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開花

眩い光が射す舗道を見下ろす
コーヒー屋の窓際の席
アメリカンを啜りながら
希望のない世界は嫌だと
耳元で
ラジオのパーソナリティが囁くのを
聴く
指先は
iPhoneのニュースソースを彷徨いながら
すべてを断ち切らないようにして
今日の天気は晴れ
おそろしいほどの快晴
自動ドアが開くたび
フェイクの観葉植物が揺れ
眩い光に触れ
埃が舞い上がる
見慣れ過ぎてもう
何の感情も沸かない
プラスチックのトレイ
マグカップ
皿の上には食べかけの
ミラノサンド
齧るたび崩れ落ちるが
いつも頼んでしまう

自動ドアが開くたび
張り紙がひらひらと捲れ上がって
今日付けで
この店は閉まるという

眩い光に
どんなにしかめ面をしても
見つめるほど
輪郭が失せていく
希望を持たずに
生きてきたはずもない

舗道の花が
解けていく
のが
きれいだ

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