見出し画像

女が言うのと男が言うのと

先日4歳と2歳と近所に買い物に出掛けた時のこと。
「手を繋ごう」の誘いにのってくれたのは2歳だけ。4歳は私の前を1人で進んでいた。

歩行者しか通れない工事中の狭い道を歩いていた。そこは工事していなくても“自転車は降りて通行してください”と注意書きがある。けれども本当に少しの間なので降りずに通行する自転車も多い。自転車を降りるのが面倒な気持ちも分かる。

前を歩く4歳の向かいから降りずにくる自転車があった。私はとっさに

「自転車!」

と言った。
反応したのは4歳。さっと端に寄った。
私に会釈して自転車の人は走り去って行った。
違う。私が言いたかったのは

「自転車降りて」

だ。
それを言うのを躊躇してしまった。

そしてその買い物からの帰り道。
手ぶらで前を行く4歳と、大きな買い物袋を持ちながら一生懸命歩く2歳と、私も両手に荷物を持ちながら狭い歩道を前後を気にしながら歩いていた。
すると後ろから自転車が来て私たちにベルを鳴らした。
私はぶつからないように2歳を庇いながら

「チリンチリンじゃなくて自転車降りてください!」

と走り去る自転車に言ったのだが…
なんだろう。なんでなんだろう。モヤ。
ただのヒステリックなおばさんに見えてない?
自分でも思ってしまった。

自転車の進むスピードは速くて、子供の動きは予測不能で、その状況で狭い歩道を自転車が走ってくることは危ないから言ったんだけど、悲しいかな、ただのヒステリーにしか聞こえなかった…
高架下の道でも「自転車降りて」って言えなかったのはそれがなんとなく分かっていたからなんだな。

もし私が男で同じ状況で「チリンチリンじゃなくて自転車降りろよ」って言ったら一気に正統性が増す気がする。

同じようなこと働いてるときもあった。会社で改善した方がいいと思ったことを男性上司に言うと「まぁまぁ」とたしなめられた。私は意見を述べたのに相手からは単なるクレームとして捉えられた。これが男性社員だったら…?上司からは違う反応が返ってきそうな気がした。

子供が通う保育園でも。こうした方がもっといいのでは?と思うことがあったので「なぜこうしないのですか?」と聞いてみた。
すると必死に反論された。
私は疑問を聞いただけだったのだが“保護者からのクレーム”に聞こえたようだった。その方は女性だった。

男性からも、女性からも、女が発言するとなんだかヒステリーとかクレームっぽいとか思われてしまう気がする。
発言してる自分自身もそんな気がしてしまう。
言い方とか、表情とか、声のトーンとか…
男女に因らない部分もあるのは思うのだけど、女は感情的な生き物だとか、女のヒステリーだとか、女は口うるさいだとか…そういう刷り込みが少なからずあるような気がしている。

“男は”… “女は…”
そういう言い方や考え方をしなくなったら 、こういうモヤモヤなくなるのかな…?

少なくとも自分自身は、女性だから、男性だから、子供だから、お年寄りだから…そんな枠にはめて相手の話を聞くのをやめよう!と思うのだけどね…
先入観を持たない。長年刷り込まれたものを払拭しようとしてもそう簡単なことではないね。
訓練だなと思う。

そんなモヤモヤの話。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?