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オンラインセミナーの画質を改善するためにやったこと(使用機材の詳細つき)

1年にわたるオンラインセミナー経験より

去年の今頃は、あくまでオンラインは暫定対応ですぐに対面授業に戻ると思っていました。しかし3月頃に「これは長期化する」と気づいて腹をくくり、授業やセミナーをオンライン化するための設備投資やスキルの勉強をし始めました。結果、ここ1年は大学の授業や企業研修はほぼ全てオンライン。振り返ってみると、この間に培った経験は非常に価値がありました。というか、この1年ちゃんとオンライン化に向き合った講師と向き合っていない講師とでは、かなりスキルに差がついたのではないかと思います。

さて、オンラインでのティーチングスキルも蓄積しましたが、もう1ついろんな人にお褒めいただくのは画像の作り込みです。最初はパソコンの内蔵カメラで対応していましたが、大規模なセミナーのことを考えると音と画質はいいほうが聞き手のストレスが少ないだろうと思い、一眼レフカメラを外付けカメラ化して使っています。それがこの記事のトップ画像ですね。背景がほどよくボケるところが、一眼レフならではです。内蔵カメラやタブレットだと、背景にある本のタイトルまで見えてしまいますので、無駄に視聴者の気が散るし、こちらも立ち位置に気を遣います。とはいえ白バックは、長時間みていると飽きてしまう。バーチャル背景は人物が暗くなってしまう。その辺の悩みが解消され、セミナーの内容に集中できるようになりました。

ちなみに以下はパソコンの内蔵カメラでやっていた頃。背景はホワイトボードです。比べてみていただくと、映像がきれいになることでもたらされる効果が分かっていただけるかな?私がヒアリングをしたところでは、講師の信頼感や説得力が変わるようで、「ちゃんとしている人」に見られたい場面では外付けカメラで挑むようにしています。

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最近、この画作りについて質問されることが増えたので、誰かの参考になればと思って情報を載せておきます。前提として、私は機械とくにハードウェアについては必要に迫られて覚えただけの素人です。なので技術的には「?」と感じる記載があるかもですが、どうかご容赦ください。

オンラインセミナー環境の全体図

まず、こちらが全体の図解です。以下で個々の機材について説明します。なおこの手の説明は、具体的な品番まで分かったほうがいいと思うので、私が購入したとき(2020年5月)のAmazonのURLと価格も載せておきます。今は入手できないものもありますが、より新しいモデルならもっといいものがある可能性もあります。

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各機材の詳細

①一眼レフカメラCanon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X10 標準ズームキット ホワイト KISSX10WH-1855ISSTMLK)、71,044円

私は人物をきれいに映したいというより背景をぼかして奥行きを出したかったのですが、これはビデオカメラでは無理で一眼レフカメラが必要だということがわかりました。実はEOS Kissは2010年モデルを持っていたのですが、新しいモデルでないとWEBカメラとしての使用に対応していません。そこでCanonのEOS Kiss X10、またはSonyのミラーレス一眼(SONY α6100)で迷ったあげく使い方に慣れているEOS Kissを購入。なおWebカメラとして使う場合は動画はパソコンやクラウドに保存されるので問題ないのですが、カメラ本体に動画を録画する場合は仕様上30分以内の尺でしか撮影できませんのでご注意ください。

②単焦点レンズCanon 単焦点レンズ EF50mm F1.8 STM フルサイズ対応 EF5018STM)、15,900円

Webカメラとして使用する場合、カメラと被写体の距離が1m程度になるため、標準レンズを使用しているとフレームに入りきりません。そのためレンズだけを買い足しました。レンズは凝りだせばもっと高くていいのがあるのはよく分かってるんですが(レンズ沼)、私は予算的にこれくらいでいいかなと。結果、十分満足してます。

※なお、カメラとレンズを選択する上では、こちらのサイトを参考にしました。詳しいレンズの説明も載っています。
主要カメラメーカーに問い合わせて生まれた、最高のリモートワークを実現するカメラ環境

③カメラの電源アダプターCanon DCカプラー DR-E18Canon ACアダプター AC-E6N)、併せて12,900円

最初はいらないかなーと思ってたんですけど、標準装備の充電式リチウムイオン電池だと1時間くらいしか持たないのです。セミナーや会議の途中で突然映像がオフになるといった事件を経て、あきらめて購入しました。今では必須だと思っています。

