試着するミシュランマン

断捨離とこんまりさんを知ってからあまり衝動買いをしなくなったが、それでもたまに散財したくなる。着る洋服はあるし、これ以上買ってもタンスに入らなくなるのもわかっているが、洋服を買いたい。何かほしい。そんな時は一人でアウトレットに行くことが多い。アウトレットは人員の問題なのか店員がぐいぐい来ないので一重のずんぐりむっくりな私もストレスなく自分のペースで買い物ができる。

ミシュランマンみたいな体型なので試着はマストなのだが、女性なら試着室に入る際に言われる台詞がある。「フェイスカバーをお願いいたします」
化粧が商品につかなくするため、フェイスカバーをするのは当然であり、嫌なことは全くないのだが、問題はそのあと。

下着姿にフェイスカバーをしている自分の姿を試着室の鏡でみるとき。むちむちの身体と頭部にカバーをかぶり仁王立ちしているこの姿。自分の哀れな姿に、スマホのインカメラに油断して写っていた顔を見たときくらい軽く凹む。これ罰ゲーム?

「やせなきゃね・・・」毎回思うがそれも一瞬。むちむちフェイスカバーを見たあとに試着すると洋服がすごくキラキラして見える。その落差に数秒前のダイエット宣言なんてすぐに忘れる。だってこの洋服入ったし。似合っているし。かわいいし。

そんな感じで試着室で舞い上がるせいか、たまに似合わない服(それもだいたいニット)をかってしまう。

通称「良純ニット」。

石原良純が着てそうなパステルカラーのニットのことである。良純と違って薄い顔立ちなのだから似合わないのに、明るい色のトップスは試着室で一際キラキラして見えてしまい失敗する。淡い色をなんなく着こなす石原良純って本当すごいと思うし羨ましい。天気もたまに当ててるし。


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