【短歌】金曜日と土曜日の食べ物

麻婆で激務凌いだ金曜とパンケーキ焼く寝グセの土曜

マーボーでげきむしのいだきんようとパンケーキやくねグセのどよう

「なぜだろう・・・」曜日で食べたくなるものがある。
月曜日は焼き魚、火曜日は唐揚げ、水曜日はパスタ・・・といった具合になんとなく食べたくなる。

酷暑やぐずついた気持ちをリセットしたい時は豆板醤と花山椒のきいた真っ赤な麻婆豆腐が食べたくなる。麻婆豆腐には木綿がいい。あのごつっとした見た目を大きめに切り、豚ひき肉と生姜、にんにく、葱を炒めて・・・鍋一杯の麻婆豆腐をごはんにのせて無我夢中で食べ終わると胃がスーッとする。実際に汗をかき、血行がよくなるのだろう。風が抜けてゆくようだ。

金曜日が終わると土曜日が遅い時間におはようとやってくる。
そういう朝にはきいろくてふわふわのものが食べたくなってプレーンオムレツやパンケーキを焼いている。

激務の金曜日を過ごした夫は、土曜日は気の抜けたヒヨコになっている。
三枚の重なったパンケーキに寝グセのままバターを乗せている。それが溶けだして黄金色の液体になってキラキラ輝いているのを見るのはなんてしあわせなんだろうと思う。
カロリーも気にせずに夫はパクパク食べている。私はバターはきっと虎だったんじゃないかなってなんかいくらいグルグルしたのかなっていつも思いながら、たっぷりとしみこんだひとかけらを口に運んだ。