浪人へ ~プロローグ~
~まどろみの中で~
東大に落ちた。
なんで落ちたのだろう?
あの二人を見て決意した8月。ケータイの電源を切って引き出しの奥にしまい、入試の日まで電源を入れなかった。800冊以上あった大好きなマンガは段ボールに詰めて、亡くなった祖父母の家に全て送った。
机の周りには本棚に入りきらない参考書が山積みになっていた。その麓には、ボロボロのノートが何百冊もあった。
自分の番号がないことを確認し、ベッドで心と身体を折り畳む。
まだどこかで不合格を幻と願っている僕が、まどろみの中に見た