ドイツのライプツィヒ生まれの画家マックス・ベックマン
本日は、ドイツ、ライプツィヒ生まれの画家マックス・ベックマン(Max Beckmann, 1884年2月12日 - 1950年12月28日)の誕生日ですので、ご紹介いたします。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、次のように記載されています。
マックス・ベックマン
ベックマンはドイツ表現主義、新即物主義の画家。1884年2月12日ライプツィヒに生まれる。第一次世界大戦に衛生兵として従軍。その体験から、アカデミックな描写によるスタイルを、歪められた形と空間によるスタイルへと変化させる。生涯を通じて自画像を多く描いた画家としても知られる。第二次世界大戦中にはナチスから退廃芸術家とみなされ弾圧を受ける。戦後アメリカに移住。1950年12月28日心筋梗塞によりマンハッタンで死去。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、「表現主義」、「ドイツ表現主義」および「新即物主義」について、次のように記載されています。
表現主義
様々な芸術分野(絵画、文学、映像、建築など)において、一般に、感情を作品中に反映させて表現する傾向のことを指す。狭い意味の表現主義は、20世紀初頭にドイツにおいて生まれた芸術運動であるドイツ表現主義(またはドイツ表現派)および、その影響を受けて様々に発展した20世紀以降の芸術家やその作品について使われる。これには、抽象表現主義などが含まれる。
なお、日本語に翻訳してしまうとわからなくなってしまうが、英語では、「表現主義」(英: Expressionism)の語は「印象主義」(英: Impressionism)の語と語形の上でも対立している。
ドイツ表現主義
ドイツ表現主義(英: German Expressionism)は、ドイツにおいて第一次世界大戦前に始まり1920年代に最盛となった芸術運動で、客観的表現を排して内面の主観的な表現に主眼をおくことを特徴とした。建築、舞踊、絵画、彫刻、映画、音楽など各分野で流行し、「黄金の20年代」と呼ばれたベルリンを中心に花開いた。日本を含む世界各地の前衛芸術に影響を与え、現代芸術の先駆となった。
ドイツ表現主義は、20世紀初頭にドイツで起こった一大芸術運動である。この感情表現を中心とする手法は、当時、他のヨーロッパの国々で盛んであった印象派(物事の外面的な特徴を描写する)とは対極に位置する。表現主義は、第一次世界大戦後すぐに、他の運動へと受け継がれていった。例えば、構成主義、新即物主義、そして後の抽象表現主義、超写実主義である。
ドイツ表現主義の作品において、よく扱われるテーマは、生活の矛盾(性的なもの、家族間のものなど)から、革命、戦争、社会の矛盾など、いわば既存の秩序や市民生活に対する反逆を目指したものが多い。ドイツ表現主義においては、伝統的な芸術の様式は破壊され、また自然主義とは正反対の立場をとる。表現主義者は、ニーチェに思想的な影響を受けているとされる。
ドイツ表現主義の画家
ドイツ表現主義の画家には、
マリアンネ・フォン・ヴェレフキン (Marianne von Werefkin, 1860 - 1938)(青)(en, de)
ワシリー・カンディンスキー (Wassily Kandinsky, 1866 - 1944)(青)
ハインリヒ・カンペンドンク (Heinrich Campendonk, 1889 - 1957)(ラ)(de)
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー (Ernst Ludwig Kirchner, 1880 - 1938)(ブ) - 彫塑作品でも知られる
ジョージ・グロス (George Grosz, 1893 - 1959)
オスカー・ココシュカ (Oskar Kokoschka, 1886 - 1980) - 著作もある
カール・シュミット=ロットルフ (Karl Schmidt-Rottluff, 1884-1976)(ブ)
エゴン・シーレ (Egon Schiele, 1890 - 1918)
オットー・ディクス (Otto Dix, 1891 - 1969) (de) - 後にノイエ・ザッハリッヒカイトへ
エミール・ノルデ (Emil Nolde, 1867 - 1956)(北)
リオネル・ファイニンガー (Lyonel Feininger, 1871 - 1956) - 風刺画家としても知られる
