考察を聞ける喜び〜だけじゃないChannelより〜

今私は無性に生徒になりたい。
ホワイトボードで矢印なんか引っ張ったりして強調したいワードを水性ペンで何重丸もする。
そんな講習、授業を受けたい。
もちろん、詩についてのあれやこれやを本からではなく先生と呼ばれる生身の人間から授かりたい。が、地方ではこれ!といった機会に出逢わない。絶対数も少ない。単に自分のアンテナがキャッチ出来てないのかもしれないが…。
そこでYou Tubeである。
最近は興味のある解説動画を観ることでその穴を埋めている。

そして今日たまたま中森明菜さんの解説動画のサムネイル画像を見つける。
なんだろうと観てみたのが
『だけじゃないChannel』だった。
プロの音楽家の藤正裕太さんがフジくんという名前でMCを務めている幅広いジャンルの音楽を解説するチャンネル。

夜ヒットの伝説回
「飾りじゃないのよ涙は/中森明菜 安全地帯with井上陽水」を解説する回だった。
藤正さん曰く「そこまで中森明菜さんに詳しいわけではない」←第二弾のDESIRE回で仰っていた。
とのこと。
だからこそ新鮮な感想、偏った人物像の前情報なしの純粋な音楽(作品)の解説が聴けるというもの。むしろ願ったり叶ったりである。

「毎回ファーストテイク」
まさにこの言葉の妙。
あの昭和の時代、魅せる場所といえば地上波テレビの世界が大半。だからこそライブ感やセッションの迫力が現代とは次元が違う。

「作詩」表記になっていたテロップにもなんでかな?と疑問を交わしつつ統一されてなかったんじゃない?に至る。ふむふむ。
この豪華なレジェンド級の御三方の共演は今に当てはめると誰かな?にも当てはめられないだろうと。まさにその通りだなと頷く。個人的に無理に名前をあげられなくて嬉しかった。率直な見方をされてるなと一気に信用できてしまった。

自分は音楽的な知識はないのでマイキング(口からマイクを離して歌うこと)とビブラートの絶妙な技術はパフォーマンスで魅せているのかの考察も興味深かった。
声量だけの話ではないんだなとはじめて考えさせられた。(布施明問題(問題ってわけでもないか…))
まだこのチャンネルでは明菜さんをとりあげた2本の動画しか拝見していないが、初見とまではいかずともほぼその場で観て感じたファーストインプレッションを説明してくれる藤正さんの視点は面白い。

「日本語的な歌唱法」というのも目から鱗だった。
なぜ、こんなに明菜さんのビブラート、語尾が心地よいのかのルーツは説明できることも多少はあるのだと。自分だけだったらなんとなく好きでおわる話を母音の使い方に焦点をあてる指摘があるだけで頭の中の枝分かれが賑やかになる。

「日本語がちゃんと聞こえる歌い方をされている」
これは詩に重点を置くこちら側としては嬉しい話である。
そして最近の歌に疎い自分だが藤井風さんの歌は好きで、なぜ好きなんだろうと考えていたこともあったが詳しい理由は出なかったままだった。でも動画にあるように明菜さんの歌から藤井風さんへ繋がる共通点に、あっ、だからなのか…と。アシストがあると理解の深さが違う。

やはりプロの音楽家からひとつの楽曲の映像を観ながら考察してもらうと今まで何度も聴いて観たりしていた明菜さんの「飾りじゃないのよ涙は」も「DESIRE−情熱−」も角度が違った切り方の断片をみせてもらえる。一人での限界。自分以外の誰かの話を聞くことはやはり世界を広げるためには必要で重要だと感じた。

この動画でますます詩の解説をしてもらいたい欲が高まった。
きっと音楽家からしか言えない詩(詞)(言葉)への考察がある。それでもこちらは十分に満たされるのである。
話を聞くって面白い。
そう思えるのはインプットしたいからなんだろう。

そして最後に…
第3回目の中森明菜企画があれば藤正さんにはぜひ「難破船」「駅」「セカンド・ラブ」「トワイライト−夕暮れ便り−」などのバラード特集をリクエストしたいです。

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