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『三痛』〜三大疼痛 頭痛・胸痛・腹痛の原因〜【まとめ】

頭痛・胸痛・腹痛...誰もが経験したことある辛い痛み...。

「この痛みはどこから来るんだろう?」
「病院を受診したほうがいいのだろうか?」
「何科を受診すればよいの?」

誰もが皆考えたことがあるであろう素朴な疑問に答えるべく、noteを作成いたしました。このnoteを読んでいただければ、痛みの原因、病院受診の目安、治療法について網羅的に理解できることと思います。今回のnoteは頭痛、胸痛、腹痛の三痛(さんつう(造語))に絞ってクリアカットに整理しました!

医学に馴染みのない方、一般の方や学生の方でも読みやすい内容になっております。ぜひお読みいただければ幸いです!

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【1】頭痛

頭痛の原因は頭だけと思っていませんか?実は頭以外が原因で頭痛を生じるケースも多々あります。

この章では
✔︎二次性頭痛とSNOOPについて
✔︎一次性頭痛とは何か?代表例3つの疾患(片頭痛、緊張型頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛)について細かく解説
✔︎怖い頭痛=二次性頭痛とその典型的症状一覧

を中心にまとめました。一般的に頭痛について考えられる疾患とそのアプローチについて、また二次性頭痛の代表疾患とその症状についてわかりやすくまとめております。

1.二次性頭痛とは何か?


まず一次性頭痛と二次性頭痛という考え方を紹介させてください。頭痛は大きく分けて一次性頭痛と二次性頭痛に分かれます。
✔︎一次性頭痛とは画像や検査では異常がない頭痛であり、脳・神経や血管の機能異常といわれています。これは命に関わる頭痛ではないので、その点は心配いりません。具体的には片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛などが該当します(普段からよくある頭痛は一次性頭痛のことが多いです)。
✔︎問題となるのは二次性頭痛です。こちらは画像異常や検査異常を伴うもので、命に関わる頭痛が含まれます。

最も恐ろしい頭痛はなんといってもクモ膜下出血です。脳を包む膜の一つにクモ膜という膜があり、そのすぐ下にある動脈(多くは動脈瘤)から出血することで生じる疾患です。バットで突然頭を殴られたような激しい頭痛のあと、意識障害、頻回の嘔吐をきたします瞳孔の大きさが左右で異なる場合は特に疑います(瞳孔不同は動脈瘤が動眼神経という神経を圧迫しているかもしくは、脳幹が血腫などで圧迫され命の危機が迫っていることを示唆します)。

また、髄膜炎という脳を包む膜が感染することで起こる疾患も致死率が高く恐ろしい病気です。特に細菌性髄膜炎、ヘルペス髄膜炎・脳炎は致死率が高く、後遺症が残ることも多いことから早急な治療介入が必要です。こちらは発熱、頭痛、頻回の嘔吐といった症状があります。典型例では首の後ろが固くなり、胸に顎をつけることができません( これは重要な所見です。ただし高齢者では髄膜炎でなくても首が硬いので胸に顎をつけれないことは多々あります)。

二次性頭痛を疑う基準にSNOOPというものがあります。どれか1項目でも該当した場合は二次性頭痛を疑い、血液検査・画像検査が推奨されますので参考にしてください。

『SNOOP』 
S:Systemic symptoms/sign/disease = 全身症状はあるか?
  例:発熱、体重減少、寝汗、筋肉痛、癌がある、免疫不全がある など
N:Neurologic symptoms or signs = 神経症状があるか?
  例:瞳孔不同、麻痺・しびれ、複視、視野異常、行動や性格の突然の変化 
O:Onset sudden = 突然発症した人生最大の頭痛か?
O:Onset after age 50 years = 50歳以降発症した頭痛か?
P:Pattern change = いつもと違う頭痛か?(重要)

 二次性頭痛の原因として見逃しがちなのは眼科疾患です。例えば緑内障発作は目が充血し、痛みが強く、最悪失明します。ぶどう膜炎も目の痛みやキラキラするものが見えたり、まぶしく感じたりし、炎症が進行すると最悪失明します。このように目の疾患でも頭痛と錯覚する痛みが起こりますし、無治療で視力低下や失明をきたすことがありますので、可能であれば眼科を受診してください。

2.一次性頭痛について


では一次性頭痛について解説します。上でも述べたように一次性頭痛とは脳の神経伝達物質の異常や脳神経・血管の異常により生じる頭痛です。血液検査や画像検査で異常が見つかりません。

一次性頭痛の代表は3つあります。

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