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5月からの21卒就活の進め方

こんにちは。間山です。今日はまだ内定を持っていない21卒の学生に対して、これから就職活動をどうやっていくべきかというテーマで書きます。就職活動全般にも通じる話になるので、22卒以降の学生にも参考になるような内容ですし、仕事で普段から大切だと話していることとも共通する点は多いです。せっかくこの記事を開いてくれたのであれば、ビジネスパーソンのみんなも是非、最後までお付き合いください。なるべく簡潔に、そして分かりやすく書きます。

21卒就職活動の現状

ディスコさんのデータですが、5月1日時点で一社以上の内定を持っている就活生の割合は50.2%となっております。二人に一人ですね。人には「自分は平均よりは上」と思いこむ認知バイアス(レイク・ウォビゴン効果)があることを踏まえると、まだ一社も内定を持っていない学生はかなり焦っていると思います。

グラフを見ていただけると分かりますが、COVID-19の影響で、これでも4月はかなり鈍化しています。今年は、夏のオリンピックより前に採用活動を終了させようという会社が多かったので、例年と比べてもめちゃくちゃ早かったはずで、本当なら60%は超えていたところが50%程度に収まっているという感じ。

FireShot Capture 365 - 【就活トーク】資料_20200515撮影分 - Google スライド - docs.google.com

よく言われる「就活の二極化」がより顕著になっています。3年時のサマーインターンから動いていた学生や3月の就活情報公開の解禁前から動いていた学生と解禁を待っていた学生。企業も同様に早期に採用を進めていた企業と解禁を待っていた企業。解禁前に動くことの善し悪しは置いておきますが、後者の学生や企業はかなり厳しい状況になっています。

とはいえ、過去は変えられない以上、この状況をただ嘆いていてもしょうがないので、今からどのように就活を進めるべきか、今からの就職活動について書いていきます。

ショートゴールを設定しよう

就活に限らず、仕事でも同様ですが、ショートゴールを設定することは、モチベーションを高く保つためにとても重要です。大きな目標を立てることも重要ですが、現状の就職活動がうまくいっていない状態で大きな目標を立てると、それと自分の現状とのギャップが大きくなりすぎて、「今すべきこと」まで落としこむことが難しくなります。で、ここでいうショートゴールは

最短で一社目の内定を獲得すること

です。

「行きたくもない会社の内定をとってもしょうがない」「どこでもいいわけないじゃないか」という学生がほとんどかと思いますが、内定を一社でも持っていると

1.一番のストレスである「先が見えない」がなくなる
2.基準ができるのでその後の就活を効率的にできる
3.成功体験により喪失した自信を取り戻せる

という利点があります。

もう少し補足すると、人が一番ストレスを抱えるのは先行きが不透明なことと言われます。今回のCOVID-19でみんなも感じているので、この点については納得感もあるかと思います。一社目の内定を得られると今のNNT(ない内定)の状態から抜け出せるので、卒業後の仕事がないという最悪の状況を避けられるという安心感が生まれます。失業率と自殺率の相関性については様々な調査結果が示唆していることでもあり、仕事がないことは多くの場合、悲劇です。

そして、いったん一社目の内定が出れば、そこを基準として、そこより行きたい会社に絞って就職活動ができるので、やみくもに就活をする必要がなくなります。言わずもがなですが、比較対象があると意思決定は容易になります。「底」を確定させることはあらゆる局面において、とても有効な方法論です。

最後に就職活動がうまくいっていないと「社会に必要とされてないのでは」と、どんどん自己否定の気持ちになってしまいます。この点、一社からでも内定をもらえると、これまですり減る一方だった、自分の自分自身への評価の低下が底打ちます。それにより、今後の就職活動をより前向きに行える蓋然性が高まります。

この三つの観点から一社目の内定を最短で取ることは、就職活動においてとてもメリットがあると言えます。最後まで就職を希望し、就職活動を継続していればおよそ98%の学生はどこかしらの会社に入社することを決める以上、この時点で内定を持っていない学生は、まず一社目の内定を取ることをショートゴールとしましょう。

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ちなみにリクルートさんの就職みらい研究所の就職白書2019によると、当初の第一志望群の会社に入社できた学生は52.1%なので、半数近くは第一志望群の会社に入社できていません。また入社予定の会社に満足している学生は入社前の段階では83.0%でなのにも関わらず、入社後半年もたつと59.6%が入社を後悔するように、入社前の会社への評価はあてにならないという話もあります。入社をすることを決めた会社が志望してない会社であっても、入社時に満足していなかったとしても、それがキャリアにおいてどう影響するかは、入社後の自分の努力次第とも言えます。

そのためにすべきことは3つ

さて、ここまで一社目の内定を最短で取るべき理由を説明してきましたが、ここからは具体的な方法論を説明します。最短で一社目の内定を取るためにすべきことは以下の三つです。

