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タジキスタン・パミール再訪記4 〜アルマトイ(カザフスタン)〜

2023年4月22日(土)の朝に韓国のインチョンをエア・アスタナで発った私は、午後のまだ日の高いうちにカザフスタンのアルマトイに到着した。前回のアルマトイは空港近くの宿に泊まったが、今回は時間があるので街中の宿に泊まる予定である。

空港から宿への道

アルマトイの空港では、昨年来た時は空港のWiFiを使えたが、今回は使えなかった。WiFiの認証にSMSが必要で、前回はSMSを問題なく使えたのだが、スマホのプランを変えて以来、日本国内でもSMSが届かない現象にしばしば悩まされることになり、アルマトイの空港でもこの現象が発生してしまった。原因、対策ともに今のところ不明である。スマホには事前にオフライン地図アプリ(MAPS.ME)をダウンロードしており、更にインチョンを発つ直前にオフライン路線アプリ(2GIS)もインストールしておいたので、当面はネット無しで対処できそうだった。

アルマトイの空港ターミナルビル。向かって左側の建物の屋上にはカザフ語で空港名が書かれている(写真に映っていない向かって右側にはロシア語で書かれている)

予定と違う近道(?)

空港からはバスで宿へと向かった。途中、一度バスを乗り換える予定だったが、カードが無い場合のお金の払い方がわからず、降りる予定のバス停で運転手さんに質問すると、やりとりをしているうちに運転手さんはバスを発車させてしまった。お金は運転手さんに渡せばよく、運賃150テンゲ(約50円)を渡して次のバス停で降りた。

空港前のバス乗り場(ターミナルビルから駐車場を挟んだところ)
カザフスタン初のバス乗車
アルマトイ中心部に向けて走る

バス停は電化されている単線の線路沿いにあり、地図を見てみるとそのまま西に行けば今日の宿に辿り着けそうなので、地図には書かれていない線路を超える小道を通って西へと向かった。

単線の線路と道。ちょっと絵になる?
バスを降りた停留所と線路
線路を超える小径

線路を渡ってすぐのところは公園になっており、そこから小川を渡って閑静な住宅地的な場所(日本の住宅地よりも広々としていて緑が豊かな気がする)に出た。そのまま道を進んで目的地と思しき場所を目指した。

線路を渡ったところにあった公園。
公園から小川の橋を渡る
公園と住宅地の間の小川
住宅地の街角。日本では見られない光景?(旧ソ連圏では割とあるかも?)
季節は春。花の咲いている木々も割とよく見かけた。

宿はどこ?

目的地周辺に到着し、通りが宿の住所の通りであることを確認したが、通りをいくら探しても宿は見当たらなかった。道の横の穴の中で工事(?)をしているおじいさんがいたので聞いてみるも、ここではないらしい。オフライン地図アプリで調べてみるも、この通りには宿の番地が存在していない。一体どういうことだろう。

地図アプリでホテル名で調べてみると、私が場所を間違えていたことが判明した。宿は同じ名前の通りで今の通りと同じ直線上に存在しているが、中間が別の敷地で分断されており、同じ名前の通りが敷地の向こう側にもあるとは気付かなかった。地図アプリによれば14分ほどの道のりで、途中にレフ・トルストイ通りという通りを少し歩きつつ、宿に到着することができた。

ロシアの文豪トルストイの名を冠した通り
宿の前の通り。市民の憩いの場として整備されている。
本日の宿「Hostel Del Luna」(夕食後に撮影)

宿にて

宿のカザフ人(カザフ民族)と思しきおじさんにロシア語で「ズドラーストヴィチェ」と挨拶をし、拙いロシア語で受付を済ませた。おじさんは、他のカザフ人とはイスラム圏共通の「サラーム・アライクム」で挨拶をしている。私もタジキスタンに行けば「サローム・アライクム」(パミールのシュグニー語圏では「サローモレーク」または「サロェーム」)と挨拶をするのだが、ロシア語は少し話せてもカザフ語はさっぱりな自称真宗門徒の私がカザフスタンで「ズドラーストヴィチェ」を使うべきか「サラーム・アライクム」を使うべきかは微妙に悩ましい。

おじさんは友達が日本で働いているらしく、アオガヤという場所や、その他いろいろな場所の名前を言った。アオガヤは東京のどこかだと思ったが、どうもそういう地名は無いっぽい(阿佐ヶ谷か何かと間違えた?)。宿のおじさんによると、宿には中国人が2人宿泊しているという。後にその人たちと遭遇した時には「ニーハオ」と挨拶した。

おじさんは食事場所を案内してくれるとのことで、カザフスタン料理が食べたいと言うと、近くのカザフスタン料理店を案内してくれた。しかし、もう閉店とのことで、おじさんはカザフスタン人が経営している韓国料理店があるから行ってみろと言って宿に戻った。しかし、韓国料理店はいろいろ探してみるも見当たらず、結局ハンバーガーショップ的なところでドルネケバブを注文して食べた。

最近よくあるあれ@カザフ語。私は基本的にカザフ語はさっぱりだが、テュルク語の中ではサハ語を少しかじっていたので多少類推はきく。「Men」は私、「Almatyny」の「-ny」は対格の後置詞で間違い無いと思う。最後の「♡」をどう読むかは不明(サハ語なら「タプトゥィーブィン」あたりだと思うけどカザフ語は多分全然違う)。
結果的に夕食となったドルネケバブ
通りは家族連れ、若者、若くない人、カザフ系、ロシア系などいろいろな人々が集いにぎやか

SIMの購入

宿にはWiFiがあったが、宿から出るとネットは使えない。SIMはどうしようか悩んだが、ネット情報によると数百テンゲくらい(100円かそれ以下?)から入手できるらしいので、帰りにアルマトイに立ち寄った時に使うことも想定してSIMを入手することにした。

宿からしばらく歩いたところにあるショッピングセンターに行き、携帯ショップ的なところでSIMを購入。30日間有効で一番安いものが2000テンゲとのことだった。思ったよりずっと高いと思ったが、日本円にして600円台。店の人にいろいろ手続きをしてもらってこの値段なら安すぎるかもしれない。ただし、クレジットカードでの決済が何故かうまくいかずに現金で払い、テンゲのお札を使い果たしてしまった。一応、空港に戻れるだけの小銭(一度乗り換えるとして50テンゲ6枚以上)は残ってはいたが。

アルマトイ市内の薬局。左側のカザフ語表記「ДӘРІХАНА」は明らかにペルシア語(Dārūkhāna、タジク語表記でДорухона)が由来。
先程の薬局のすぐ近くにあった別の薬局。旧ソ連圏はやたらと薬局が多い気がする。
ショッピングセンター。この手前側(自分の立っているところの後ろ側)にも建物があり、そこでSIMを買った。
ショッピングセンター(手前側の建物)の入口付近
薬局。ここはラテン文字表記。カザフ語はキリル文字表記からラテン文字表記に移行予定らしいが、あまり移行していないというか、あまり移行しようとしていない印象を感じる。

宿への帰還後、やはりテンゲが欲しく、再度出歩いていくつかのATMに行ってみたが、現金をおろせそうなものは見当たらなかった。夜はけっこう肌寒かった。

トイレ件シャワーでなるべく短めのシャワーを浴び、かなり眠くなってきたので就寝した。時差があることは何故か忘れていて、何か別の理由で眠いのかとその時は思っていた。

(続き)

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