言で言えば、子どもの創造力や想像力を育むための活動と躾が両立し得るのかどうか、悩んでいる。 この二冊の本がこの悩みへの答えを導いてくれるはずだという直感があった。 『「わかりあえない」を越える』 マーシャル・B・ローゼンバーグ著 日本語では「非暴力コミュニケーション」「共感的コミュニケーション」と訳されるNVC(Nonviolent Communication)

          「躾」と「内発的動機付け」は両立するのか

          創造力と躾は両立するのか

          絵本読み聞かせの目的は イラクドホークの ある小学校に、毎週絵本の読み聞かせに通っています。 「テレビやYoutubeばかりでなく本を読むのは良い」、「読書の習慣が身につけば子どもの教育のために良い」というところまでは、特に何も説明せずとも容易に多くの先生方から賛同を得ることができます。 しかし、こちらで手に入る子ども用の本は、とても少なく、あったとしてもほとんどは躾の本。それも、ストーリーがワンパターンで「嘘つきの羊飼い少年の話」の展開。つまり、悪い子ども(とか動物)

          創造力と躾は両立するのか

          やる前に「善」も「偽善」もない

          わたしは、今イラクのドホークで、平和な未来を紡ぐための絵本づくりや図書館づくりに向けた活動をしています。約25年前に青年海外協力隊に参加してシリアのダマスカスで日本語教師をして以来、今にいたるまで、だいたいずっと国際協力とか人道支援とかに関わる仕事をしてきました。 今は、組織に属さずフリーランスという立場で、自分の正直な感覚にあったやり方を手探りしており、「厳しい環境に置かれた人々が、将来への希望を取り戻し、自由に自分の人生を生きられるように」という目標を持っています。

          やる前に「善」も「偽善」もない

          「ハムドリッラー」と「インシャアッラー」

          この記事は、2016年2月にモロッコの田舎で生活している時に書きました。 アラビア語に、「アラー(神さま)」という言葉が、はいった表現が、たくさんあります。特に「ハムドリッラー(神さまのおかげで)」、「インシャアッラー(神が望むなら)」というのは、モロッコでも、他のアラブの国でも、とてもよく耳にする表現です。 「ハムドリッラー」の使い方 これは、直訳すると「神さまのおかげで」という意味です。日本語でなら、「おかげさまで」とか、「ああ、良かった」と言うようなときに、使い

          「ハムドリッラー」と「インシャアッラー」

          大人のアラビア語レッスン

          以下の記事は2016年1月にモロッコで書きました。今も週に1回アラビア語を習っています。ヨルダン在住のシリア人の先生から、オンラインで絵本をつかってフスハー(正則アラビア語)をならっています。シリア方言やイラク方言はフスハーと近いけれど、モロッコ方言は全然違うんですよ。 モロッコアラビア語、「ダリージャ」を習っています。「アラビア語モロッコ方言」と呼ぶには、あまりにアラビア語の標準語と違うので、「モロッコ語」と呼んだほうが良い感じ。日本でいえば、琉球語とか青森弁ぐらいの感じ

          大人のアラビア語レッスン

          「マダム作戦」と「こじか作戦」

          以下は2016年2月にモロッコの田舎で生活している時に書いた記事です。最近、「こじか作戦」を忘れていた。もっと可愛らしさを発揮しよう。 モロッコの生活で「こじか作戦」発動中。けっこういい感じです。 これは、海外長期滞在する人、特に私のようなミドルエイジの女性や、もしかしたら、むしろ男性にこそおすすめする、地元に馴染んで快適に暮らすための作戦です。 「こじか作戦」とは何かをご理解いただくために、まずは、それと対になる「マダム作戦」について、ご紹介しましょう。 「マダム作

          「マダム作戦」と「こじか作戦」

          マアボが来た夏

          誕生日の朝 子どもの頃、クリスマスの朝、枕元にプレゼントを見つけるワクワクした気持ちを覚えている。大人になって久しく、そんなのは遠い子ども時代の想い出と思っていたら、今年の誕生日、2021年7月5日の朝、それはやってきた。 その時、わたしがイラクのドホークで暮らしていた家は、セキュリティのしっかりした集合住宅の一階で、猫と暮らすのに最適な場所。キッチンのドアから出られる大きな中庭で、わたしの猫「そら」と「トット」が安全に遊べるし、他の猫たち(うちの子たちの父や叔母やいとこ

          マアボが来た夏

          絵本とリラックス

          イラク北部ドホークの小学校で、絵本読み聞かせの活動をしています。「ピースセルプロジェクト」の活動です。 はじめての学校に行くと、いつもちょっと困るのは「外国人がくる!」というのがとても珍しいことだから、または外国人でなくともお客さんが来るときはいつもそうなのか、先生たちが子どもたちをきちーんと等間隔に整列させ、みんなで声をそろえてご挨拶。「ようこそ、いらっしゃいました!!」みたいなところから始まることです。 まあ、これは日本の学校でもわたしの時代はそうだったか。講堂になら

          絵本とリラックス

          本物の自由を取り戻す

          この文章は2016年6月、フリーランスとして身を立てたいと、モロッコのシディイフニに引っ越して約半年がたった頃に書きました。 「役に立ちたい」と「役に立たねばならない」 だれかの役に立ちたい、という気持ちは、たぶん人間としてごくごく自然に生じる欲求の一つ。役に立ちたいという気持ちを持って行動したとして、別に立派なことでもないし、かと言ってその気持ちや行動を否定することでもない。その気持ちを自然体で扱いたいと思います。 しかし、わたしの今までの人生を振り返ってみると、はじ

          本物の自由を取り戻す