1.時間の棚卸しする
2.内定をとる企業を選定する
3.実践を通じて改善する

1.時間の棚卸しする

日本で時価総額圧倒的一位のトヨタ自動車のトヨタ生産方式は全世界的にとても有名ですが、このトヨタ式の肝は時間の使い方にあると言います。また「時は金なり」という金言がありますが「時間は人生そのものだ」ということも本当に様々な人が言っています。一方、私たちの多くは自分自身が何にどれだけの時間を使っているかを把握しておらず、ただ漫然と時を過ごしている人が少なくありません。一日が24時間であることはすべての人に共通なのにもかかわらず、それ(時間)を有効に活用せずにいるのは本当にもったいないことです。「何にどれくらいの時間を使っているか」を把握することは人生を充実させるためにもとても重要なことで、就職活動においてもとても大切なことです。

では、具体的に何をすればいいのか。

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(1) 24時間の使い方を毎日、一週間分、記録する。

コンサルティング会社が顧客企業の業務改善をするときもまずはストップウォッチを片手に作業者の後ろで時間を計るくらいなので、改善のための重要な手順です。ちなみにコンサルティングの本場とも言えるアメリカでは作業者に「何を何時間使っているか」と聞いた時間配分と実際に計った時間配分でかなりの差が出るようで実際に測定することを重視しますが、日本人の場合はあまり大きな差異がないという話もあります。すぐにでも次のステップに進みたければ、過去一週間を遡って具体的に洗い出してみてもいいです(就活の場合、この一週間が貴重なのでこっちの方がむしろいいかもしれません)。

(2) 就職活動にあてられる時間を算出する

洗い出されたものを集計して、①就職活動に割いている時間がどれくらいあるか集計してください。また②今は就職活動に割けていないけど、無理なく就職活動に充てられる時間を探してみてください。ここでのポイントは理想論を②に持ち込みすぎないことです。計画の段階で無理を差し込むと、計画の実現可能性は極端に下がります。「頑張る」ことはとても大切ですが、予定には無理を差し込まず、「頑張る」は最後の切り札として手元に持っておくことが重要です。

(3) 就職活動に必要な時間を把握する

通過率から逆算して、一社の内定に必要な時間を算出してみました。通過率について一般的な水準を適用していますが、実際に人によりかなり通過率は違うのでいったん一社の内定に168時間程度かかると思って、これをやりきる前提で考えてください。よりうまくいくならそれはそれで「最短」という観点からは幸運です。

また今回はあくまで最短で一社の内定をというショートとゴールに向けて考察しているので、自己分析の時間は含めず、かつ、この観点からオンラインで最終面接まで完結する企業を選ぶ前提で、移動の時間は加味してません。

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(4) 具体的な行動計画=予定表を立てる

仮に(2)で算出した時間が一日4時間だとすると168時間を4で割った42日があなたが一社内定をとるために必要な日数となります。具体的な行動計画というとやるべきことを出していくTodoリスト形式で作成してしまう人も多いと思いますが、Todoリストには時間という概念がなく、あれもこれもと追加してしまいがちなので、処理能力に自信がない人には勧めません。できれば予定表(例えばガントチャート)の形とする方がいいです。

ここで大事なのは予定を立てるだけで満足せずに、毎日、実績を反映させて、進捗を見える化することです。

2.内定をとる企業を選定する

さて、これで一社目の内定を獲得するまでのスケジュールができました。次は企業選定です。ターゲットとしては、内定が出やすい業界と職種を見極めることです。

以下のグラフは業界が伸びているか落ち込んでいるかを簡易的にあらわしたものです。伸びている業界A、停滞している業界B、落ち込んでいる業界C。この中で、もっとも内定が出やすい業界はどこでしょうか?

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落ち込んでいる不人気業界ということでは業界Cを選ぶ人もいるかもしれませんが、一般的には、伸びている業界の方が採用ニーズが強く、採用数も多いので業界Aがもっとも内定が出やすい業界と言えます。

具体的に今、伸びている業界はどこでしょうか。

一般的なイメージとして、IT業界やインターネット広告業界、また医療や介護の業界は伸びている業界としてあげられるかと思います。またCOVID-19の感染拡大前であれば、ここにインバウンド需要を取り込む観光業界や旅行業界やオリンピック需要で不動産業界や建築業界も入っていたかと思いますが、ご存知のとおり、これらの業界は今、かなりのダメージを受けており、代わりに「巣ごもり消費」と言われているようなEC業界や動画配信やゲームや飲食業界の中でもデリバリーなどは伸びている業界と言えます。

またニューノーマル(新常態)と言う言葉が使われるようになってますが、人々の生活に必要不可欠な業界として、スーパーやドラッグストアなどの小売や物流などの業界は今後、より伸びていく業界としてあげられます。

以下はILO(国際労働機関)のレポートからレイオフのリスクを予想したものを簡易的にまとめたものです。少し前のレポートをもとにしてますが、伸びている業界を選定するうえで参考にしてください。

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では、伸びている業界を選定できたとして、次は内定が出やすい職種について考えていきます。これは特定の企業を構成する職種の割合と思ってください。85%を占める職種A、10%の職種B、5%の職種C。どの職種が内定が出やすいか。

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大げさに書いているので言わずもがなですが、当然、職種Aになります。なぜならば採用数が一番多いのが職種Aだからです。

