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フィンランドの学生健康事情

学生専用の医療センターYHTS

フィンランドの健康システムというと、KELAと言う単語が使われますが、私は外国人学生の身分ですので事情が違うようです。
おおまかに、基本料金がやさしそうな公立の病院があるのと、値段が、おお、まさしく私立だな、と言うクリニックとの両方あるところは、フランスに似ているかもしれないと思います。

留学生の場合
留学生の場合は、入学申請の際、健康保険に入ってくることが必要なはずです。ところが、私の体験ですが、現在は学生用の医療センターYHTSに半年ごとにお金を払う約束のようです。半年分が40ユーロ以下です。
健康で医者知らずの方にはもったいないかもしれませんが、どこでどうなるかわからないのと、払わないとどうなるかは未調査です。

学生向けの医療センターYHTSは公の施設で、受診できる科は限られています。専門の科の診察を受けたい場合は、相談して、ここから紹介してもらえるようです。また、平日のみで時間も限られています。緊急のときは、病院の緊急へ行くことになるでしょう。(未経験です)

私立病院も、街中にいくつかあります。診察料は高く、100ユーロ超えも普通です。予約はオンラインでも取れ、便利です。払い戻し額は不明です。
日本から海外旅行用の健康保険に入っている場合には、もしかしたら払い戻しがあるかもしれません。経験のある方に、ぜひお話をお伺いしたいです。

救急へ駆け込むほどではなくとも、できるだけ早く診察を受けたい場合、私立へ行く価値はあるかもしれません。

フィンランドにいてもフランスと共通した大変さを感じます。公立病院は現在人手不足だそう。だから緊急へ行っても、すぐ見てもらえるとは限らなかったり、電話で相談してみても待つ日にちが長いということもあるそうです。フィンランドで眼科にかかったときは、予約日が結構先だった記憶があります。ただ、フランスではコロナの前からかなりの人手不足で、酷い状態でした。

私がフィンランドで私立を使ったときは旅行の為で、Covidの陰性証明が「紙で必要」だったからです。行き先はEU内でした。

まず電話する
学生医療センターの電話番号は、全国でひとつだけ!この回は、誰も人間は応答しません。電話をすると、録音メッセージが流れるので、ボタンをプッシュします。例。言語を選ぶ→一般か心療か→希望の内容、等。
こちらからかけなおします」と自動メッセージが流れます。しばらくすると、きちんとかかってきます。人間から。
その内容次第で
「では○○日○○時に、地元の学生医療センターが電話をかけます」
「まず電話をかける約束の予約」が交わされます。

なお、このコールセンターからの電話で、持病の有無、あれば薬の名前などを伝えます。留学生は、学生身分の滞在カードと、個人証明カードを持つ事が出来るので、そのID, 個人証明番号を伝えます。(この件もまた書きましょうか)

次に地元のYHTSから電話があった際に、この後どうするかを話し合い、指定されます。先方が医師に会うことを設定してくれた場合には、予約時間を決めます。(その後、電話にメッセージが届きました)

診察日の運び。
地元の待合室は廊下。(以前は待合室がありました)。友達に偶然会うことはまずなさそうですが、避けたい場合は帽子を深くかぶりマスクもしましょう。サングラスやかつらもいいでしょう。フィンランド人の級友なら、そっとしておいてくれると思いますので、特に心配はいらないと私は思います。

約束の時間に、医師がドアから顔を出し名前を呼んでくれます。または、休憩室かどこかから現れます。予約時間は、遅れる可能性はあることでしょうが、早くなることはまずありません。その時間に間にあうように行けば充分です。診察時間は長め(20分はあります)で、余裕があります。

心配なことがあれば、自分でこちらでの症状名を探しておくのが良いと思います。医者の質問は思いもつかないものがあり、先に想像するのは難しいと毎回思います。最低限、どこがいつから痛いといったようなことは、ネットを駆使して探しておきましょう、単語をそえて。

地元の医療センターで約束をとり出かけたところ、医師ではなく、看護師に話を聞いてもらうことも経験しました。看護師が最初にというときは、医療診察を受ける必要があるかどうかを見極めるためかと思います。この時は確か食生活の相談だったかと思います。

処方箋をもらう「Recepti」 
医師の診察後、薬を出されることがあります。処方はReceptiレセプティと言います。この時代、紙の処方箋をもらうこともありません。先にのべた個人番号と医療センターとが結びついているので、薬局で個人番号を伝えれば薬剤師が薬名を見ることができます。自分でもチェックできます。

処方箋なしで個人で買える薬が「処方」されていることもあります。
また、私は、まだ手持ちがあったため購入しなかったこともあります。

私の経験
地元のセンターの受け付けへ行き、受診できるかどうかを受け付けの人に顔を見て相談したい・・・というのは、Covidのあと、夢になったのかもしれません。一年生の時は確か、受付に人がいました!一年生の後期にコロナが広がり、医療センターも閉鎖。その後しばらく行く事もないうちに、センターは偶然かどうか引っ越しましたので、全体の仕組みも変わったのかもしれません。内装工事も必要なので引っ越しは偶然だとは思わないのですが、しかしタイミングが良すぎました。

先日の夏休み中に電話したら「午後に来られるなら来てください」と言われたのが、診察日までの最短記録です。一般病棟では人手不足だそうですが、学生の場合は夏休みだからこそ、暇なのかも?!。以前にはまず一般医に会い、その後、目の検査のために病院へ行く約束を取り付けたこともあります。

電話番号についてもう少し
電話番号
はふたつあります。一般および心療の番号と、口腔に関するもの(歯科)です。学校生活に疲れた場合、自分の行動で気になることがある場合、ADHDを相談することもできるようです。

なぜ全国で一本なのか。それで充分、ということなのかもしれません。フィンランドの大学、学校がすべて無料の公立であることから、こんなことが平等にできるのではないか、と思います。もし私立の学校があったとしても、同じ学生の枠に入るので、同じだと思います。(調査不足です)

待合室には避妊具がかごに置かれていて、学生には強い味方です。女子学生にはそれなりの女性の悩みもあるだろうし、望まぬ妊娠その他の場合、平日に限られますが対応してもらえる可能性があります。

受診は英語でもできます。私はフィンランド語で受診していますが、医療分野の言葉はどの言葉にしろ、常に特殊です。
そこで頼りになるのが幡野恒(はたのひさし)さんが編纂された
日・フィンランド語両引きの「医学・解剖学用語辞典です。(Mikon さんからお借りしました)日本ではいくつかの店頭で、フィンランドでは、ご本人から購入が可能です。

それでも見つからない場合には、私はグーグル翻訳を使い、逆引きして確認します。もしくはウイキペディアで日本語の病名や症状名を探して見つかる言葉なら、左側でそのまま同じ病名のフィンランド語のページへ飛びます。
けっこう見つかります。

どうしても見つからない場合、自分でシチュエーションを考えます。婦人科、と言う単語を思い出せず「女性の・・・おなかとか・・・」でわかってもらえたこともあります。忘れっぽい事おびただしく、しかもそもそも覚えられないので自慢にはなりませんが、こういった基本的な単語の組み合わせで勝負するのも頭の柔軟さも必要かも。
それに、意外とフィンランド語は「そんな言い方でよかったんかい!?」と言うこともあります。

尻切れトンボですが、とりあえずここまでにしましょう。眼科にお世話になった話など、また。


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