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西洋(現代)医学と東洋(漢方)医学

以前は、動物病院というと西洋医学が大半でしたが、ここ数年東洋医学の病院も増えているなと感じます。

1.西洋(現代)医学と東洋(漢方)医学の歴史

日本に最初に伝わったのは西暦600年代「隋唐(現在の中国)」からの東洋(漢方)医学。室町時代には日本独自の医学として広まりました。
その後、1549年フランシスコ・ザビエルがキリスト教の布教の手段として使ったのが西洋(現代)医学。

オランダからの医学「蘭学」に対して「漢方」というように。
西洋医学は、蘭学ののち、ドイツ医学→米国医学に発展、欧米各国で発展したものが統一されて1つの体系ができたのに比べ、漢方医学は中国のみ。

その後、明治時代に西洋の国々に追いつこうと西洋文化を片っ端から取り入れた明治政府が、西洋医学の発展のために医師免許は西洋医学のみとしたことから、漢方医学は衰退。
昭和に入り、多少の復興を遂げ、1976年に医療用の漢方製剤が薬価基準に収載された歴史があります。

2.西洋(現代)医学と東洋(漢方)医学のちがい

■西洋医学
西洋医学は身体を部分的にとらえ、結膜炎には目薬・膿皮症には抗生物質・尿結石には療法食と病気自体を重視します。
骨折などの外傷の処置や大きくなった腫瘍を取り除いたり、症状が出るタイミングで花粉症には花粉症の薬・膿皮症には抗生物質で細菌性感染治療をするなど、あらわれた症状に対する対症療法が得意
色々な数値に基づいて分析データが山のように存在し、症状にあわせた駆汁の処方が可能で、同じ症状=同じ病気と考えます。

■東洋医学
一方漢方医学は身体を全体的にとらえ、古代自然哲学をベースとし、身体全体・生命力やその生き物がもつ自然治癒力を重視します。
病気ではなくそのヒト(わんこ)を診る医学というかは学問です。
(最近よく耳にするホリスティックと同じ感じ)
花粉症でも膿皮症でも尿結石・肝炎・胆泥症でも、どうしてその症状が出たかということを深く掘り下げての根本治療
同じ膿皮症でも膿皮症になった原因が異なれば、対処方法も異なるという考え方です。
急性の症状よりも慢性化した症状や、病院で検査して原因不明となった症状が得意分野。
「診る・聞く・聴く・嗅ぐ・触る」を通じて原因を探っていきます。

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3.西洋(現代)医学と東洋(漢方)医学の使い分け

緊急性を要するものや外科的なものは、効果が表れるのが早い西洋医学。
薬を飲んでも治らなく慢性化してる・血液検査をしても異常がない・毎年同じ時期に繰り返すなどは東洋医学で使い分けてます。
東洋医学を学んで、心と身体は繋がっていて、心の不調が全身の不調につながるということも学びました。
急な症状を抗生物質で抑え込みながら、東洋医学の立場で治療をしていくことも大事な判断。
西洋医学の病院・東洋医学の病院、どちらも知っておくと安心です。

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