IT業界においてだと、ITサービスを売っている会社の職種Aは営業職、ITサービスを作っている会社だったら職種Aはエンジニア職など、同じ業界であっても、会社のサービス内容によって職種Aは変わります。

内定を持っていない学生の多くは、企業側の視点で考えることをせず、職種Bや職種Cを希望して、企業に応募していることが少なくありません。仮にマーケティング職を希望するのであれば、職種Aがマーケティング職である企業(例えば、マーケティングのコンサルティングを行う会社や消費財メーカーなどですが、そこはかなり競争が激しいのでマーケッターやデザイナーのアウトソーシングをしている会社など)を選定するべきですし、事務職を希望するのであれば、職種Aが事務職である企業(事務代行サービスを運営する企業など)を選定すると内定が出やすいと言えます。ただし、事務職についてはメガバンクが人員削減を公言しているように中長期で見たとき、失職のリスクがあるので、正直、おすすめはしません。

このように会社ごとの職種Aを意識し、その職種に応募することが内定の近道です。

3.実践を通じて改善する

ここまでできたらあとは実践です。

面接では自信がとても大切です。

とはいえ、内定を持っていない学生の多くは面接への苦手意識がとても強いです。実際に多くの面接で落とされているので、自信を持てと言われてもすぐには難しいと思います。また自信を持つためには、経験を重ねることが必要ですが、ただ回数を重ねることは経験とは言いません。大事なのは回数ではなく、本気で取り組んだ回数です。

そして、学びをより効果的に行うためには、課題を特定して臨み、それをきちんと振り返ることが必要です。そのため、就活生には就活日記や就活ノートでの記録を勧めていますが、就職活動がうまくいってない人ほど、勧められたとおりにやらない人が多いのが残念なところです。

人はとかく忘れやすく、失敗しても次はうまくいくと根拠なく考える傾向があります。うまくいってないときこそ人はギャンブルに出がちであると脳科学の観点でもよく言われます。

失敗には理由があり、その理由をひとつひとつつぶしていくことこそが成功の近道です。昔から「失敗は成功の母」と言いますが、ただの失敗が成功につながるわけではなく、失敗からの学びを次に活かすから成功が近づきます。また記録することはモチベーション維持にも有用ですし、思考の整理にも役立ちます。是非、やってみてください。

さて、記録するにも実践がないと記録することがありません。いきなり多くの企業を受けて、いたずらにこれ以上、「傷つく」機会を増やしてもしょうがないので、是非、友人や社会人の先輩に頼みこんで、面接練習をさせてもらいましょう。

面接については先日のnoteにも書いたのであわせて読んでみてください。

大事なことはただ練習をするのではなく、課題を持って練習に取り組み、きちんと振り返りを行うこと、そして次の課題を特定し、改善していくことで、あらゆることの通じる成功の方法です。

まとめ

ここまで読んでいただいてありがとうございます。今回、書いてきたことは正直、本質的なものではないです。就職活動のゴールは内定を取ることではなく、自分自身がビジネスの世界に足を踏み入れるのに際し、最高のスタート地点を見つけることにあると考えるからです。

とはいえ、内定を取らないことには就職ができないのも事実です。もともと自分の力でビジネスができる人、したい人については就職する以外の選択肢もありますが、多くの学生にとって、それは現実的ではなく、どこかしらの会社に入るという道を選ばざるを得ません。

また文中にも書きましたが、失業率と自殺率はとても高い相関があると言われており、COVID-19の状況下で失業率の上昇がかなり現実的になってしまっている今、望む望まないは別として就職し、毎月安定した給与が得られる状態であることはとても大切なことです。

前職で多くの借金を抱え、経済的に困窮している方を見てきましたが、その中には安定的な収入がなく、一時的な収入減に際し、泣く泣く借金するという手段を取らざるを得ない人が少なくありませんでした。また安定的な仕事がないが故に収入がない、少ないということは、未来に向かって使えるお金がないということです。若者が貧しい国の未来が明るいわけがありません。

一人でも多くの人が自分の未来に希望を持てる社会を実現する

これが自分は事業を通じて実現しようと思っている社会です。

目的と手段の関係を意識することはとても大切ですが、状況によっては、目的のためには必ずしも「今したくないこと」をしないといけないこともあります。一人でも多くの学生が、この困難を乗り越えて、内定を獲得し、来年の4月からビジネスの場でいっしょに切磋琢磨できる未来が訪れることを心から望んでいます。

最後にこれは宣伝なので読み飛ばしてくれて問題ないです。

既に22卒向けに就職支援を開始している企業が多く、内定をもってない21卒の学生は辛い時間を過ごしていることと思います。キャリアチケットでは入社直前の3月31日まで21卒の就職支援をしています。一人で悩んで、どうしていいか分からなくなってしまったら是非、頼ってください。何なら今日(5月17日)時点で22卒の方は登録すらできない状況です。振り切ってます。

最後まで読んでくれてありがとうございます。また別の話を読みたいな、という人は是非、「スキ」を押して、フォローをお願いします。

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