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日々の業務経験を学びに変える「リフレクション」のススメ

最近、リフレクションってどうやったらいいですか?と聞かれることが増えたので、まとめてみます。ただこれは理論やフレームワークに基づいたものではなく、私の個人的な経験をベースにした方法なので、もっと洗練されたやり方があるかもしれません。

①とりあえず自信をつけたいときに実施する「ポジティブ日記」

20代の頃に毎日失敗ばかりで、自信を持てなかったときに人に勧められて実施した方法。一日の終わりにその日あったことを振り返り(そしてそれはほとんどが失敗経験)、それを無理矢理ポジティブな経験に変換して書きとめます。例えば「つまんないミスをして先輩に怒られた」ということがあった日は、「先輩が怒るツボを知れた」と変換して書きとめます。事実をそのまま書いているとどうしても自分のダメなところに意識がいって落ち込みますが、こうすると学びの機会だったという捉え方ができるので、これを続けているうちに失敗=学習機会だという意識ができて、失敗しても落ち込みにくくなりました。ポイントは、どんなに酷い失敗でも、無理矢理にポジティブ変換をすることと、ちゃんと文字にして書きとめること。誰にも見せない鍵付きtwitterとか、自分だけのLINEグループなどを活用するといいと思います。

②業務の質を上げるための「手段のリフレクション」

失敗を直視しても落ち込まなくなったら、次は改善につなげるためのリフレクションです。その日の経験を振り返り、なぜうまくいったのか/いかなかったのかを考え、どうすれば次に活かせるかを考えます。コツは、原因を「自分の行動」に落とし込むことです。自分が変えられるのは、自分の意識と行動だけです。「上司が適切な指示を与えてくれなかった」という他責の原因分析だと解決策につながりませんので、「私が上司に確認を怠った」のように自分の行動に原因を求めるようにします。そして、原因が自分であれば、「次からは丁寧に確認をする」という自分でできる解決策を編み出すことができます。

③自分の成長のための「深層心理のリフレクション」

①②に慣れてからでいいのですが、さらにオススメなのは、行動の裏にある自分の心理を見つめるリフレクションです。なぜうまくいったのか/いかなかったのかを分析し、その背後にある自分の感情や意識と向き合います。例えば「私が上司に確認を怠った」のであれば、なぜ確認を怠ったのか?を考えます。そうすると、例えば「上司に対して罪悪感を持っている」「上司と話すことに苦手意識がある」ということに気づきますが、そこで終わらずにさらに「なぜ罪悪感を持っているのか」「なぜ苦手に思うのか」を突き詰めていきます。そうすると「自分が全力を出していないという意識がある」「自分は認めてもらえないという意識がある」等、根っこの理由が見えてきますので、この理由に対する解決策を考えます。この作業は見たくない自分と出会うことが多いので、落ち込んでいるときはしないほうがよいと思いますが、ぜひ余裕が生まれたらやってみてください。なぜ自分はいつも同じ失敗をしてしまうのか(②のリフレクションだけでは解決しないケースの原因)が分かるかもしれません。

ところで、これを書いていて気づきましたが、私が育休プチMBAなどでケースをファシリテーションする際は、②だけでなく③まで訊ねることが多いです。ケースの登場人物は第三者であり、どうしても参加者は他人(登場人物)のことだと批判的になりやすいのですが、なぜこの登場人物は○○をしたのか?それはなぜなのか?を深掘りしていくと、参加者は自分にも同じ要素があるということ、つまり自分も同じ失敗をする可能性があることに気づきはじめます。そこに目が向くことで、各自で予防ができるようになると考えています。

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