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“普通”が求められる場所で、自分を話すのが苦手な理由

♡前回の記事

私は大学卒業後に7年間、商社でOLとして働きました。

秋葉原とは全く異なる業界に就職していました。
そこで経験した会社の同僚や先輩との関わりについて書いていこうと思います。

まず、以下のような話題について話していると、もやもやすることが多かったです。

例えば、会社の飲み会、給湯室等での会話。
「あなた、いつまで好きなことしてるの?」
「結婚とか子供とか将来のこと考えないの?」
「もう20歳を過ぎたら大人なんだからさ」
……私はこれらの話題を話すのがあまり好きではありません。

たいてい、こういう話をしてくるのは、“普通”が良いとされる世界線で生きている人たちです。

“普通”とは、大学に行って就職活動をすること、安定した企業に正社員として就職すること、アニメや漫画は子供が楽しむものだから卒業すること、など……例えるとこんな感じです。
そして、そういう“普通”が良いとされるコミュニティでは、話題に上がる内容が決まっています。

例えば、休日に何をしているのか、友達が結婚したり子供が生まれたりした話、彼氏がいるのか、結婚を考えているのか。

あー、思い出すだけでも鳥肌が立つくらい好きではない話題です。

しかも、「○○歳になったらこうしないとダメ」とか
「大人なんだから××しなきゃ」とか。

OL時代、周りの人たちはきっと良かれと思って私に言ってくれていたのでしょうが、私にとっては夢に向かって作っていた衣装の縫い針が、自分が思うようぬ縫えなくてチクチクと指に刺さって、たまに血が出て、そのうちに指がボロボロになってしまう…みたいな感覚でした。

そんな時こそ、不思議と足が向いたのはやっぱり秋葉原でした。
いつものお店に行くと、「お、来たね!」と仲間が迎えてくれる場所。好きなアニメグッズで囲まれたお店。

仲間との会話では、上記のような話題はほとんど出ません。

「おすすめしたアニメ見た?」
「あのライブ申し込んだ?すぐ忘れるじゃん!」
「今度このゲームと××がコラボだって!」

いつもこんな話題ばかりです。仲間といるのが楽しい理由の一つは、プライベートや自分の話をしなくていいところです。
例えば、辛いことがあってもそれを話したいか話したくないかは自分で決めること。無理に聞かれることが嫌な人もいます。

好きなアニメや漫画についてだけで数時間、お酒とご飯を楽しみながら話せる仲間がいるのは、本当にかけがえのないことです。
大好きなものについて語っているときは、自分の嫌なところや触れられたくないところが全く気になりません。

だって、みんなもそれぞれにプライベートがあるはずです。
でもこうやって楽しい話をしたいんです。それは自分のためだけでなく、人の救いになっていることもあります。

好きなことを語っていると、辛いことや悲しいことを忘れられます。
それだけ言うと、「嫌なことから逃げているだけじゃん!」なんて思われることもありますが、それは違います。
また、こうやって好きなことができる時間を大切にするように、次にまでに明日も頑張ろうって元気につながるのです。

私の周りの人たちは、好きなことに夢中で充実している人ばかりなので、会って話すのは素敵な時間です。

どんなすごい業界の人たちだって、辛い思いをしたことがあったり嫌がらせを受けたりしているかもしれません。それは目に見えないことで知らないだけで、みんなそれぞれ人間なのです。

それを見せないようにと気を張っていることもあるでしょう。
辛いことが続いていたら、一人で抱え込んでいたらパンクしてしまうかもしれません。
でも、日々の生活に大好きなものがあるから、きっと明日も笑顔になれるのです。

何も言わなくても分かり合える仲間。秋葉原で私が出会った人たちは、暖かい人が多いです。

自分の立場や生活に関係なく話せる話題がたくさんあって、語りたい人たちがたくさん集まっています。

あなたが好きなことを語る姿は、きっと誰かを笑顔にしているんだと思います。
少なくとも、私はあなたが好きなことを話しているのを聞くのが好きな一人です。

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