見出し画像

「投資信託とヘッジファンドの違いとは?」金融リテラシーを高める

「投資信託とヘッジファンドとでは、その仕組みや運用手法について何が異なるのでしょうか。」

はじめまして!KxShare株式会社でインターンをさせていただいている大学生です。インターン生として、まずはコラムを書かせていただくことになりました。どんなコラムかと言いますと、お題について私が徹底的に調べ、分かりやすく解説をしていくものになります。ぜひ、コラムを通して私と一緒に金融リテラシーを高めていきましょう。


早速ですが、第一回目の題材は「投資信託とヘッジファンドの違い」です。日常ではあまり聞きなれない言葉ですね。もしかすると、投資信託は何となく耳にしたことがあるけど、ヘッジファンドは聞いたことがないという方も多いかもしれません。私も、今回このお題について調べてみるまでは良く分かっていませんでした。ですが、当たり前と言えば当たり前です。まさかご近所さんとの日常会話で「あらやだ、こっちのヘッジファンドの方が良いわよ」みたいに、まるでスーパーの特売を教え合うようには出てこない単語ですからね。

さて、「投資信託とヘッジファンドの違い」を見ていくためには、双方について詳しく知る必要があります。そのため、投資信託とヘッジファンドとは何かを解説した上で、その違いについて迫っていきましょう。
初めに結論を述べておきますと。投資信託とヘッジファンドは”かなり違います”。


1.投資信託とは

まず、投資信託について見ていきましょう。投資信託とは、投資信託協会によると「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家(プロ)が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」のことです。

また、一緒くたに投資信託といっても様々な種類があります。種類というのは、形態や投資対象のことです。形態には大きく、会社型投資信託契約型投資信託があり、日本においての主流は、契約型投資信託の方になります。

契約型投資信託には、さらに枝分かれして委託者指図型投資信託委託者非指図型投資信託などがあり、現状の多くは委託者指図型投資信託です。投資対象としては、主に株式や債券などの伝統的な資産への投資がなされています。一方、会社型投資信託の代表的なものには、不動産投資信託があります。

投資信託の特徴として、一般的に公募のものが多く、小額からでも出資することができるため、”大衆向け”であると言えます。さらに、その多くは主に株式や債券を投資対象にしているのです。
※ただし、中には機関投資家向けの私募投資信託もあります。


2.ヘッジファンドとは

次に、ヘッジファンドについて見ていくことにしましょう。

ヘッジファンドは、「①私募により機関投資家や富裕層から資金を集め、運用の専門家(プロ)が株や債券などの伝統的資産に加え②オルタナティブ資産へも投資し、かつ③絶対収益の運用」をします。

色々と難しい専門用語が出てきてしまいましたね。
分かりやすいように用語を整理しましょう。

「私募」…特定の投資家や適格機関投資家などのプロ機関投資家を対象に勧誘すること。※不特定多数の人に勧誘をする「公募」に対して使われる。

「オルタナティブ資産」…非公開株式やデリバティブ(金融派生商品)のこと。※上場株式や債券などの「伝統的資産」に対して使われる。

「絶対収益」…市場の動向に左右されず常にリターンを目指すこと。※市場におけるベンチマークを上回るリターンを目指す「相対収益」に対して使われる。日本の株式への投資であれば、TOPIX(東証株価指数)がベンチマークに設定されることが多い。

①から分かるように、ヘッジファンドに投資できる人には条件があります。例えば、資産○○千万円以上というようにです。そして多くの場合、上場株や債券以外の②非公開株式や金融派生商品にも投資し、その運用方法も買い(ロング)と売り(ショート)などを組み合わせるなどして③市場の動向によらずリターンを目指すのです。

補足として、市場が伸びているときに株を安く買って高く売れば儲かることは誰しもが理解できると思います。一方で、市場が冷え込み、株価が下がっていく時でも、空売りなどを駆使することで収益を上げることができます。空売りとは、信用取引の一種で株式をどこかから借りてきてそれを売り払うというもので、売った時よりも安い値段で株を購入し返還することで収益を得ることができます。


ここまで投資信託とヘッジファンドを別々に見ていきましたが、違いだけでなく同じところも存在します。それは資金を集めそれを専門家(プロ)が運用するという点です。ここを押さえた上で、題材であるそれぞれの違いについて見ていきましょう。


3.投資信託とヘッジファンドの違い

投資信託とヘッジファンドの違いの1つ目として、顧客対象の違いが挙げられるでしょう。
 ー-投資信託では、その多くが「公募」であり、一般大衆を顧客としています。加えて、出資も小額から行えるものがほとんどです。
 ー-ヘッジファンドは「私募」であるため、対象とする顧客は豊富な資本を持った機関投資家や特定の個人投資家に制限されます。

2つ目は、取り扱う投資対象の違いです。
 ー-投資信託には投資信託約款があるために規制が多く、扱える投資対象は伝統的資産が中心になります。
 ー-ヘッジファンドはオルタナティブ資産への投資もできるのです。

3つ目は、運用方法の違いです。
 ー-投資信託は、ベンチマークよりも少し高いリターンを目指す相対収益追求型が多い。
 ー-ヘッジファンドは、信用取引など様々な取引手法を駆使して市場の動向に関係なく、常にリターンを目指す絶対収益追求型が多いです。

※しかし、絶対収益追求型の投資信託や相対収益を目指すヘッジファンドなども存在するため、あくまで傾向の話しになります。


4.おわりに

ヘッジファンドに対してハイリスク・ハイリターンな印象がある方が多いと思われますが、ヘッジはリスクヘッジなどで用いられるように、リスクを避けたり予期したり起こり得るリスクに備えたりすることを意味します。ヘッジファンドは、たとえ市場動向が悪かったとしても空売りやオルタナティブ資産への投資を駆使することで収益を目指すことができ、これがリスクへの備えに繋がっているのです。

以上、「投資信託とヘッジファンドの違い」でした。投資信託とヘッジファンド双方への理解は深まりましたでしょうか。また、その違いについてポイントを押さえることはできましたか?本コラムが、皆さんの金融リテラシーを高める一助となれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?