挿話(起きて見る夢)
午前3時の電波を受信した。
目覚めた私は、耳なりのようなサーボモーターの音を聴きながら首をギシギシまわす。
「グリスアップしないとなぁ。」
一人ごちた私は、チョコレートを食べる。ベネズエラだけ食べたのでは経済的に不平等だからドミニカも食べておく。何でも円滑に回り続けるのは嬉しいこと。
コーヒーメーカーをセットしながら天気を確認する。
「所により雨、一部地域では日差しが強く、風の強いところもあるでしょう」
そりゃ、そうでしょう。カモノハシが降らないことを確認できたので、よし。
コーヒーの香りをかぎながら、今日の予定をざっと確認。左肩のボルト弛んでたなぁとか、新しいパーツ屋さんに、まだ行けてないなぁとか考えているとコーヒー出来上がり。
今日があって明日が来て…。ふと、私自身は瞬間の産物で、連続する光の波は、もう宇宙の果てで恐竜に飲み込まれている気がしたので、今日は、もうダラダラすることにする。
ダラダラダラダラ歌いながら、糠床かき混ぜて、散歩して、ちょっと仕事して、お菓子食べて、また、ちょっと仕事。
ドクダミを抜こうとして、あと10センチ左手が長いと便利かもと思い頬にメモをする。書いたことを忘れても誰か指摘してくれるでしょうと期待して。最悪、顔を洗うときに気づくでしょう。はて、鏡の中の文字は読めるかしら。
充電が切れそうだ。ダラダラしていようとパリパリしていようとバッテリーは減るのです。
充電器につながれたまま目をつぶっていると、ここが恐竜のお腹の中なのか、誰かの夢の中なのか、わからなくなる。
どうせ、ずっと迷子なんだから別にいいのです。ゴールから見たところで円弧の始点は、おおよその想像がつくくらいで、それは理論上の話。
机の上には、雪が小さじ1杯降ったらしい。
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