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コロナ禍でのメディアアプローチでやったこと5つ

昨年の2月頃から現在まで、PR会社でのメディアプロモーターとして私がやってきたこと5つをご紹介します。
企業同様、メディアも在宅勤務率が高くなりました。
これまで懇意にしていたメディアの方や、一度でもお会いして名刺交換している方なら携帯やメールで連絡を取れても、新規開拓はできにくくなりましたよね。
編集部に電話してもお留守番のような方から電話口で「在宅勤務です。次にいつ出社するかわかりません」と事務的に言われてしまったり、そもそも某新聞社系出版社のように電話しても自動的に留守電に切り替わったり。
でも直接担当者と繋がれば、今はZoomやTeamsを使ったオンライン面談という便利なシステムがあるので、そこからどんどんアプローチできます。
読んでいただき、ほんの少しでも悩める広報担当者のお役に立つことができれば幸いです。

Image by Alexandra_Koch from Pixabay


1.公開されている代表のメールアドレス、コンタクトフォームからメールを送る

メディアを新規開拓する場合の基本業務は、過去の署名記事から自社の業界を担当している、もしくは興味を持っていただけそうな記者を調べ、その方向けに連絡すること。担当記者の名前までわからなければ、欄やページを具体的に言い、担当者につないでいただくことです。
しかし、通常出勤しているメディアならこれができても、在宅勤務のメディアはなかなか難しいです。電話がつながったとしてもその担当者が出勤していないため、直接アプローチすることができません。
「連絡を取りたいのですが・・・」「資料をお送りしたいのですが・・・」と言うと「郵送でお願いします」と言われたり、編集部代表のメールアドレスやサイトのお問い合わせフォームからのコンタクトを教えていただいたり。
編集部によっては、担当の方が在宅勤務で出社していなくても、その方のメールアドレスを教えてくださるところもありますが、通常は、直接の連絡先は個人情報ということでなかなか教えていただけません。


今の時代に郵送?そもそも在宅勤務なのに資料を郵送して、いつ読んでくれるの?と思いますよね。

また、編集部のリリース窓口である「info@●●●●.co.jp」「release@●●●●.com」やお問い合わせフォームからメールを送るやり方は、相手の顔が見えないだけに、本当に情報を届けたい方に届いているかどうか心もとないです。

でも何もしないよりはやったほうがいいです。


郵送で送る場合は表面の下部または左下あたりに、どんな内容のリリースかが一言でわかる本当に短い文章を書き添えます。私自身はこれでお問い合わせをいただいたことはないのですが、同じくPRをやっている知人に聞いたところ、実際に問い合わせをいただいたことはあったそうなので、ダメもとでやってみる価値はあると思います。


ただ、郵送も代表メールへの送信も、とにかくタイトル命!
特に、毎日おびただしい数のリリースメールを受け取るメディアのメールBOXで埋もれてしまわないためにも、メディアの方が興味を持ち、まずメールを開いてくれるようなタイトルが重要です。そしてメディアが注目するのは「新規性」「社会性」「地域性」「時流(季節)性」。これを熟考してアプローチしてみてくださいね。


2.SNS経由からコンタクトを取る

メディアの新規開拓をやったことがある方ならおわかりかと思いますが、今、多くのWEBメディアは、自社のサイトに編集部の電話番号を載せていません。リリースを受け付けるアドレスさえ載せていないところも多いです。また、なんとかして総務や広報の番号がわかったとしても「編集部に取り次ぐことはできません」と言われてしまうこともしばしば。その場合の次の手段がSNSです。

取材をご検討いただきたい記者の名前がわかったら、各SNSでその方がアカウントを持っているかどうかを確認します。Facebookの場合は、友達申請と同時にMessengerでメッセージを送ります。Twitterの場合は、プロフィールのところに💌マークがある方なら、フォローしてダイレクトメッセージを送ります。「情報をお待ちしております」といったことを書いている方もいらっしゃいますし、中には、プロフィールのところにご自身のメールアドレスを記載している方もいらっしゃいますので、それを発見できたらラッキーですね。

私も、SNSからのアプローチで何人かのメディアの方とオンライン・対面で面談することができました。

ただ、メッセージを送ったからといって必ずお返事をいただけるわけではありません。また、Facebookは相手がお友達申請を承認していないと、その方の受信設定によってはメッセージが届いていても気づかれないことが多いです。そのため、そのまま音沙汰なしということも。。。

人によってSNSの使い方は様々です。反応がない場合は、別の方を新たに調べるなど、潔く切り替えましょう。


3.「折り返しお電話いただく」ことを遠慮しない

社会人の常識として刷り込まれてきたこと。


「こちらからのお願い事の場合は折り返しお電話いただくのではなく、またこちらからかけなおすこと」
「特に、まだ一度もお会いしたことがない方に折り返しの電話を求めるなどもってのほか」


