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“強み”の見つけ方 入門編

こんにちは。間山です。リモートだと移動によるロスがなく、効率的という反面、間をつめすぎてスキマ時間ができにくいですね。いつもスキマ時間に思考したり、書いたりしていたのですが、物書きの時間があまり取れなくなってます。そもそも書くのは本業じゃないですけど。

さて、今日は社内で「一番、読みたい」という人が多かった“強み”の見つけ方について書きます。いつもどおり、就活中の学生と若手ビジネスパーソン向けに書きます。中上級者のみなさまはあしからず。

“強み”は「○○」なもの

“強み”がないんです。

そんな声をよく聞きますが、そもそも“強み”って何を指すのでしょうか。

いろいろな定義がありますが、第一に“強み”というのは「人の”特徴“のうち、ある特定の場面において”効果的“であるもの」です。分かりにくいですね。

たとえば「背が高い」という特徴を持った人をイメージしてください。高いところにある荷物を取ろうとした場合(特定の場面)において、背が高いこと(特徴)は強み(効果的な特徴)になります。一方、天井が低いところで作業する場合(別の特定の場面)において、背が高いこと(特徴)は弱み(非効果的な特徴)になります。

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「背が高い」という身体的な特徴を例にしましたが、それ以外の場合でも基本的に同様です。「協調性がある」という性格的な特徴についても、それが必要とされる場面において効果的な特徴となりますが、そうでない場面においては非効果的な特徴となります。たとえば、同じくらいの価値が対立する関係において、速やかにどちらかを決めないといけない場面においては、必ずしも効果的とは言えません。

なので、自分の“強み”を理解することは、自分の”特徴“を理解することに他なりません。そして、それを“強み”として用いる方法を知ることです。これを刀の森岡毅さんはこう表現してます。言葉のチョイスがおしゃれ。

誰にも「特徴」があります。それがよく働くか悪く働くかは、「文脈」が決めています。「文脈」とは、環境と言い替えたらわかりやすいでしょうか。自分の特徴が生きる文脈に行くことができたら、人は成功します。

“強み”というのは「人の“特徴”のうち、ある特定の場面において“効果的”であるもの」です。なので、“強み”を知るということは自分の“特徴”を知ることに他なりません。ま、でもいったん“強み”という言葉を使い続けます。

第二に“強み”とはそもそも「絶対的なものではなく相対的なもの」です。これは二つの意味があります。一つめの意味としては「他者との比較における相対的なもの」。二つめの意味としては「自分の特徴における相対的なもの」です。それぞれ棒グラフとレーダーチャートをイメージしてください(図は。就活トーク用に作成したものを流用)。

強み

他者との比較において相対的に優れている“特徴”があればそれを軸に考えていくことでいいと思います。もっとも、他者は広範すぎるので特定のグループの中で比べる形になるかと思います。就職活動であれば「“御社”を受けている学生の中での比較」になりますし、会社内であれば「同じ会社の中での比較」、ビジネスであれば「競合他社を含めた同業の中での比較」などです。

ただ、いくら特定のグループの中の比較でも、他の人や他の会社と比べて、一番になれるような”強み“を持っていることは少ないと思います。子どものころ、30人クラスで一番○○だった!という人ばかりではないですよね。当たり前ですが、一番は一人(一社)しかいないです。仮にめちゃくちゃ考えて考えて、“何か”一番のものが見つかったとしても前述した”効果的“という観点から考えたときに使い道がないかもしれません。

ここで、おすすめなのは自分の特徴の中での比較です。

能力は伸ばすことができますが、基本、持っていないものは使えません。ないものねだりをしてもしょうがないので、自分の特徴の中で相対的に優れているものを見つけることにしましょう。ということは、いったん“強み”を見つけるのにあたって他の人と比べる必要はないってことになります。

他の人と比べて優越感に浸ることができる人は別に好きなだけ比べればいいですが、比べてもそれで結果が変わるわけでも、自分が成長できるわけでもないので、そのような不毛な時間とは速やかに別れを告げましょう。一番大事なのは“強み”を見つけることがゴールではなく、それを活かして何かを手に入れる、何かを成し遂げることです。どんな特徴であれ、それを武器にすべく、それの活かし方、活かせる場面を知ることが大事です。

“強み”を見つける二つの方法

さて、“強み”については二つの観点から定義付けを行いました。ようやく本論に入ることができます。“強み”を発見する方法について書いていきます。

この点、“強み”を見つける方法はシンプルですが、事実から積み上げていくか、結論から掘り下げていくかです。

FireShot Capture 315 - 【就活トーク】就活の本質シリーズ - Google スライド - docs.google.com

どちらがいいかっていうのは時間軸によります。就職活動中で就職のために“強み”を見つけようとしている学生の場合、過去の事実を捏造するわけにもいかないので、積み上げ型で見つけざるを得ませんが、大学1~2年生や既にビジネスの世界に足を踏み入れている若手ビジネスパーソンは掘り下げ型で考えることをお勧めします。理由は後述します。

まずは積み上げ型について。これは「要素を集めて、それを抽象化する」というアプローチです。方法論としては「1000本ノック」「モチベーショングラフ」「自分史」などがこれにあたります。この方法の重要なポイントはふたつ。一つめは「いかに要素をたくさん集めることができるか」、二つめは「集めた要素をうまくグルーピングし、抽象化するか」。

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要素を集めるのにあたっては“行動”に着目することです。具体的には「好きなこと」「長く続けていること」「人に褒められたこと」「長く話せること」などの観点で、行動ベースで可能な限り、付箋に書き出してみてください(次の工程のために付箋の方が貼ったり剥がしたりしやすくていいと思いますが、別にノートに書きたければそれでもOKです)。この段階で同じようなものでも、重なっていても大丈夫ですので、少なくとも30~50個くらい書き出してください。

