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涙なしには読めない。人生を救う、タテヨミBL「変スト」

タテヨミ漫画アプリcomicoで連載されているBL漫画「変態ストーカーに狙われてます」略して「変スト」が大好きです。

この漫画は私の運命の作品でして……中高生の時に一度BLにハマったものの、その後は学生演劇や社畜などをしており。現在(アラサー)に至るまですっかりBLとは遠ざかっていた私を、商業BL沼に引きずり込んだ作品です。その魅力を少しでも多くの方に知ってもらいたくて、この記事を書きました。

ストーカーものはちょっと……というあなたへ

とはいえ、ストーカーものはなあ……という方。分かります。実は私はこの作品の前からいくつかcomicoでBL漫画を読んでいたのですが、「変スト」だけはタイトル避けしていました。ストーカーって犯罪じゃないですか。犯罪を最終的に純愛に結びつけるのは無理でしょうと。

しかし、実際読んでみたら。
攻めの天音は確かにはじめはストーカーなのですが、受けの竜胆の前に姿を表したのは「竜胆を守るため」であり「他に手段がなかったから」なんですよね。昔、偶然にも竜胆に救われた過去を持つ天音は、陰ながら竜胆の幸せを見守っていたのですが、止むに止まれぬ事情から竜胆にストーカーとして接近することになる。私は読み進めてこの事実がわかった時に、一歩目の沼に落ちました。
本編は12話のみ。全て無料で読めるので、読んでみてほしいです。
ストーカーしているのは、主にはじめの少しの間だけです!


変ストとは「救済の物語」である

本編は12話のみ、と書いたのですが。現在は続編(?)を連載中でこの記事の執筆時点で105話まであります。
続編では、恋人となった天音と竜胆の人生が描かれ、すっかり「変態ストーカーに狙われています」ではなく「変態ストーカーに愛されています」状態に。

私は、この続編のテーマは「救済」だと思っています。
攻めの天音は、壮絶な過去から「竜胆に出会うまで、幸せだと感じたことがなかった」と話すほど苦痛の多い人生を歩んできたキャラです。
そんな天音が出会った竜胆は、明るくて愛情深くて、光に満ち溢れた存在。
光と陰のような2人だからこそ、うまくいくときもあれば、うまくいかないこともある。

竜胆がもともと女性のみを性対象とするノンケだったこともあり、天音は常々「俺が竜胆の人生の邪魔をしているのではないか」「いつか竜胆は運命の女の子と出会い結ばれるのではないか」と不安を抱えています。竜胆は、そんな天音の手を引き「俺のことも自分のことも信じろ」「ずっと一緒にいる」と一歩ずつ光の方へ導いてくれます。

つまり、「変スト」は天音が辛い環境の中で見つけた一筋の光である竜胆を追いかけ、守って、竜胆の大きな愛で闇から抜け出す。そんな話なんです。

なるべくネタバレを避けて書いていますので、抽象的な表現になってしまいました。天音の過去と感情が明らかになる30〜34話は何度読んでも涙なしには読めません。先ほど本編(12話)だけでも読んでほしいと書きましたが、欲を言えばここまでは読んでほしい

この作品、何と言っても辛い過去を持つ天音に対する、光属性・竜胆の寄り添い方がすごい。もしかして天使なのかな、それとも天音限定セラピストなのかな、っていつも思います。
光属性のキャラに闇属性のキャラが救われる話はBLに限らず古今東西たくさんありますが、竜胆みたいなキャラはちょっと見たことがないんです。
男前で、愛情が深くて、とことんどこまでも付き合ってくれる。強引に引っ張るタイプではなく、本当に一歩ずつ一歩ずつ寄り添って天音を闇から光の方へ導いていく。その過程を丁寧に描くストーリーは、読める心のお薬です。

誰しも過去の傷って少しはあると思うのですが、天音を過去の闇から明るい場所へ導く竜胆を見ていると、丸ごとこちらの人生まで救われた気持ちになる。そんな作品です。(闇パートが辛くても、絶対救われてその倍以上の幸せを得られるから諦めないで…!)

甘々シーンも盛りだくさん! 日常は糖分高めです

「救済」についてばかり書いてしまいましたが、日常パートもたくさんあります! えっちなシーンはとってもえっちです。いちゃラブしているところもたくさんあります。そしてコメディシーンはとびきり明るくて面白いです!

変ストのいいところは、ストーリーは重ためですが、2人の愛情は絶対に揺らがないところ。
2人がくっついた後は、どんな困難があれど「天音は竜胆が世界で一番好き」「竜胆は天音が世界で一番好き」の法則が崩れることが全くないので、日常シーンを思いっきり楽しむことができます
デートしたり、旅行に行ったり、二人で夜道を歩いたり……最高すぎる、一生やっていてくれ。

気がついたら、2人の人生を応援していた

「救済」について書いたターンで、天音の人生が竜胆によって救われていくという話を書きました。が、天音だけでなく、竜胆もまた、天音と過ごすことで一歩ずつ大人になっています。

フリーターで女運は悪く元カノ全員何か難あり、というふらふらした若者だった竜胆は、天音と出会って対等な関係であるために就職し、手に職をつけていきます。
一方の天音も、苦手な人付き合いを克服するために竜胆の友人と会ったり、竜胆の家族に認めてもらえるような人間を目指して努力したりと、前向きに進んでいきます。

2人の前には度々困難が立ちはだかりますが、天音も竜胆も「大好きな人のために、人生をより良いものにしたい」というピュアで強い考えが根底にあって、日々成長していきます。

そんな姿が美しくて健気で、気がついたら2人の人生を応援せずにはいられなくなっている。2人の人生がこれから幸せで溢れるように祈らずにはいられなくなっている。

そんな魅力を持った作品です。気になった方は、是非読んでみてください。

さらなるご紹介はこちら

変スト沼仲間のたなかさんが、変ストの紹介漫画を描いています。
こちらは「イラストの美麗さ」「タテヨミの良さ」が分かる内容、かつ「「「圧」」」を感じる仕上がりになってます!

勢いがあってついつい変ストを読みたくなる!
そんな紹介漫画も合わせて見てみてください❤︎

また、comicoってアプリ? 読み方がわからないんだけど? という方に向けて。こちらも変スト沼仲間のくらもちさんが、読み方をまとめています。

特に、色っぽいシーンを隅々まで見たい方には欠かせない「web版」の説明は重要ですね❤︎

ぜひ、多くの方が読んで、連載が末長く続きますように。
欲を言えば、書籍化されますように。

天音と竜胆が、いつまでも幸せでありますように。


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