コンラート・フェリクスミュラー (Conrad Felixmüller, 1897 - 1977) (de) - 後に新即物主義へ
マックス・ベックマン (Max Beckmann, 1884 - 1950)
エーリッヒ・ヘッケル (Erich Heckel, 1883 - 1970) (ブ) (de)
マックス・ペヒシュタイン (Max Pechstein, 1881 - 1955)(ブ)
ルートヴィッヒ・マイトナー (Ludwig Meidner, 1884 - 1966) (de) - 詩人としても知られる
アウグスト・マッケ (August Macke, 1887 - 1914)(ラ)(de)
フランツ・マルク (Franz Marc, 1880 - 1916)(青)
ガブリエーレ・ミュンター (Gabriele Münter, 1877 - 1962)(青)
オットー・ミュラー (Otto Mueller, 1874 - 1930)(ブ)
パウラ・モーダーゾーン=ベッカー (Paula Modersohn-Becker, 1876 - 1907)(北)
ヴィルヘルム・モルグナー (Wilhelm Morgner, 1891 - 1917)(ラ)(de)
アレクセイ・フォン・ヤウレンスキー (Alexej von Jawlensky, 1864 - 1941)(青)
クリスティアン・ロールフス (Christian Rohlfs, 1849 - 1938)(北)
がいる。(青:「青騎士」に所属、ブ:「ブリュッケ」に所属、北:北ドイツ表現派、ラ:ライン地方 表現派)
また、主な活動の場がドイツ以外であり、ドイツ表現主義には含められていないが、同時代、表現主義の画家として知られているのは、
ハイム・スーチン (Chaim Soutine, 1894 - 1944) - パリで活躍
エドヴァルド・ムンク (Edvard Munch, 1863 - 1944) - ノルウェー中心
などである。
新即物主義
新即物主義(しんそくぶつしゅぎ、英: New Objectivity)は、ノイエザッハリヒカイト(独: Neue Sachlichkeit)とも呼ばれ、第一次世界大戦後に勃興した美術運動である。1910年代の個人の内面と探求の表現を目指した、主観的ともいえる表現主義に反する態度を取り、社会の中の無名性や匿名性として存在している人間に対し冷徹な視線を注ぎ、即物的に表現する。1925年、マンハイム市立美術館で開催された展覧会『ノイエザッハリヒカイト(新即物主義)』が始まり。その過酷なまでの人物描写は魔術的リアリスムという言葉を生んだ。後に音楽分野にも波及したが、ナチスの台頭とともに退廃芸術として迫害を受け収束する。
作品
以下のような作品が知られています。
自画像(1905)、シュテーデル、フランクフルト・アム・マイン
海沿いの若者(1905)、ニューミュージアムワイマール
自画像フィレンツェ(1907)、ハンブルク美術館
マックス・ベックマンとミンナ・ベックマン・チューブ(1909)の二重肖像画、モリッツバーグ美術館
バイオレットショールとミンクの肖像(1910年)、セントルイス美術館
タイタニック号の沈没(1912/1913)、セントルイス美術館
赤いスカーフの自画像(1917年)、州立美術館シュトゥットガルト
キリストと罪人(1917年)、セントルイス美術館
夜(1918/1919)、ノルトラインヴェストファーレン芸術コレクション、デュッセルドルフ
ピエロとしての自画像(1921年)、フォン・デア・ハイト美術館、ヴッパータール
Eiserne Steg(1922)、ノルトラインヴェストファーレンアートコレクション、デュッセルドルフ
カーニバル(ピエレットとピエロ)(1925)、マンハイム美術館
マックスベックマンとクアッピ。カーニバル(1925)、クンストパラスト美術館、デュッセルドルフ
トルコリーグの静物(1926年)
タキシードの自画像(1927年)、ブッシュ・ライジンガー美術館、ケンブリッジ
魚の旅(1934)、州立美術館シュトゥットガルト
風景、カンヌ(1934)、サンフランシスコ近代美術館
ガラス玉のある自画像(1936年)
岸壁(1936年)、シュテーデル、フランクフルト・アム・マイン
アパッチダンス(1938)、ブレーメン美術館
海の月の夜(1938)
バカラ(1947年)、ネルソン・アトキンス美術館、カンザスシティ
舞台裏(1950)、シュテーデル、フランクフルト・アム・マイン
鳥の地獄(1937/38)
シャンパングラスの自画像(1919年)
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