しみったれた趣味

スーパーマーケットが好きだ。

コロナウィルスが蔓延する前までは国内旅行をちょくちょくしていた。ひとりの時もあれば友人や母とあるいは現地に住む知り合いと合流することや職場の人と行くこともあるが、その際必ずお願いをする。「コンビニかスーパーマーケット、もしくは直売所に寄りたい」と。狙うはご当地調味料とカップ麺。馴染みのないデザインをみると非日常感を味わえ、高揚してしまう。知らないものを知ってしまうこと、知らないものを手にすることは何よりも私をわくわくさせる。悲しい独身だと自覚しているが、私にとって買い込んだものを自宅で味わうまでが旅行なのだ。

ネットが発達してお取り寄せもさらに身近になったが、現地に行かないと手に入らないものはまだまだ多くある。旅の帰り道にぱつぱつのスーパーの袋を下げている姿を同行者に毎回笑われているが無問題。私にとってそんな宝さがしが遠出をした際の醍醐味なのだ。

最近はモッパンと呼ばれる韓国のYouTuberが食べる動画を見て1人深夜の食欲を静めていたせいか、韓国ラーメンに目がない。遠出の際にはまだ見ぬ韓国ラーメンをスーパーで探してみることにしている。

半年以上前に仕事で近くまで行った際に新大久保でも韓国麺を買い込んだのだが、その中のビビン麺が私の好みだった。また食べたいと思いつつ関東に行く機会もないし、そのためだけに東京に行く度胸もない。ご時世柄に加えて仕事という大義名分がないと関東は近づけない田舎侍なのだ。当然近場でも売っておらず、ネットでの商品の10倍以上の送料負担に半ば諦めていた。

そんななか昼休憩中に「もう一度食べたいな」、とふと軽い気持ちで調べたら、近場に大型の韓国食材スーパーができていることを発見。

「行くしかない」

謎の使命感。普段インドアのくせに早速翌日の休みに小雨が降るなか7時半に起床して行ってきた。

結論からいえば、お目当てのビビン麺はなかった。だが、見たことがない商品に念願の韓国チキンを食すことができて大変満足だった。YouTuberがこぞって食べていたザクザク食感のチキンは冷めても美味しかったし、チキンムと呼ばれる大根の酢漬けは箸休めにはちょうど良かった。

韓国に行くのはまだ1年以上難しいだろうし、またいつ外出制限がかかるかわからない。とりあえず買い込んだ韓国食材で家での時間に楽しみをみつけようと思う。


ラーメンばっかりやないか。死ぬど。


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