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どうやったら支援の質を問えるのか?「放課後等デイサービス」

日本教育新聞にこんな記事が載っていました。

「保護者の期待高まる放課後等デイサービス。運営の適正化が今後の課題に」

先日、学童保育など放課後の子どもたちに関わる職員の資質向上研修で講師をさせていただいた際に、
「放課後等デイサービスに行きたがらない子どもがいる」
「足にしがみついて『行きたくない』と泣きじゃくる子どもを見るのが辛い」
「行きたがらない子どもを助けてあげられない自分に無力感を感じる」
との相談を受けました。

子どもたちの行きたくない理由は様々だと思います。
でも、私はこんな話を聞くたびに、子どもたちのことを思うと心が痛くなります。そして心の痛さは、泣きじゃくる子どもたちに関わる放課後等デイサービスの大人たちへの怒りへと変わります。
放課後等デイサービスの基本的役割の一つ「子どもの最善の利益の保障」を果たすためには、そもそもとして子どもたちが通うことを楽しみにできる場とすることが大前提で、それがあなたたち大人の役割でしょう?と言いたくなるのです。

放課後等デイサービスは儲かるからと、質は一切担保せず、補助金だけを目的とした安易な事業者の参入によって、支援の質が低い事業所が存在することは、以前からずっと問題になっています。

「部屋に閉じ込めてひたすらアンパンマンビデオを見せるだけ」
「お水をよくこぼす子どもに療育と称して、目の前にあるペットボトルをひたすら何時間も見させ続ける」

この声は、私が数年前に厚労省社会保障審議会障害者部会で委員を務めさせていただいた際に聞いていた声で、もちろん委員として改善を訴えました。
でも数年前とまったく変わらない同じ声が聞こえる今この現状に、もっと言えば自分たちの利潤を追求する大人たちのために犠牲になっている子どもたちがいることに気がついているのに何もできない(何もしないかもしれない)自分も含めた大人に、嫌気がさすのです。

発達障害など見た目にわからない障害のある子どもたちの支援は、段差解消など設備改修のように見えるハード面での支援とはちがって、支援が見えづらいソフト面での支援が多く求められることから、質とは何か、質をどうやったら見える化できるのか、そして質の高いサービスをどうやったら統一・標準化できるのかが、課題として問われています。
そして、課題を解決するために、質に関する調査研究も行われています。

令和2年 3 月みずほ情報総研株式会社
厚生労働省 令和元年度障害者総合福祉推進事業
「放課後等デイサービスの実態把握及び質に関する調査研究報告書」


どうやったら支援の質を問えるのか、
そしてどうやったら子どもたちが楽しい場所として通えるようになるのか、
一緒に考えてもらえませんか?

*画像:このカバーのデザインはFreepik.comのリソースを使用しました。



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