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米国の学位について

この記事は、米国の学位の仕組みについて詳しくない方向けです。米国では、Undergraduate education(大学教育)と呼ばれる段階を4年間終えると、Bachelor of Arts(BA)またはBachelor of Science(BS)というBachelor's degree(学士)を取得します。これは日本の文系と理系に相当します。その後はGraduate education(大学院教育)と呼ばれ、Master's degree(修士)そしてDoctor's degree(博士)の取得に進みます。これらの流れは大きく分けてProfessional degreeとAcademic degreeに分けられます。

Professional degreeは実践的な知識や技術を身につけるための学位です。例えば、Master of Public Healthを取得してWHO(世界保健機関)で働くパターンや、Master of Business Administration(MBA)を取得して企業で働くパターンなどがあります。実践的な立場に立つことを目指す方は長い期間学生生活を送るよりも、Bachelor's degreeあるいは長くてもMaster's degreeを取得した後、実践的な活動を行うことが一般的です。たまにWHO内で出世するためにハーバード大学などでDoctor of Public Health(DrPH)を取得するためにさらに大学院に通うこともありますが、米国内ではDrPHはあまり一般的ではありません。多くの大学がDrPHのプログラムを提供していても、それらはオンラインで行われることが多く、授業の数も少ないです。そのため、プログラムを廃止している大学も増えています。

Medical schoolについては、Undergraduate educationを終えた後に進学します。そしてさらに4年間の学習を終えると、Medical Doctor(MD、医学士)の学位を取得します。そのため、医師になるためには合計で8年間の学生生活を送る必要があります。

一方、アカデミックキャリアを目指す方々は、通常Academic degreeと呼ばれる学位を取得します。その代表的なものにMaster of Science(MS)があります。米国では、多くの人がMSを取得した後、PhD(博士号)を取得する前に社会経験や研究活動を積むことが一般的です。MSから直接Doctor's degreeに進む方は少数派であり、一般的にその道は狭いとされています(ただし、一部の大学ではMSからPhDへの進学を容易にするシステムが導入されています)。Doctor's degreeの中でも、特にDoctor of Philosophy(PhD)はアカデミックキャリアを目指す方々にとって重要なステップです。PhDへの入学は最も難しいとされています。


米国にはさまざまな制度が存在し、BSからPhDへ進む場合や、MDとPhDを同時に取得するコースなどがあります。基本的に、日本ではMDは修士(Master's degree)と同等に扱われることが多いですが、米国ではその認識は異なります。日本人のMD保持者は、米国での進学を考える場合、修士からのスタートするのが一般的です。

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