青梅談合事件。被告人は裁判が終わるまで被告人であるつらさ。精神的、体力的にも崩壊させるようなこの国の司法制度。

被告人として戦い続ける疲労は半端ない。
そしてまた、裁判が終わっていないことに対してのストレス、目に見えない敵との戦いは本人にしかわからない。それは誰も知ることのない、一人での戦いであり、私たちはそれを少しでも感じさせないようにフォローするだけである。

・眠れているとは言っているが、実際眠れているかはわからない。
・大丈夫だと言っているけど、実際は大丈夫じゃないだろう。

きっと”大丈夫”という言葉は2つの顔をもつものなのだ。
私は比較的”大丈夫”という言葉は好きである。それは、何か失敗をし、その言葉を掛けられることで自分が安堵する。
しかし一方で、”大丈夫”と自分に言い聞かせる、気持ちを押し殺す、我慢させることで安心させる、または納得させるというのはダメなパターン。
このように”大丈夫”という言葉は2つの顔を持つ。

私は今回父の件があってから、沢山考えさせられた。

・困っているときほど支えてくれる人が本当に信頼できる人
・公共工事が8割だと何かあった時に別のチョイスがないと大変
・三権分立とは何か?(今更だけど再確認)
・陰で何かを言われていることを耳にしたときの落胆感
・日本の司法のおかしな点
・権力は小さなものさえも権力で押さえ込む
・裏切る人は絶対にいる
・日本という国の腐った組織
・恩はあだで返されることが多い
・会社の経営者の考えを探るのは大変
その他諸々。

本当に生まれて初めてのことだらけで、私としては辛かったというよりあっという間に時間がすぎていった・・・そんな感じ。w

私は父に近い存在であったこと、そして公の場に出る立場として肌で感じるものはたくさんあった。
一応私は結構空気の読める方であり、かなりおかしな空気には人一倍気づくけどきづかないふりをするのも得意である。w

私は父が拘留され、起訴されてすぐに社長就任した。そうでなくては代表者がいないので会社が潰されてしまう。私としてはすごく悩み、でも父が帰ってくるまでは絶対に会社を守らなきゃいけないという気持ちでいっぱいだった。無論、社員さんもいたので簡単に会社をしめるなんて言えない。逮捕から起訴までの短い時間で決めなければいけない、そして父の不本意な思い出の継承。
私はただただ悔しいの一言。継ぐのが嫌なわけでも、建設業が嫌いなわけでもない。ただ、この状況でしかも時間のない中決めなければいけない状況に苛立ちさえも感じたのが本音である。

父が逮捕された次の日、私は状況がつかめないまま会社の社員、職人へ迷惑をかけた件について泣きながら謝った。この時、この役目誰かがしないといけないという気持ちと正直なんで私がって気持ちはあった。
だけど、自分がこの会社を引き継いでいかないといけないと気持ちを奮い立たせてその日は家から会社へ向かい朝からみんなへ話をしたのを今でも覚えている。
そこでのみんなの反応は、
”みんなで頑張りましょう””大丈夫だからね”と優しい言葉と気持ちであふれていた。正直、みんな私が幼いころから知っている人がほとんどであるからこそそういう言葉をかけてくれたんだろうなと思う。
そこから今現在、社員、職人、だれ一人やめることなく働いてくれていることに感謝している。
きっと、今でも周りから何か言われてる人もたくさんいる。しかし、そんな中仕事を一生懸命こなしてくれているみんなへは本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。

父が留置されているとき、実は何度か悔しい思いをしたり、嫌な思いもしたり、怖い思いもした。しかし、そこはそこで我慢するしかなかったし、今では笑ってそんなことも話せるようになった。あの時はかなりつらかったな。
今思うとよく我慢できたなと。やはり、周りの支えがあったからこそ今の自分がある。だから、私は感謝を忘れないようにしたいとその時本当に思った。

今回の経験を経て、私は黒い部分とそうでない部分を一気に目の当たりにした。それは何に対しても言える。本当なら経験しなくてもいいことを経験してしまったのかもしれない。
国に対して、裁判所へ対して、警察や検察に対しても、そして会社を経営する立場としてもだ。

私は今回の事で大変だったよねと言葉をかけられる度に

”ありがとうございます。でも本当に大変だったのは父なんで。私は何もしてません”

と返すことが多い。でも本当にそうだと思う。冒頭にも書いたが、父は誰よりもつらい立場にいたのだ。未だに辛いだろう。

取り調べ室、窓もなければ狭い。
留置所や拘置所でのひどい扱い。
何度も同じことを聞かれ、答える。
話していいのは弁護士だけ。

でも私はいつもこうして言葉かけしてくれる人がいるだけでも感謝している。だって、みんな少しでも興味を持ってくれていたということだしね。

私はとにかくこの件に関して、忘れてほしくない。
このようなメンツをかけた公平ではない裁判。こうしたことが日本に今もなお起こっているという事実だけでも残していきたい。

この記事を何人の人が読んでくれて、何人の人が共感してくれるかはわからない。だけど私は記録して残したい。

誰よりもつらい立場にいる父を早く解放してあげたい。

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