④カメラ設置用の三脚SLIK 雲台 SBH-100など)、1万円程度

耐荷重と、カメラが載せられる形状であることだけ気をつければ、そんなにハイスペックじゃなくても大丈夫。ただ一眼レフは重たいのでヘッド部分がしょぼいとうまく固定できなくて、1回買い直しました。スマホと兼用しようとか考えないほうがいいかも。SLIKはおすすめです。セミナーのたびに毎回カメラ位置を決めるのは面倒くさいので、床にマステを貼って印をつけています(放送業界用語でバミると言います)。

⑤カメラとパソコンをつなげるUSBケーブル。(コネクタタイプはカメラにあわせますが、EOS KissだとUSB+マイクロUSBでした)、999円

ポイントは長さで、2Mくらいの長さがあるとパソコンの置き場所にあまり悩まずに済むのでよいです。短いと設定してみたらピーンってなったりする。

⑥コンデンサーマイクFIFINE USBマイク コンデンサーマイク)、6,399円

実はマイクはよくわかんなくてこだわりもないのですが、とりあえずUSBでパソコンに接続できて、1万円以下がいいなーと思って選んだこれに不満はないです。好きな人はググるといろんな比較記事があるけど、沼にはまらないよう気をつけてー。なお私はパソコンと接続がどうしてもできなくて諦めましたが、AppleのAirpodsはきれいに音が拾えるのでAirpodsでも十分じゃないかと。なおイヤホンマイクを使う場合は、ワイヤレスのほうが引っかけたりこどもにひっぱられたりしないのでいいよ!!

⑦Webカメラ用ソフトウェアCanonのEOSならEOS Webcam Utility

外付けカメラをWebカメラとして使用するためのソフトウェア。各カメラメーカーが提供しているものをダウンロードして、パソコンにインストールします。2020年5月時点ではEOS Webcam UtilityはBeta版で英語サイトからしかダウンロードできなかったけど、今は日本語サイトで手に入ります。カメラメーカーサイトで確認してください。これが適合しているカメラであれば、Webカメラとして使用できるということでもある。

⑧LANケーブル(環境にあわせた長さで)

無線LANでもいいけど、リモートワーカーが増えた現在は無線が不安定になることも多いので回線の安定性には気を遣ったほうがよく、有線でつなげられるなら有線にこしたことはない。特にライブ配信とかデータ量が多いコンテンツを同時配信する場合は、有線は必須。同時配信で映像止まるとか、見てる方はストレス半端ないですから。

⑨ノートパソコン、⑩Zoom, YouTubeなど

この辺は自分が必要なものをご自由に。なおオンライン授業をやってて困ったことのひとつは、カメラやマイクをハードは認識しているのにアプリ側で認識しない、ということがけっこうあった。映らない/聞こえないときにどこに問題があるのかを調べる作業は大変だったし、理由は分からないけど機材を買い直したら治ったみたいなこともあり、難しいっす。

あると便利なタブレット

⑪iPad Air (10.5インチ,60,270円)とApple Pencil (第一世代,12,576円)

画作りには関係しませんが、現在授業やセミナーでは主にパソコンとiPadの2台で挑みます。特にケースメソッド授業のファシリテーションのときは、2台体制(Zoom上も2枠使用)がマストです。パソコンを外付けWebカメラとマイク使用でメイン機として使い、iPadはApple Pencilで板書&参加者からの見え方のリアルタイム確認&メイン機に何かあったときのバックアップとして使います。Zoomでのディスカッション中は、iPadで「ホワイトボード」を共有し、参加者の顔をパソコン側で確認しながら進めています。この1年いろいろ試して、いまはこれに落ち着きました。板書ツールとしては、通常の壁掛けホワイトボード、手元で使えるバタフライボードやnu board、パワポへの書き込みなどなども試しましたが、板書を使って議論を構造化しようとするとどうしても手書き要素が必要で、かつ参加者からの見えやすさを考えるとiPad&Apple pencilがベスト、となりました。板書は最後に画像化して参加者にシェアしたりします。

以上、ご参考になりましたら!!!!

一年前はこんなかんじ

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