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【山羊日記#21】借りられないアリエッティ
今ではレンタルビデオ屋さんもめっきり減った。
(ビデオ文化は終わってもレンタルビデオ屋と呼びつづけます)
キャンペーン時を除き新作は値段が高い上に当日かせいぜい2泊3日の返却期限。
私の人生で新作をレンタルした記憶はない。
旧作一週間レンタルコースのみである。
(あ、準新作ってのもあったっけ…)
私は一週間の期限を与えてもらっておきながら借りたその日の内に観て、次の日には返却していた。
一週間ぎりぎりまで返却しないで楽しめばいいのだろうがそれが昔から出来なかった。
なので大抵は一作品、これならいけるなと思えば二作品しか一度に借りない。
わかってる。
なにをそんなに焦っているのかと。
焦ってるわけでもないのだ。
一週間手元に置いておくのが不安になるのだ。
もし急に体調を崩してしまったら返却しにいけないんじゃないかとか。忘れていて期日を過ぎてしまったらどうしようとか。
そんな最悪なシナリオばかり頭に描いてしまう。
そんなことないのに。(全くないわけではないが可能性として確率はとてつもなく低い)
たまに何年も前に借りたままだったレンタルビデオを発見して延滞料金を計算したら恐怖で固まってしまった夢をみる。
ここまでくるともうなんだか…
これはビデオに限ったことではなく、誰かからモノを借りることに必要以上に責任を感じてしまう質なのだ。
漫画もCDも「返すのいつでもいいよ」と渡されても、カラスの行水の如く読んだり聴いたりして直ぐに「ありがとう、よかったよ」なんて返していた。
図書館でもその場で読むか、読み終えられなかったら次回に。
あれ?なんで借りないんだ?
借りない自分に気がついた。
大人になってから借りられなくなったのか。
小学生の頃、学校の図書室でジブリの「耳をすませば」の天沢聖司とまでは全然いかないが本を借りていたこともあったのに。
いつから私は何かに怯えて平穏に貸し借りが出来なくなったのだろう。
たまに友達に貸したまま未だに返って(帰って)いないモノたちを思い出す。
本当に大切なものは貸さないし、貸したのだったらプレゼントする気持ちがあったということなんだろう。
だから借りたものに必要以上の責任を感じてしまうのか。
もっと楽にいきや~
と、ゆりやんレトリィバァさんの声が耳をすませば聞こえてくるようだ。
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