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三月の前に……

 しておかねばならないことや、できることができないままに、二月が終わろうとしている。他人から見れば、なんてことはないだろうけれど、とても激しく私は焦っている。

 もう着なくなった古い洋服、着たいけれど自分には似合わなくなってしまった洋服に、派手なバッグを捨てないといけないことに気がついていた。

 ストレスの反動で買い物をしてたくさんありすぎてもしょうがないほどに靴やバッグもありすぎて、これも処分の対象だ。

 本当は昨年の夏にやるはずだった、業者さんを手配して手伝ってもらうはずだったのに。すべてが感染症を恐れて先送りにしてしまった出来事の数々に含まれる。

 その時好きだったから、欲しかったから集めていたような気がする。いらないものになってしまった高額な商品は今はゴミになろうとしているのだろうか。誰かにあげようと思ってもそんな人もいない。

 メルカリなどのIDを作るのも、サイトを作るのも面倒で。

 何もしたくない。

 その点、花は処分に困らずにいつも私を楽しませてくれる。

 やらねばならないことがそのままになってしまうのは罪悪感からだろうか、自分では捨てられないので、知り合いの4歳お姉さんが手広くメルカリなどをやっておられるので、全部引き取ってもらった。

 中には皮がべたついたり、変色しているバッグがあると聞いたが、それは捨ててもいいかという質問だった。

 昔ならばとんでもないと叫んだところだが、今はもうなんの執着もない。

「それはもう捨ててください」

「いいの? 一度使えば? それから捨てればいいじゃないの」

「ごめんなさい。自分ではそれはできないので申し訳ないですけれど捨ててもらっていいですか」

 しばらくの沈黙の後、

「いいけど、私が見て使えないものは捨てるけど」

 私はお願いしますと返事をしたけれど、そのあとはもうその話をしない。髪がめちゃくちゃになった時も、すぐに心配して電話をくれた人は男友達とこの知り合いのお姉さんだった。

 三月が来るけれど、まだ一緒に遊べないし、食事にも行けそうもない。

 年末までにはマスクを外して、笑える日が来るのだろうか。

 そして男友達は遊びに来てくれるのだろうかという甘い想像をしている。

 春はなんだか、気持ちが軽くなる。けれど、落ち着いて行動したいと思う。失敗パーマを直すために自分でストパーをしようと思っていたが、やめてサロンの予約をしたほうがいいのかなと思い始めた……。

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