「ありがとう」を伝え合ってみたら
今年のクリスマス・イブ、我が家もチキンやケーキなどでささやかなパーティをした。7歳息子にとってそんな非日常はやはりウキウキするようで、急に「おれ、おとうさんとおかあさんに『ありがとう』をつたえたい!」と言い出した。じゃあお母さんも!お父さんも!…そんな流れで、互いに「ありがとう」を伝え合うことになった。
夫へ「いつも野球の研究をして、〇〇(息子)がレベルアップできるように寄り添ってくれてありがとう」等
(「半分は自分が楽しいんだけどね(笑)」と夫)
息子へ「いつも元気でいてくれて、盛り盛りご飯を食べて、色んなことに頑張っていてありがとう」等
(うん、うんと笑顔で力強くうなずく息子)
息子や夫から私へは「野球の練習に行っている間に家の掃除や洗濯をしてくれてありがとう」とか「ご飯を作ってくれてありがとう」とか、特別そうなのかぁ〜という発見はなかったけれど、その夜はずっと胸がほっこり温かくて、「幸せだなぁ」としみじみ感じ入る瞬間が度々訪れた。
私は息子には溢れ出るままに、素直に、毎夜のように「ありがとう」を伝えている(「一つの習慣が親子にもたらしたもの」)。でも夫に、こんな風に目をしっかり見て「ありがとう」を伝えたのはいつぶりだろう。そして伝えられたことも。
自分は「ありがとう」を口にする頻度は高い方だと思う。かつて「『ありがとう』は魔法の言葉」というフレーズを素敵だなと思い、色んなところで実践してきた。仕事で使用するLINEのトークには「スミマセン」「申し訳ない」の後に、必ず「ありがとう」というワードが当たり前のように入っている。また日々の暮らしの中で、家族に小さな「ありがとう」は普通に言っているつもりだ。
ただ、特に夫に対してはちょっと流し気味に「ありがとねー」という軽い感じだった。だって照れるから。それが今回、照れでごまかすことなく真正面から「ありがとう」の言葉を伝えてみて、その威力を感じた。互いへの思いやりが深まった感覚があった。夫の笑顔がいつも以上に優しくみえた。きっと私の顔も夫にはそのように見えていたのではないか。
当たり前に一緒にいる人だからこそ、しっかり言葉で伝える大切さ。そんなきっかけを作ってくれた息子の勢いとノリに感謝した夜だった。