ピサヌローク・アキエ

タイ出身の日本人。社会学研究家兼エッセイスト。昼は社会学研究、夜はベリーダンサーの二足…

ピサヌローク・アキエ

タイ出身の日本人。社会学研究家兼エッセイスト。昼は社会学研究、夜はベリーダンサーの二足のわらじを履く。専門は比較ジェンダー文学家族社会学。国際信州学院大学留学中。

最近の記事

コロンブスも神宮の木も正直どうでもいい【壁の向こうの住人たち】A.R.ホックシールド

Mrs. GREEN APPLEのMVが炎上し、あっという間に公開停止になった。 正直、ここまで「残念ながら当然」と思った炎上は、8年前の資生堂のINTEGRATE以来である。 すぐにHPに謝罪文が掲載されたところからして、全く悪気はなかったのだろうし、曲自体はいい曲なので、このままお蔵入りはもったいない。 AIあたりでMVを適当に作って差し替えるのでは駄目なのだろうか……? Xでは「信じられない人権感覚だ」などと吹き上がっている人も見られたが、そんなに怒らなくてもいいで

    • ベリーダンス警察がセクシー田中さんの調査報告書について解説するよ 

      今年1月に芦原妃名子先生が亡くなられた件は、大変にショックだった。 実は私はベリーダンスを習い始めてはや10年近く、結構なガチ勢である。 原作マンガは元々読んでおり、ドラマ化されると決まったときにはそれはそれは喜んで、毎週楽しみに視聴して周囲に「ベリーダンスのドラマがやってるんだよ!面白いよ!見てみて!」と布教していたのだ。 ベリーダンスといえば、15年ほど前にちょっとしたブームがあったものの、それ以降、国内人気は低空飛行。 新しく習い始める人も少なく、ショーを見に行けば

      • 悩めるベンチャー幹部の苦悩【駈込み訴え】太宰治

        最近では、色々な漫画のはじめの数冊を無料で読ませてもらえるようになりありがたい限りである。 さて、先日漫画アプリで『兄だったモノ』という漫画を読み、なかなか面白かった。 ジャンルとしては恋愛? ホラー? になるのだろうか。 あまり話すとネタバレになってしまうので、気になる方はぜひ1話を読んでみてもらえればと思う。 純文学に造詣の深い作者さんのようで、シェークスピアや中原中也など、さまざまな作家からの引用が見られるのだが、その中に太宰治の『駈込み訴え』があった。 太宰治

        • ヒトの持つ可能性を信じる大いなる人間讃歌【教育は遺伝に勝てるか】安藤寿康

          「親ガチャ」という言葉がある。 あなたはこの言葉が嫌いだろうか? 嫌いと答える方が、どちらかというと「正しい」かもしれない。 「親の心子知らず」という儒教的な観点からしても、「努力次第でどんな人間にもなれる」という教育学的な観点からしても、きっと親ガチャという言葉は正しくない。 しかし元はといえば、この言葉は「正しくない」と断ぜられるような人たちのものではなかったはずだ。 「親ガチャ」とは、毒親育ちの人間が自らを慰め、鼓舞するための言葉だった。それがいつの間にか市民権を得

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