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中小企業診断士の独立とは

久しぶりの独立ネタ

中小企業診断士の冬期の実務補修が終わりましたね。自分も独立を決めたのが実務補修だったので、誰かの参考になればと思って、独立についてのネタを書いてみようと。

過去のネタもよかったらどうぞ。

上の記事は有料部分がちょこっとだけありますが、向いてるかチェックは全部無料で読めますし、チェックの理由を有料にしているだけです。

診断士向けの独立セミナーでよく使っていますが、私が作ったコンテンツで一番人気かも(笑)

上の記事は自分の独立時の環境を記載しています。中身はあんまりないですが、こんな感じの環境で独立したんだっていうのはわかるかなと思います。

基本的なスタンスとして独立はお勧めしない

独立を進めないスタンスの理由(考え方)

個人的には独立はお勧めしません。大企業の中で働ける人の方が一般的な目線で見れば優れていると思います。

独立診断士の世界は壊れている人間(日本人的な目線で見ると)が普通だという、異常な世界なので、
今の生活に相当な「飽き」「退屈」「憂鬱」を感じているのでなければ、今のままの環境で、できることをやった方がいいと考えています。

ただ、ぐずぐず文句を言っている人を見るとさっさとやればということはたくさんありますし、そう直接言うこともあります。

独立を進めないスタンスの理由(仕事の数)

診断士の仕事の範囲は増えているし、今後も増えていくと考えています。
これについてはほとんどの人が同意じゃないかと思います。

直近では中小企業向け融資の焦げ付き回避を考えている部分に対して、経営改善を図るように取り組むとなっているので、この辺りは診断士に仕事が来る可能性は高いです。

特に再生支援・実行支援は弁護士・会計士・税理士が担当するような扱いになっていますが、診断士が一番活躍できる分野です。特に実行支援においては診断士の独壇場だと思っています。

昔の再生支援はB/Sの痛みを治すだけでもよかったですが、現状はP/Lの痛みが大きいので、ほとんどの場合は経営改善の施策が重要になってきます。

金融庁も「再生支援の総合的対策」の公表および事業者支援の徹底等についてというページの中で、対策を本格化する記載をしています。

https://www.fsa.go.jp/news/r5/ginkou/20240308-1/01.pdf

ただ、一方で診断士の独立者が増えすぎています。

大阪では診断士会に加入している独立者が12年前は100人程度だったのが、現在は300人を軽く超えているという話なので、3倍以上になっています。
他の地域でも増えているとは聞いています。

私が独立した年に大阪で独立した人は4人でした。(知らないだけで、もう少しいたかもしれませんが。)

最近は大阪では年に30人とか40人とかが独立しています。

私が独立した時は人数も少なく、ほとんどの人の顔も見えていたし、面倒見てくれる人がたくさんいる環境でした。いろいろなお仕事を経験もできましたし。

ただ、補助金バブルとも呼ばれる環境のもと、企業診断や再生支援といったコンサル経験が乏しいプロとして独立している人が多くなりました。

その中で、補助金が絞られることになったので、仕事ができない人がたくさん詰まっている状況が発生しだしています。

中堅(5年以上)、ベテラン(10年以上)のプロコンも増えてきてはいますが、新人が多すぎて、顔も見えないし、世話もできないというのが現実的なところです。

診断士全体としてみれば、仕事の幅を広げられる先は山ほどあります。
コンサルができる中小企業診断士の人数も足りないとは思っています。

それでも、仕事の数がまだまだ少ない中で、診断士が増えているので、今は独立する環境として難しいとは思います。

診断士としての独立とは

そもそも独立とは

以前は独立とは開業することだったのですが、副業でされる場合も多いので、開業することという定義だと曖昧になってきました。

プロとアマを分ける一番は「経営者になる覚悟」ということになります。副業と一番違うところはここだと考えています。

「覚悟」があると、決断も早くなりますし、仕事も早くなります。積極性も全然違ってきます。

一方で、金銭的に余裕があると「覚悟」は鈍ってきますし、だから年金を取ってから独立するという人の中にバリバリ活躍する人が少ないのもこのせいだと思っています。

また、補助金バブルが続いていたので、補助金の受注や下請けで食べることができていた人たちも多く、「覚悟」の面では微妙になっているかもしれません。(自分が独立した時に覚悟があったかといわれると・・・ですが)

独立に必要な能力

「まだ独立できる能力がないから・・・」という言葉はよく聞きますが、必要な能力というのは企業内にいる間には絶対身につきません。

中小企業診断士が経営コンサルタントになるというのは経営者になるというのと同義です。

「人事コンサル」「ITコンサル」「営業コンサル」といった機能的なコンサルになるなら、能力の差が出てくると思いますし、それは「経営コンサル」とは全然違う分野になります。

また、機能的なコンサルであれば、企業内でも能力は身につくでしょうけど、競合相手は腐るほどいますし、組織力では太刀打ちできません。大体、診断士の能力の有効性は薄れますしね。

「戦略コンサル」は近い部分があるかもしれませんが、規模が全然違います。桁どころか、単位が違うレベルになります。

プロコン診断士に必要な能力

正直、プロコンとしてやっていく診断士に必要な能力はわかりません。
運が一番重要だと言っても過言ではないかと。

大体、自分自身の能力を言語化するのは難しいと考えています。
特別なスキルを持っているわけではないですし。
ただ、経営コンサルとしては総合力が必要です。

全教科6点~7点を取れることが、必要とされる知識面の能力であるのは間違いないです。基本的には診断士試験がそういう試験です。なので、知識がないというのは試験自体の否定になるんじゃないかとも思ったりします。

あとは経験だと思います。経験でつくテクニカルな面はずっとブラッシュアップしていく必要があるものなので、あとでも全然追い付けます。

ただ、経験のすごいところは、以下だと考えています。

経験が根拠のない自信になり、
根拠のない自信が確たる自信になり、
確たる自信が説得力になり、
説得力が行動変容をうながす

経営コンサルの一番重要なところは企業に変化を促す部分です。これができて初めて経営コンサルだと考えています。

正しい方向に行動変容をできれば、数字は大体上がりますから、
結局は経験がコンサル能力になっちゃうというのも実際のところです。

そうなると余計独立しないで、必要な能力を得ることは難しいです。

タマゴとニワトリ

結局、独立というのは飛び込まないと進まないんです。

保証とか保険とかリスク回避ということを少しでも考えるなら独立なんかやめた方がいいです。そもそも向いていないです。

独立する人はヘンな人ですし、独立しないと生きていけないような人だけが独立診断士として生きていけばいいと思っています。

タマゴとニワトリはどっちが先か決まりませんが、経営コンサルは独立を宣言することが先であることは間違いありません。

まとめ

文章が長くなったのもあって、この辺で打ち止め。
また、そのうち書きます。

ただ、これまで独立しても余裕な環境と言っていましたが、今は今まで以上にあんまり勧めないです。

いくらでも診断士の仕事を増やせる可能性はあるんですが、プロコンとしての素地がまだまだな人が増えすぎている状況を感じています。

遂にフォロワーの数が100人に到達しました。
みなさま本当にありがとうございます。
今後もフォローする価値がある面白い記事を書いていきます。

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