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【自分のこと②】家族に身を捧げてきた13年だった。

仕事もお金の使い方も、休日の過ごし方もすべて家族優先。やりたいと思ったことは大体、諦めるか妥協するか、途中で断念した。夢追う自営業の夫に代わって家計を支えながら、いわゆる「ワンオペ」で育児をしてきた。

そして昨年、息子の中学受験が終わった。第一志望校に入学した息子は、先生や友人に恵まれ、充実した学校生活を送っている。これまでは幼い手を引いて私が先導してきたが、ここから先は、息子が自ら選ぶ道を応援する立場に回ろうと思った。

そして私はいつの間にか「40歳」になっていた。あ、人生折り返し地点なんだ、と思った瞬間、暗闇に落ち込んでいくような感覚に襲われた。

これから私はどう生きていくんだろう。そして何を目的に生きていくんだろう。鏡の中の容姿はどんどん衰えていく。新しい世界を覗いてみたい気もするけれど、最初の一歩をなかなか踏み出す気にならない。自分を二の次にしてきた年月は、新しいことへ挑む気力も奪ってしまっていた。

朝から晩まで仕事をして、仕事が終わったら家事をして、家族が寝てから、本を読んだり、録画しておいたテレビ番組を見る。たまに会社の人や友達とご飯を食べに行ったり。土日には平日にできなかった家事を片付け、横になってウトウトしているうちにもう夕方になっている。

そんな毎日をこれからずっと繰り返していくのかと思うと、気が遠くなりそうだった。

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