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詩「終わらない日々」

街はもうなくなってしまう
ようだ
国道沿い
遠くに見えた夜景
川沿いを鳥の影がさまよって消えた
海の方へ
目をやると
ラーメン屋のネオンだけが光っている
そして滲む
雨とか
涙とか
水溜まりがひとしきり揺れる幻
人々が移動していく
決して群れは作らず
ひとりまたひとりと
都市を捨てていく
荒廃の果ての楽園
笑うしかない店先のドール
かき鳴らされたギターの音だけが耳を塞いで
それだけを覚えている
それだけしか覚えていなくて
街の灯りがひとつ消える
まるで
煙草の火を消すように
忘れるだろう
忘れるだろう
ドキュメンタリー
フィルムに回収されていく

どうしてだろう
日々だけが目を瞑っても終わらずに

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