Tableau×公開データ No.3 【宅配便取扱個数と国内貨物輸送量】
データは真実を表す?
基本的に正しく集計していれば、データは常に真実を表しています。そういった意味で、データは相手を説得する上で最強の武器だと思います。しかしそのデータを人間が見るとき、思い込みや先入観によって誤った結論を導き出すことがあるので注意しなければいけません。
今回は物流に関するデータを使って、そんな誤解を与える一例を見ていきたいと思います。
宅配便取扱数
皆さんはヤマト運輸が法人顧客に対して一斉値上げを行ったヤマトショック(2017年3月)を覚えているでしょうか?
それからしばらく、ニュースや雑誌では「物流クライシス」、「物流爆発」といったショッキングなタイトルで、アマゾンに代表されるECの台頭による荷物量の増加、トラックドライバー不足などが話題になっていました。
実際のところどれくらい荷物量が増えていたのか、国土交通省が公開している宅配便取扱個数のデータで見てみましょう。
ヤマトショックのあった2017年の宅配便総取扱個数は対1990年で約4倍になっていることがわかります。確かにすごい増加量です。
当時の雑誌などでこういったデータを見て、”物流業界全体”で荷物量が増えていると思った人が多いのではないでしょうか?私もその一人です。
国内貨物輸送量
もう一つデータを見てみましょう。こちらは国内の貨物輸送量の推移を示したデータです。
先ほどの宅配便数のデータと異なり、1997年の輸送量は対1990年比で約74%です。つまり、宅配便の数は増加している一方で、企業間物流などを含めた国内貨物量全体としては減少傾向なのです。
1つ目の宅配便取扱個数のグラフを使って、「物流業界全体で荷物量が増えている」なんて説明してしまうと、誤った理解を与えてしまいます。それどころか、何より物流業界に詳しい人からは何もわかっていないと思われてしまうでしょう。
まとめ
今回は物流業界のデータを使って、データを元に誤った結論を導いてしまう危険性についてご紹介してみました。いかがでしたでしょうか?データを使って説明をする際は、それが説明する内容を正しく表しているのか、十分に確認してから使っていきたいものです。
データソースとTableau Publicへのリンク
データソースへは下記リンクから。
また、Tableau Publicのグラフへのリンクは下記です。
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