このビジネスマナー、平常時ならいいと思うのですが、このコロナ禍ではあまり気にしなくていいと思います。相手が在宅勤務で次にいつ出社するかわからない、と言われた場合、また何日か経ってからかけなおして「在宅です」、またかけなおして「在宅です」の繰り返しは非効率。時間ももったいないです。
電話に出てくれたお留守番の方も、こういう状況なので「こちらからかけなおさせましょうか?」と聞いてくださることも結構あります。
その場合は、遠慮なくお願いしちゃいましょう。


実際に、この遠慮をやめてみたら某全国紙で人気の大きい人物紹介欄のインタビュー掲載を獲得することができました。
他にも、すぐ取材が決定しないまでも丁寧に話を聞いてくださった記者の方は何名かいらっしゃいました。「こういう状況下で、情報を取りにくくなっている。広報さんから情報をいただくのはありがたい」と予想以上に感謝されました。


先方から「折り返し」を提案されたら、遠慮なく自分の連絡先を伝えて折り返しの電話を待ちましょう。これも100%ではないものの、意外といい反応が返ってくるはずです。


4.「もしかしたら出社しているかもしれない」と思って電話してみる

メールを送っても音沙汰がない、読んでくれているのか、返事がないのは忙しいのか、興味がないのか。在宅勤務だから仕方ないか・・・とあきらめるのは早いです。
知らないうちに在宅勤務ではなくなって普通に出勤しているかもしれない、または完全在宅勤務だったのが、週に2日ほど出社するようになったかもしれない。
そんな状況の変化に対応するためにも、たまに電話してみてください。
これは仕事でもプライベートでもそうですが、メールでのやりとりだけでは相手の反応がすべてわかるわけではないですよね。電話なら、相手の雰囲気を電話口で感じつつ、相槌を打ちながら色んな情報を聞き出すことができます。
メディアのみなさんも日々忙しいので、そんな事情を丁寧に返信してくださるのを期待するのも申し訳ないです。
電話してみたら「今日たまたま出社してたんです。ご丁寧にありがとうございます!」と言われたこともありました。聞いてみると、日々のメールに埋もれていて気付かなかったとか、なんとなく気になっていたんだけど・・・とか。それで新店オープンのメディア内覧会にお越しいただき、掲載を獲得したこともありました。

こんな世の中、電話でのひと押しも時には効果的です。


5.最後は人脈

上記、色んな手を使っても前に進まないときに頼りになるのが人脈です。
ある時、掲載されれば大変影響力がある某メディアに何とかしてコンタクトを取りたくて、各種リサーチのもと、過去お世話になった企業の広報担当者にお願いして記者を紹介してもらい、オンライン面談を設定。クライアント広報担当者の丁寧でそして熱いプレゼンの甲斐あってか、記者からも非常に好感触を得て数回取材していただき、なんと3回の連載を獲得することができました。


私は、事業会社を2社経験していますが、当時の広報担当者とはまだ細々ながら続いています。また、広報の勉強会や同業他社の情報交換会で知り合った広報仲間とは20年以上経った今も交流は続いています。私の大切な財産のひとつです。


しょっちゅう会うわけでもなく、SNSで細々とつながっている程度ですが、いざというときには頼ったり頼られたり。そんな細く長いお付き合いができる仲間を持っておくのは、広報担当者として必要なことかもしれません。
浅いお付き合いの方に上記のようなお願いは図々しいですし、なかなかお願いできないもの。長い間のコミュニケーションの積み重ねでできた信頼関係に基づくものなので、一朝一夕に構築できるものではありませんが、これから先訪れる「いざ!」という時のために、横のつながりを持っておくのはとても大切なことです。


今は広報関連の様々なコミュニティーがございますので、ご自身に合うコミュニティーを探し、そこに所属してみるのもいいですね。


6.まとめ

以上、コロナ禍になってから私がやってきたメディアアプローチ方法を書きました。

中小企業やベンチャーで、メディアリストもなく右も左もわからないまま広報をやらなければならなくなった方にとって、1件1件メディアの連絡先を調べてアプローチするのはなかなか根気のいる作業かと思います。どのメディアのどの部署、どの担当者にコンタクトを取ればいいか、どうやって探せばいいかもわからないかもしれません。しかし、1件1件、自分の手で集めて作成したメディアリストとそのノウハウは必ずみなさんご自身、そして会社の財産になります。


また、メディアも、広報担当者からのアプローチを待っています。メディア側からも、取材したくて企業に連絡を取っても在宅勤務で連絡が取りにくく、過去に取材したことがある限られた企業の情報だけで書くこともある、といった話を聞くこともあります。
このような話、もったいないですよね。この状況下、広報担当者の積極性はこれまで以上に求められてきていると思います。


最初はかなり苦労するかもしれませんが、この仕事によって、リリースをリリース配信会社から配信しているだけでは得られない掲載を獲得でき、メディアアプローチのノウハウを蓄積することができるといっても過言ではありません。


ひとつひとつやっていきましょう!


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