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Naked/原作 ゴールデン・フェイク

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『note空想映画劇場ゴールデン・フェイク』からのスピンオフマガジン。主に『ゴールデン・フェイク』で紹介した〝映画〟の〝原作〟を公開します。各章、月1~2回ほど更新予定。こちらは…
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固定された記事

第三章 予告

#私の作品紹介 頑張ってきたから何だというのだ。 積み上げてきたものが何だというのだ。 甘…

高橋陽
5か月前
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第八章 予告

あなたと私は違う。 性別的にも、生物学的にも 主義や主張も、出自もまた 生まれや、育ちも 選…

高橋陽
3週間前
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【原作】#7 置かれた場所で咲く花は 第七章 増殖

前回までのお話 ↓  病院で赤ちゃんが泣いている。  東欧の紛争地域のとある地区。ホール…

高橋陽
4週間前
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第七章 予告

理不尽を基調とするホールディングスの支配。 それは混乱から怒りへ、怒りはそして畏怖に変化…

高橋陽
2か月前
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【原作】#6 置かれた場所で咲く花は 第六章 劇場

前の章 ↓  少々時は遡る……。  シネマファクトリー・Kはスクリーンレンタルを承ってお…

高橋陽
2か月前
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第六章 予告

人の織り成す全てのものは表現で、エンタテイメントである。それが、内に向かうのか、外へ向か…

高橋陽
3か月前
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【原作】#5 置かれた場所で咲く花は 第五章 ダイスを転がせ。イカサマの

前の章 ↓  タイミングが重要だ。  その時が来るまで、堪えて待て。  パティは己に言い聞かす。お楽しみはヤツらではなく、私の方だ。だから待て。  口の中に排泄物より不浄な男の肉暴がねじり込まれた。舌にざらつく陰毛と生温かさに吐き気を催すが必死に耐える。泣いているふりをして、薄めで辺りを探る。集められている女の数。それに跨る兵士の数。見張り役は何人だ? 順番待ちをしているヤツは? そして目の前の男の恰好は?  決断しろ。  そう思うと同時に。パティはぶち込まれた男の一物を噛

第五章 予告

交渉。それは両者の妥協のすり合わせ、では決してない。 互いが互いを喰うための、利用すべき…

高橋陽
4か月前
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【原作】#4 置かれた場所で咲く花は 第四章 監獄ロック

「で、おじさんなの? おじいちゃんなの?」  K警察署、取調室。目の前の男はその軽薄な口…

高橋陽
4か月前
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第四章 予告

#私の作品紹介 厄災から逃れるべく飛び込んだ〝箱〟はパンドラのそれではなかった。 そこは新…

高橋陽
5か月前
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【原作】#3 置かれた場所で咲く花は 第三章 ヘイ・ユウ・ブルース

前の章 ↓  早く眠りたかった。身体がだるくてしようがない。  夜の時計は十一時。歳を喰…

高橋陽
5か月前
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【原作】#2 置かれた場所で咲く花は 第二章 堕ちた笑み

前の章 ↓  乗客のみなさん、機長のアルフレッド・ケンダーです。当機ロンドン行PL四五〇…

高橋陽
6か月前
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第二章 予告

ただみんなと一緒にいたかった。ただみんなと楽しい時間を過ごしたかった。ただこの場所を、仲…

高橋陽
6か月前
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【原作】#1 置かれた場所で咲く花は 第一章 来るべき世界

 とうとうこの日が来てしまったか。日下部啓一はため息をついた。  緑茶のペットボトルが棚から取り出せない。何度もつかもうとしても、手のひらはその冷感を捉えられないのだ。こぶしがボトルの中で握られている——。  立体映像。台座のようなものからホログラフが浮き出ている。カゴに入れるためには、下部の台座を掴まなくてはならない。それをシンクのようなセルフレジにセットして、購入手続きを終えると、台座と交換する形で本物の商品が出てくる仕組みだ。万引きなどの盗難被害を防ぐためと、人員削減