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ゴルフテックコーチ研修 Day2 キョウツウゲンゴ-後編-

前回の続きです。まだお読みになっていない方は、そちらを先にお読みいただくといいと思います。


前回はスイング中のポジションを9つに分けてP1~P9と呼ぶことを紹介しましたが、同じように手首の動きも共通言語にすることが大切です。

共通言語はレッスンの「要(かなめ)」

なぜ共通言語が大切なのでしょうか。
答えはシンプルです。
曖昧さを極力減らすことができ、齟齬が生じ辛くなるからです。ちなみに、ゴルフテックが行っているスイングの数値化も、数値という共通言語といえます。

GTU風景。スイングも数値化(=共通言語化)します。もちろん日本も同様です。

トップオブポジションと言われたら、何を思い浮かべますか?

今回は「コック」という言葉を例に挙げてみましょう。
どのようなイメージを持ちましたか?






「コック」という言葉は、実は曖昧な表現といえます。

「コック」と聞いて、親指側にヘッドを持ち上げるイメージをされた方が多いかと思います。
では、その時の左手首は、「手のひら側」に折れていますか?それとも「手の甲側」に折れていますか?
これは、あまり気にしたことが無い人が多いかもしれません。
テイクバックと同じく、人によってバラバラですね。

前回同様に、共通言語がないと、お互いの考えていることが正しく伝わりません。


手首の動きに名前を付ける

手首は、3方向の動きで説明できます。
ゴルフにおいては、リードアーム(右打ちであれば左手)をメインに考えるようにするといいでしょう。

イメージしづらい②と③を紹介。

①手のひら側↔︎手の甲側
  →小さなお子さんに「おいで」って言うときの手の動きですね。

①エクステンション(手のひら側)↔︎フレクション(手の甲側)
と呼んでいます。

②親指側↔︎小指側
  →相手に握手を求めるときに、手首は小指側に曲げますよね。この方向への動きです。

②ラディアルディビエーション(親指側へ曲げる)
  ↔︎アルナーディビエーション(小指側へ曲げる)
と呼んでいます。

③時計回りの回転→反時計回りの回転
  →占い師に手相を見てもらうとき、左手を差し出すとすれば、反時計回りに回転させると思います。
”例え”が微妙ですが(笑)、そういう方向への動きです。

③スーピネーション(左手であれば、反時計周りにねじる)
  ↔︎プロネーション(左手であれば、時計回りにねじる)
と呼んでいます。

言い方を変えると、手首を3種類の動きで整理している、といえます。

少なくとも、いまお読みいただいている読者の方は、このカタカナ名称を覚える必要はありません。しかし、手首の動きを理解するという意味で、3種類の動作自体は覚えておいて損はありません。
コーチによって言うことが違うように聞こえるのは、このような細かな動作の伝え方の違いが原因かもしれません。


【上手くなるヒント】上級者の手首の動きには共通点があります

上級者のトップオブポジションでの左手首の傾向をご紹介します。
上級者は、
 ①フレクションして、
 ②ラディアルディビエーションしていて、
 ③プロネーションしている
という状態になっている人が圧倒的に多いです。その理由は、またの機会にご説明します。

このようにコックという言葉ひとつとっても複数の動きから成り立っているので、ゴルフテックでは細かく名前をつけ、コーチ同士で齟齬が生じないようにしています。


カタカナ語を使うのには、ある理由が。

なぜ日本語の表現もあるのに、分かり辛くて長い”カタカナ語”にしているのか??
はい、すごくいい質問です!

これは、ゴルフテックが世界規模で、かつ英語を中心に運営されているからです。
今回ご紹介したような表現は、レッスン中に使うには難解であり、あまり向いていません。どちらかというと、コーチ同士が使う表現です。

もし日本のコーチが海外の最新資料を見ることがあった場合、カタカナ語で理解しておけば、英語表記を見てもスムーズに認識することができます。
世界規模ならではの工夫、と言えるかもしれません。


共通言語があるからディスカッションできる

最後に、共通言語があることで生まれる大きなメリットをお話しして、今回の締めとしたいと思います。
それは、世界中のコーチ同士(ゴルファー同士)がディスカッションができる、というメリットです。

ゴルフテックには、コーチ同士がスイングディスカッションできる土台があります。

例えばこんな感じです。

よくある例) 共通言語が「ない」場合
テイクバックでコックをすることって、どう思う?
→それぞれの想像しているポジションや動作が異なっている。そのため、前提条件が人によって異なるため、論点がズレやすくなり、ディスカッションが深まらない。

良い例)共通言語が「ある」場合
P2での、左手のラディアルディビエーションって、どう思う?
→全員が同じ定義の中で会話ができる。その際、「プロネーションやフレクションはどうなっている前提?」というような質問も可能。これによって、全員の前提条件を整理しながら、ディスカッションができる。

共通言語が持つメリットについて、ご理解いただけたでしょうか。
このようなことをGTUで学び身に付けるため、ゴルフテックでは、コーチ同士のスイングディスカッションが盛んです。

また、新人コーチであっても何が議論されているか明確にわかります。先輩コーチの考えを吸収しやすくなり、スキルアップがめちゃくちゃ早いです。
少なくともコーチ同士が、各々のスイング論を起点にして、取っ組み合いのケンカになることはありません。笑

是非、皆さんも共通言語を意識して、ディスカッションされると面白いのではないかと思います。


応援よろしくお願いします

私自身が、このような場で執筆するのは初めてです。ですが、日本中のゴルファーの皆様に、少しでも役立つ情報を提供できればと思い、連載を始めることになりました。
ゴルフテック共々、応援いただけますと幸いです。(”スキ”や”シェア”してもらえると嬉しいです!)

ゴルフテックでは、スイングを数値することで、動きを可視化します。

また、ゴルフテックが気になる方は、是非スタジオまで足をお運びください。ゴルフテックコーチは、もちろん全員GTUを卒業していますし、何より人柄が良いです。笑

きっとゴルファーの皆さまの、お役に立てることと思います!


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