書き出したらこれをグルーピングしていきます。

刀の森岡さんはT(Thinking=考える力)、C(Communication=伝える力)、L(Leadership=リーダーシップ)という三つのカテゴリーに分けることを勧めているので、そのグループで考えてもいいと思います。ビジネスパーソンにおいては、それぞれの会社の評価制度や行動指針、バリューなどに則って分類する方がいいです。普段使っている言葉と一致している方が理解しやすく、また実際にそのまま仕事にも活かせます。レバレジーズの場合はコンピテンシー評価をしているので、それに則ると下記になります。

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方法論はこんな感じですが、やってみないことには何も見つからないのでゴールデンウィークの間にでも実際にやってみてください。

続いて、掘り下げ型です。まず、なぜこっちの方がいいと考えるかを説明します。

「キャリア」という言葉の語源は「車輪の轍」です。「轍」は車輪が通ったあとにできます。つまりキャリアを築いていくということは行動を繰り返していくことに他なりません。そう考えると、「今が最高である」必要なんてないのです。

黄金時代が現代であったためしはない

と伊坂幸太郎さんも言っていますが、本当にそう思います。

「大学1~2年生や既にビジネスの世界に足を踏み入れている若手ビジネスパーソン」と書きましたが、“強み”を今すぐ言えるようにしないといけない、という就職活動期の学生や転職活動中のビジネスパーソンは別として、キャリアは積み上げていくもので、「今が最高である必要なんてない」がすごく大事です。

自分がつきたい職業や役職、自分がやりたい事業や成し遂げたいこと、それに必要な要素をあらかじめ洗い出しておいて、それに現実の自分を近づけることができれば、より効率的に“強み”が作れます。「見つけ方」から「作り方」になっているじゃないか、という批判は受け付けません。そもそも”強み“を見つける目的は、それを活かして何かを手に入れる、または何かを成し遂げることにある以上、社会や会社が何を求めているかを理解することからスタートするべきなのです。

大学生であればインターンをして実際に働いている社員の方の共通点を見つけたり、OBOG訪問でその会社で活躍する人の特徴を聞き、これからの学生生活においてこれらの要件を満たすような経験を積むことを意識することができます。仮に直接見聞きできなかったとしても書籍やWeb上で同様の話を見つけることはできると思います。

ビジネスパーソンであれば1on1などで上司に何が求められているかを確認してもいいですし、個人的には「未来の職務経歴書」を作成することをお勧めしています。たとえば3年後に「新規事業の責任者に抜擢される」というキャリアを望んでいるのだとしたら3年後に抜擢される理由をあらかじめ洗い出しておき、今後の3年間で根拠となるエピソードを作る計画を立てる感じです。ま、計画通りに進むことはまずないですけど、それであっても計画を立てることはとても大切です。

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人は自分の位置と進むべき方向が分かっていたら途中に困難があったとしても、目的地を目指して歩いていけるものです。

「進みたい方向性」や「なりたい姿」は人によって異なるので、一般的な方法論となってしまうことはお許しください。ただ掘り下げ型、つまりゴールから逆算する思考方法はキャリアにおいても有効ですので、是非、実践してみてください。

“強み”は○○しないと意味がない

最後に就活生も多数読んでくれていることを信じて、見つけた“強み”をいかに第三者に伝達できる形に整えていくのか、言語化について書きます。エントリーシートはもちろん面接などでも使える話ですので、是非、最後までお付き合いください。まずは下記の図をご覧ください。

伊藤羊一さんの「1分で話せ」を参考にピラミッドにすると、就職活動ってこんな感じです。

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エピソードベースで書くとこうなります。

FireShot Capture 317 - 【就活トーク】就活の本質シリーズ - Google スライド - docs.google.com

話し方の説明でよく使われるPREP法ですね。P(Point=結論)⇒R(Reason=理由)⇒E(Example=具体例)⇒P(Point=結論)。積み上げ型にしろ、掘り下げ型にしろ、結論部分にあたる”強み“とその要素が洗い出されているはずですので、まずはそれらをPとRとEに分類して、並び替えてください。そしたら文字数制限や実際に話す時間にあわせて形を整えていく。

企業によってアピールする“強み”を変えるべきか、という質問もいただきますが、そんなにたくさんアピールするポイントがある学生は多くないと思いますので、“強み”については基本的に共通でいいです。重みづけを変えるくらいはしてもいいとは思います。

具体例を紹介します

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まとめ

分かりやすく説明しようと図を多用して、かえって書くのに時間がかかるという。ちなみに「人間は考える葦である」という言葉を残したパスカルが、友人にあてた手紙の末尾に「今日は時間がなかった為に、このように長い手紙になってしまったことをお許しください」と書いたって話が好きです。これを140文字で伝えられる力量が欲しいです。

さて、書いてきたことを三行でまとめます。

1.“強み”は相対的なものである
2.“強み”は積み上げ型か掘り下げ型で見つけよう
3.“強み”は言語化しないと伝わらない

最後まで読んでくれてありがとうございます。また別の話を読みたいな、という人は是非、「スキ」を押して、フォローをお願いします。

今日、書いてきたことはひとつひとつは決して難しくないので、だれであってもすぐにできるかと思います。ただこれを読んで、実際に自分でやってみるかどうか、そこが未来において、大きな差になります。今の自分の行動しか変えられるものはありません。緊急事態宣言の今、いかに自分一人で行えるキャリア開発をできるかが重要ですので、是非、やってみてください。

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