【一行詩・自由律】まとめ集
●諦めていたコードFが弾けた夜
●ボタン一押しで星の化石の白い炎
●親切の計算こりゃいけねぇと風光る
●無礼講のひきつり笑いさえ今は昔
●比べなさんなと揚羽蝶足元にはだんご虫
●弔いの舟が燃える追憶の入江で
●背に腹は代えられぬと言い聞かせたいだけの免罪符
●わざわざ見せつけてるプラチナ左手薬指
●脳の皺を化粧筆で払って靄の峰焼け空の写真
●春と梅雨に愛された初夏の新緑アオハル五月
●逃避のシュート赤い笛鳴る束の間の今はハーフタイム
●桃井よ桃井加賀よ加賀それだけであたしは女優
●はめ殺し窓からの採光両手に掬った溢せぬ死に水
●梟を手放した小望月狸が褒めて出迎える
●濡れツツジはちきれんばかり真紅フラストレーションの放散
●匂いを食べる朝靄の時間よ止まれ
●気だるさはジュディ・オング梅雨最中
●洗って干してもうやめた青空に天高く帽子投げ敬礼
●先に朽ちても脈々と溢れ続ける潤いを
●しぶとい夕暮れ日は長く素直になれない嬉しさのあまり
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