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お役所は上から目線だ。反省。(涙)

一緒にプロジェクトをやっているコンサルタントのスーザンと電話で相談中、彼女の言ったことがずっと頭の中をぐるぐるしていた。

こういうコミュニティーグループはね、プロジェクトを潰したい、と思っているんじゃないのよ。彼らはお役所のやり方に納得できないの。フリーウェイでもなんでも、建設する前にね、デザインに取り掛かるそれよりずっと前の時点で、まずはそのプロジェクトのある地域のコミュニティーに、あなたたちにとって大切なものは何?今の生活をさらに良くする為には何が必要?って聞いてほしいのよ。そのうえで、このプロジェクトがどういう風に彼らのニーズに答えるデザインになっているか、って進め方にして欲しいの。けれどお役所の進め方って、データをもとにして交通量はこれ、渋滞はこれほど長引きます、みたいなことばっかりで、人の生活のニーズを全く無視してフリーウェイのデザインして、それで環境への弊害調査書(Environmental Impact Study/Report)を作って、害の度合いのひどいところだけ、じゃあこういう風にして弊害を軽減します、でおしまいでしょう。そんなのはね、そこに住んでて、生活の基盤のある住民にとっては全くもって失礼なほど不十分だし、やりきれないのよね。だから最終的手段としてでも、法的に訴えてプロジェクトを阻止しようとするのよ。

今のプロジェクトを進めるためには、避けて通れない道、それは、環境保全や、大気汚染による健康への弊害、地域の安全、収入の格差などの不平等を是正するために活動するグループの意見をどのように反映していくか、ということ。

私が所属するグループはGoods Movement Planningといって、ロサンゼルス郡のなかで、物資の流通が滞りなく行われるための計画を進める部門。ロサンゼルス郡には(市だけでなく)、アメリカナンバー1&2を誇るコンテナ水揚げ量のロサンゼルス・ロングビーチ港があり、輸出入を取り扱う倉庫がたくさんあり、トラックも貨物列車も毎日大量の貨物を輸送する。そして10,000,000(一千万?)を超えるロサンゼルス郡人口が日々生み出す生活必需品の需要を満たすための流通のニーズに加え、ロサンゼルスから全国へ届けられる物資、またはアメリカからロサンゼルスを通して海外へ輸出される物資、ととにかく物の出入りが激しいのだ。トラック=排ガス公害、だし、そういうトラックの数の多い地域やフリーウェイーが走るのは、概して所得が低く、白人以外の人種が多く、最終教育レベルも高校以下という、社会的に不利な立場にある、とラベルを付けられる人が多く住む地域になる。

アメリカがすごいな、と思うのはそんな政治的に力が無いようなコミュニティーも、グループも、結束して何かしらの結果を出せる、ということ。逆にお役所の立場からすると、そんな民主的なシステムだから、お役所がやりたい放題、というわけにもいかない。当然彼らの言うことに耳を傾けなければならない。

このシステムが効果的なのかどうか、というとそれはまた別の問題だと思う。だって私が知ってる限り、地域のこういう風に改善してほしい、という望みなんてかけらほどしかプロジェクトデザインには反映されず、ほれ、これやるから、とか あれやるよ、とか、ここに弊害を軽減する(mitigate)ための絆創膏のようなお約束がなされるだけ、でも法的にはハードル飛び越えました、というが現状だと思うから。

それを考えると、お役所目線って超上から目線でやるせない。

ちょっと私事になるが、もともと、住みよい地域を作るため、とか地域を活性化させる、や 環境保全なんかに興味を持って踏み込んでしまった都市計画だけど、この仕事を続けるうちに、もともと共感していたグループに対して、またかよ~~ 鬱陶しい、と思うようになっているのは事実。私は完全古いお役所側の考え方をしているのだ。うぅ。。。涙。

スーザンのコメントによって、あぅぅ、お役所ってホントつけ上がっていて、偽善者で、上から目線のくせに表面的には取り繕って、私たちは弱い者の立場に寄り添います、みたいな発言するよね。態度がぜ~んぜんっ寄り添ってないんだけど。 これじゃ~ ダメだ! 私の魂が腐ってしまう。なので、では、やりましょう。コミュニティーグループ集めて、今のプロジェクトがどういう風にコミュニティーの生活水準を改善して、さらに良いコミュニティーになるように貢献できるかって提案をしてもらいましょう、と言っちゃった。

たった一つのミーティングで何が変わるって、なんも変わらんかもしれん。 それより散々避難されて血だらけになっちゃって、こんなミーティングやらんほうがよかったんちゃう?なんて反省会になったりして。 うぅ、恐ろしい。 とりあえず今は現実逃避のために日本酒を飲もう。

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