おやゆびの使者
くるしいと吐露するきみへ わたしもと伝える指は ハートを染める
くるしいととろするきみへ わたしもとつたえるゆびは ハートをそめる
亜希
体調が悪いとナーヴァスになってしまうのか眠れないことがある。
深夜に誰かと話したくなるが、さっき寝たばかりの家族を起こすわけにもいかず、指でスマートフォンのボタンを探りnoteを開く。
いいなと思うnoterさんのアイコン。
頁に綴られた嘘のない言葉に触れて安堵する。
読み進めてゆくと、心の内が吐露された文章に射抜かれる。
「なにを解ったことを?」といわれたら、
何も理解していないかも知れない。
それでも、なにかを強く感じたいと欲する。
利己的で自分にとって都合のいい解釈、エゴかもしれないが、勝手に親近感を感じて眠りに落ちる。
空白ののち、朝にハッとする。
iPhoneは、掌で絶妙に均衡を保っている。
訳の分からない文字列でコメントボタンを押していないことを確かめて一安心。
啓蟄を過ぎて、暑苦しくなってきた羽毛布団に、未だ、グズグズとして包まっていたい。
つぶやき、どなたかのおうちの猫ちゃん、
芽吹いた木々、満開の桜に、あなたがもう食べたであろうドーナツへ
「おはよう」とハートを押す。
私の押した赤くはじけるモノが、いったい何になるかわからない。
けれど、押してしまうのも事実なんだ。
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