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マイノリティーとマジョリティーのはざまで・・・

ジェンダーについての議論が盛んです。

でも、盛り上がっているのは、主にマイノリティーに関するテーマですね。

もちろん、とても大切なテーマです。

そして、主にマジョリティーの立場からいろいろな反論があります。

今朝の新聞には韓国の政界の模様が取り上げられていましたが、よくある構図なのかもしれません。



一方で、ジェンダーとはグラデーションです。

生まれてこの方、何十年に渡って疑問にも思ったことがない人が、ある年齢になって揺らぎが生じたりするのがジェンダーです。

グラデーションですから、その揺らぎは強い人もあれば弱い人もあり、あっという間にもとに戻る人もいれば、そのままジェンダー意識が変わっていく人もいます。

でも、おかしいとは思いませんか?



今の日本では、マジョリティーの人がたくさんいるのはそうとして、一部のマイノリティーの人がいることが認められつつありますが、その間には人間は存在しないことになっています。

あくまでマジョリティーはマジョリティー、マイノリティーはマイノリティー。

あたかもそれは固定化された“人種”の違いのように扱われていて、変化したり揺らいだりするとも思われていません。

ジェンダーとはそもそも揺らぎがあるものなのに、おかしくはありませんか?



先日ある人と意見交換していて、似たような境遇で問題意識を共有できるところが多かったので、この点についてとても話が盛り上がりました。

今の時代、一番必要なのは、マイノリティーとマジョリティーのはざまで揺らぐ人たちの存在を認め、社会における位置づけを見定めていくことではないでしょうか。



そもそも人間には男性と女性しか存在せず、それは完全に固定化され、生物学的な違いだけでなく、社会的な位置づけとしてもまったく異質な二つとして存在していると認識された時代。

それが、一部の例外としてマイノリティーの人たちの存在が認識されるようになり、またまだ不十分とはいえ社会的な評価や位置づけが行われようという時代へ。



でも、今はまだこの段階です。

世の中には、あくまでマジョリティーとマイノリティーしかいない。

本当にそうなのでしょうか?



日本人は異なる民族と融合した歴史的経験に乏しいから、ともすれば多様な個性を認め合うことが苦手なのかもしれません。

世界では、ジェンダーは必ずしも二つではないという見解が徐々に認識されつつあります。

それが正しいとか間違っているという評価はともかく、現実としてアトムのようにさまざまなジェンダー意識が浮遊し拡散しつつあります。

マイノリティーとマジョリティーのはざまで彷徨う人間がいると、世の中的には都合が悪いのでしょうか?



私は、必ずしもそうは思いません。

経済的な生産性が落ちるとか、家族のあり方が変容するとか、個人と向き合うのが難しくなると危惧する向きもあるでしょう。

でも、メリットもとても大きいと思います。

それが、人間としてのありのままの自然な状態なのですから。



単純に、ジェンダー意識と恋愛対象をストレートに結びつけて、多様性を認めると少子化に拍車がかかると懸念する人がいますが、やや飛躍した議論だと思います。

男の要素を濃厚に持っている女性が男性と仲睦まじく子宝に恵まれて幸せな家庭を築くこともありますし、女の要素を濃厚に持っている男性が女性と恋におちて家庭的な夫として子育てに奮起するような例も少なくもありません。

もちろん、それとは逆のケースもあるでしょうが、だからといって男は男の要素以外は持ってはいけない、女は女の要素以外は持ってはいけないというのでは、まさに人間の個性が社会によって不自然に抑圧されることになるでしょう。



揺らぎを恐れず、揺らぎと向き合い、揺らぎを認め合うこと。

これが、これからの時代のジェンダーとの向き合い方なのではないでしょうか?

男性だから、可愛いものに興味を持ったり、メイクをしてはいけない。

女性だから、権力や地位を目指したり、男性を凌いではいけない。

こんな旧態依然たる価値観の方が、まったく個性を認めていないだけでなく、そもそもコンプライアンスにすら抵触するといえるでしょう。



この前にいろいろお話した人とは、この揺らぎについて実践し、研究し、いずれは体系的な内容を世に発表したいという考えで一致しました。

そのための方法や道のりにはさまざまなものがあると思いますが、まずは出会いやご縁を大切にしながら、一歩一歩進んでいきたいと思います。

マイノリティーとマジョリティーのはざまで・・・



実際に、日々揺らぎを体感している人間だからこそ、できることがあるのではないかと思います。

少しアカデミックな活動について、将来ご一緒できそうな方とのさらなるご縁を楽しみにしています。

学生時代に初めて時事についてコラムを書き、現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの視点から、週一ペースで気軽に執筆しています。キャリコンやライターとしても活動中。よろしければサポートをお願いします。