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理事長って・・・何すればいいの???ビジネスの世界から33歳で学校の理事長へ。Part.5

みなさま、こんにちは。高木暁子と申します。横浜で高校と認定こども園を持つ学校法人 高木学園の理事長をしています。

民間企業→ビジネススクール出身の私は、33歳の時、先代理事長だった父が突然ガンで亡くなり、実家の学校法人の理事長に就任しました。

父の葬儀~緊急理事会などで忙殺される中で、まず思ったこと「理事長って何すればいいの?」ということについて、今日は書いてみたいと思います。

理事長の仕事、がわからず、うろたえる

父が亡くなって、急遽緊急の理事会が開催され、私が父の後を継いでいくことになりました。

そこまでは慌ただしい中でも、なんとか理解していたのですが・・・いざ理事会で自分が理事長として選任されてみると

そもそも理事長の仕事って何だろう?!

という問題(・・・大問題!)に直面しました。父自身も、そんなに突然自分が亡くなることなど予想していなかったでしょうから、父から私への「業務引継ぎ」は当然ゼロ。この学校の中に「理事長の仕事をしたことがある人」は誰もいませんから、学校内の人に聞くこともできない。

まさに日々が暗闇、という状況です。

とにかく毎日ひたすら走る。何が分かっていて、何が分かっていないかもわからないから、とにかく走る。どうしようもなくなったら、他の学校法人の理事長先生(親子ほど年が離れている方もいらっしゃいます)に恐る恐るお電話して教えていただいたりしながら、何とか走る。そんな毎日でした。

トヨタ自動車、ロレアル、ロンドンビジネススクールでの、結構ハードな鍛錬の日々が無かったら、1日目にして潰れていたかもしれません。

結論。理事長=経営者

1年目は、ひたすら走る。2年目は、分からないことが分かって泣きながら走る。3年目は、分かってきた問題を解決しなきゃと青ざめながら走る。そんな日々が続きました。

そして分かってきたこと。理事長とは、経営者である。(←当たり前ですが・・・)企業であれ、学校であれ、組織を経営するためには、ヒト(学校の場合には"教職員")、モノ(学校であれば"教育のコンテンツ"ということになります)、カネ(学校であってもおカネはおカネです)が必要。それらを管理し最終的に決断し、責任をとるのが理事長、ということです。

シンプルに考えれば、企業の社長とほぼ同義、と言えるでしょう。ただ、ヒト(そこで働く人)が何千人~何万人、というよう大きな組織ではないことと、私自身が若かったということから、とにかく「見ているだけでなく、自ら動く」(経理も見るし、採用も、総務も、広報も・・・。とにかく学校に関わるあらゆることに関わっていく、超プレイング)新米理事長でした。

結論。これからは、自分が決断し、自分が責任を取る。

こうして突然、経営者になってしまい、強烈に認識したことがあります。

これからは、誰にも「決めて下さい」とは言えないんだ。自分が最後は決断し、責任を取るんだ。

企業に勤めていたときには、私は別に最終決定する必要はない、ということがほとんどでした。「この案件は社長マターだから。」「これは部長決裁だし。」30歳前後の若さで、すべての決断に責任を持たなくてはいけない経験は、全くしたことがありませんでした。

でも、これからは、最終的には私が責任を持つんだ。

この独特の重みは、この立場になった者のみが感じるものです。お父さんも、こんな気持ちと日々向き合って生きていたんだ・・・そんなことを感じながら必死で前を向いて走り続ける日々でした。

次回は、そのような日々の中で、印象深かった人との出会いについて書いてみたいと思います。

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