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学生インタビュー14!高森美月さん

🕊出展作品🕊

『Faces』/高森美月
ネオン管、アルミ複合板、角パイプ、金具部品、電気部品

ガラス管を使用したネオンは主に看板として利用されてきたが、それは誰もが作れて安全なLEDネオンの登場によって衰退しつつある。ネオンがガラスを扱う繊細さやガスを注入して数多の色を作りだす芸術作品として認知され、アート表現の一つとして普及することを目的として制作した。
また、本作品は文章に含まれる単語を構成する文字を並べ替えても、多くの人間はその文章を問題なく読めてしまうタイポグリセミア現象を用いている。顔文字は、複数の文字や記号を組み合わせることで無数の表現ができ、感情を表す際に多様される。私たちは無意識にタイポグリセミア現象を通して感情を読み取っているのである。しかし、その顔文字も崩すことではっきりとどんな顔文字だったか私以外わからないだろう。使用された文字のみを見る、全体を見て再構築してみるなどあらゆる見方を試してほしい。

制作協力:株式会社イサオ.サイン


🕊️学生インタビュー14🕊️
ビジュアルアーツ専攻 高森美月さんにインタビュー!

高森美月


ーどのようなものを研究、制作していますか?

ネオン看板やネオンアート

ー制作活動をするうえで大事にしていることはありますか?

私の作品のコンセプトは自身についてや直感が元になることが多いですが、それらに共感してもらえるかも少し考えてます。

━卒業制作ではどのようなものを制作しますか。

見て、考えて、楽しめるネオンアートを制作しています!


一大学入学前と比べて、自分自身が変わったと感じるところはありますか。

美術に関しての見方が変わった気がします。学芸員程を履修したからか、特に美術館の展示方法を注視して見るようになりました。

一大学生活の中で印象的だった出来事を教えてください。

入学式がなかったので友達作りがSNSで、同級生なのにオフ会したことです。


ー最後に一言お願いします!

ここまで読んでくださりありがとうございます。
私の作品を見て、ネオンをもっと好きになってもらえたら嬉しいです!


【作品・制作物】

[Serendipity]
塩ビ板・LEDネオンチューブ(オレンジ・電球色・白・ミントグリーン)
(リファレンスという既存の作品を参考にして作品を作る課題、以下展示キャプションより引用)
【リファレンス元の作品名】
Constellation with 5 White Forms & 2 Black /ジャンアルプ
Automatic Drawing /ジャンアルブ

コンセプト:ネオンを想像する時、多くの人が平面で文字を想像するでしょう。シュルレアリスムの普段見る世界と異なると不気味に見えてくる世界観を参照することで、平面的でありながらも重なりをもったネオンの異様さを感じてもらいたいです。『Serendipity』とは偶然に出会うこと、探しているものとは別の価値を偶然見つけることを表します。この造形に至るまでは偶然の連続であり、最終的に見つけた造形はまさにこの言菜に当てはまると考えました。リファレンス元について:私が参照したジャン・アルプは具体美術(アールコンクレ)を提唱しており、正確にはシュルレアリスムではありません。しかし、シュルレアリスムの技法であるコラージュを使ったドローイングや自動記述を行っていた時期もあり、それらから生み出された作品には偶然性から見つけた美しさがあります。



「んおね」
塩ビ板・ネオン管・LEDネオンチューブ(赤)
(展示キャプションより引用)
んから始まる言葉ってなんだか少ない
右から読む時、左から読む時、読めない時がある
ルールがないようである言葉の不思議
「ん」を強調して読んでみたり、ひらがなの丸みをなぞってみたり、ゲシュタルト崩壊を楽しんで!
補足説明
「ん」を強調するために、ネオン管で「ん」を製作してもらい、「お」と「ね」は LED ネオンチューブを使用しています。文字のネオンに興味がありましたが、文字自体の直接的な意味を感じ取ってほしくないと考えて、フォントや文字についての歴史や成り立ちを調べました。文字の認知科学や成り立ちを調べていくうちに、日本語にも「ん」が最初の文字になるのは少ないだけで存在しており、しりとりの、最後に「ん」がついちゃダメというルールがなんだか悲しく思えてきました。
そこから、「ん」から始まったっていいのではと、しりとりへの逆襲という考えが浮かびました。また、ネオン製作の集大成として「ねおん」という言葉を選び、ひらがなにして「んおね」という文字がすぐに読めない仕組みにしています。(制作協力:株式会社イサオ、サイン)

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