文法に基づく読解

先日、zoomで授業をしていたら、Wi-Fiの電波状況が悪くて、最後落ちてしまった。
仕方ないので、説明しきれなかった部分をiPadで録画し、YouTubeにアップしてみたら、意外にコンパクトに要所の説明がなされていて面白かったので、noteに上げてみることにした。

教材にした文章は、木下順二の『ききみみずきん』である。一文が意外に長く、複文の構造を持っている場合が多くて、これを読み取れるかどうかで、小学校中学年程度の読解力か、低学年のそれかがテストされる印象を持っている。その、ずっと勉強してきた、最後の場面。

https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b269532.html

主語は「がはも」

「がはも」という主語の教え方を自分はしている。記号的で、子どもでも見間違えにくい。
これが、読解の謂わば「背骨」。
〜が
〜は
〜も
は、「今は、この事柄について取り上げて述べている」という印なのだ。
そして、その続きから、その取り上げた内容が何だというのか、の説明が始まる。
例えば…
「1足す1は」と言えば、「1足す1」が取り上げた話題でなのであり、「2」という直後に続く言葉が、その答えなわけだ。
この
取り上げた、問い。話題。主題。(日本語の主語、がはもで終わる文節)

以下、答え(但し、次の話題に移行していないか、常にチェックする事)
というグルーヴを、自然に辿ることを覚えたら、その子は読解力の大まかな土台が出来た、と言ってよい。
今回は、一歩深めて、その説明のラストが直接主語と対応している、という説明をした。

連用修飾と連体修飾(格助詞と活用語尾)を無意識に使いこなせるように

次に、自分が生徒を訓練するのは、(今回の動画ではすらすら進めてしまっているが)連用修飾と連体修飾の話(格助詞と活用語尾)である。
〜を→どうする
〜に→どうする
〜で→どうする
〜く→どうする
〜の→何
〜い→何
〜な→何
この辺りを、日常的にしつこくしつこく訓練しておくと、今回のような長い複文構成の一文にスムーズに取り組める。

接続助詞の意味を教える

今回の肝は「と言うと」の、後ろの方の「と」。接続助詞。
一文の前半と後半を繋ぐ、大事な役目。
高学年になった時、説明的文章の読み取りで接続助詞の意味を過たない事は、とても重要。
自分は、この「と」を「〜をした時」と、表現している。条件とか、前提とかいう言い方より、この方が子どもには分かりやすい。
それをした時、どうなったか?
あと、今回はあまり触れてないけれど「〜て」も大事。
外に出て→遊ぶ
帰って→寝る
コンビニで買って→食べる
のように、
(まずこれをやっ)て→(次にこれをやる)
という流れを、無意識にやれるくらい練習させる。
自分は、こんな風に文意の正確な掴み方を教えている。要は、ほとんど助詞の話。
助詞こそ、日本語のナビなのだ。

この日の板書です。

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