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クビを免れた話【海外で働くシリーズ】


私の現職は試用期間が6ヶ月あり、試用期間を過ぎると人事評価があります。実は、私は試用期間中の成績が良くなく、試用期間が3ヶ月伸びました。

その時に上司に言われたのが「I decided to give you another chance. You have 3 months to prove you're capable of doing this job(あと3ヶ月チャンスをあげるから、この仕事ができるってことを証明してね)」。

外資や海外の会社はよく社員がクビになると聞いていてはいたものの、まさか自分にこんなことが起こるなんて全く想像していませんでした。

成果主義の海外の働き方を実感しました。

「クビ」について初めて考える

貯金が多いわけではないし、家賃は高いから収入がなくなると生活が困る。
クビになってから次の仕事が見つかるまでどれくらいかかるだろう。1年未満でクビになったら他の会社で雇ってもらえないんじゃないか。

人生で初めて「クビになるかもしれない」という恐怖を味わいました。

これまで運に恵まれていたのもあって、予算やノルマを達成できなくて心配することがありませんでした。成果をそこまで求められない仕事だったり、予算を超えられる案件を担当するポジションだったからです。
そんな恵まれた環境にいたから自分は仕事がそこそこできると錯覚していただけで、本当はやっぱり仕事ができない人間なんだ、と落ち込んだしプライドと自信が傷つきました。

変わっていく自分

3ヶ月で達成しないといけない新しいノルマを上司から与えられ、「クビ」の可能性を伝えられてから、不安とストレスと追い詰められてる状況で自分が変わっていくのが分かりました。

ノルマに近づけるように新しいタスクを任されましたが、その代わりに本来やりたかった業務ができなくなり、「楽しい」という感情が薄れる仕事。数字が作れそうなことは全部やってみるも、理想通りに数字が作れずに焦る毎日。同僚と雑談していると「仕事を頑張っていない」と上司に思われそうで、減る口数。

今まではいつもポジティブで明るくて人にどんどん話しかけていってたのが、暗くなって話しかけるどころが笑えないし目も合わせなくなりました。
そんな変わっていく自分が本当に嫌でした。

クビになる前に転職すれば良いのでは。

3ヶ月の間に転職先を見つけて辞めてしまえば、、、

  • 自分から辞めることになるからクビじゃない(面子を守れる)。

  • 転職先が決まってから辞めれば収入の心配をしなくて大丈夫。

  • 次は成果主義じゃない職場やポジションに移れば今後ノルマ達成に悩むことがなくなる。

と思い始めました。
いざ転職活動しようと気になる業界・職種・企業を調べてレジュメを書いて応募してみましたが、これがなかなか上手くいかない。私は職歴が約4年あるのでカナダでの転職はどこかしら面接できるだろうと甘く考えているところがありました。
しかし実際には面接に進めた応募は0件。カナダ(特にバンクーバー)での職探しは簡単ではありません。なぜかというと、

  • 1つの求人に対する応募数が日本の3~4倍で競争率が高い(業種・職種・会社の規模によって異なる)。

  • 職歴・学歴が高く、オーバースペックな移民労働者が多いため、採用ポジションのレベルが上がり、職歴と学歴がcompetitiveでない人はすぐに落とされる

  • カナダでの職歴と学歴を好む会社が多数ある。

競争率の高いカナダの労働市場ではこれまでの実績と実力が不可欠です。
対して輝かしい実績があるわけではない私は転職したくても雇ってくれるところがなかったので、今の仕事で実績をなんとか作れるように続けながらも合いそうな仕事が見つかったら応募することにしました。

自分を振り返ってみる

辛口の人事評価を受けて、クビを言及され、数字を追うだけの楽しくない仕事をやりながらも、過去の自分の働きぶり・スキル・実績など振り返るキッカケになりました。

  • 上司がつけた評価に文句を言うのはいくらでもできるけど、本当に私は自信を持って成果を追求する努力をしてた?

  • もっと努力する余裕があったんじゃないか?

  • 成果を作れないような障壁があった時、ちゃんと上司に伝えようとした?

  • 今のこの経験から得られることは?

これまで散々自分と向き合うこととか、振り返りをしてきてたので、評価にがっかりするだけじゃなくて冷静に自分と状況をアナライズすることができました。振り返りをしたことにより、焦点を「クビになるかもしれない」という焦りとプレッシャーから「もしクビになったとしてもこの先に活きるスキルや経験をつくる努力をする」にシフトしました。

なんとかなった

3か月後、結果的には上司から設定された目標のうち、一方は100%達成。もう一方は50%達成。できることはやったので、これでダメだったらしょうがない。と吹っ切れた気持ちもありました。
人事評価では、全部の目標達成はできなかったものの、数字をつくれるということを証明できたからこのまま頑張ってほしい。とのことでクビは免れました。
この3か月間、クビになるかもしれない恐怖と仕事が見つからなくてお金がどんどんなくなる不安が頭の端っこに常にあったのでクビにならないと分かって久しぶりに肩の力を抜ける気がしました。

しかしすぐに次の目標を設定されました。安心感と、またノルマに追われる絶望感と、なんとも言えない感情になりました🌀
転職したい気持ちはまだありますが、少しづつ努力の成果が結果として表れてきているのでもう少し頑張りたい気持ちもあります。まだどうするか分かりませんが、とりあえず目の前のやるべきことをやりながら考えようと思います。

海外就職のリアルを身をもって体験した

海外就職は給料が高いとか自由度が高いとか残業がないなど、ポジティブな印象があって憧れませんか?私は英語を使ってビジネスをして、ワークライフバランスを重視する海外就職に憧れを持っていました。
でも実績を出せている(=会社の売上に貢献できている)対価として高めの給料や自由が与えられる。実績が出せない人は切られてしまうのが現実。
現職や周りの友達の会社でも、どんどん人がクビになって新しい人が入って、入れ替えが激しいです。

日本で働いていた時は日本の働き方が気に入らず、文句がたくさんありましたが、今ではなんて守られてた環境だったんだろうと思います。

結局どこに行っても楽な仕事なんてなくて、何があっても大丈夫なように自分のスキルや実績を磨いていかないといけませんね。

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