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歩くことは人間の本質 「昔の日本人の歩き方」で足腰の痛みを改善した二人の女性の事例

明初庵(あけそあん)は新潟市で訪問整体や健康講演などを行う治療家です。

理学療法士の資格を持っていますが、物理学の修士号も持っているちょっと珍しい治療家です。

このブログでは、

治療活動で感じたこと
皆さんに役立つと思うこと

を書いたり話したりしています



歩き方を見るだけでわかる足腰の悩みとその解決法


歩くことは、人間の最も自然な運動である。
歩くことは、心身の健康にも有益である。
歩くことは、思考の活性化にも効果的である
ヒポクラテス


訪問治療家として、足腰の悩みを持つ人たちに出会うことがよくあります
そこで、困った表情で
「どうすればいいんでしょうかねぇ?」
と相談されることがあります

相談されることは本当に名誉なことです

しかし、患者さんでもなければ顧客でもない人たちに、
どうやってアドバイスをするのか?
しっかりとした治療時間がとれるわけではありませんからね
それが私の頭を悩ませていました。

かつて理学療法士として、
脳卒中の方に歩いてもらうために、
いろいろな勉強や試行錯誤をしてきました。

その中で、ふと思ったのです。

「歩くとは一体何なんだろう?」

明初庵の思考のクセですね。
本質が何なのかが知りたくなってしまうのです

そもそも歩くことは、人間の本質的な行為です

歩くことは、その人の個性や性格を表します。

歩くことは、その人の健康状態や生活習慣をも反映します。

そこで最近は
足腰の悩みを持つ人たちに、
ひとつだけお願いしています。

それは、

歩き方を見せてもらう

ことです。

驚かれるかもしれませんが、これが意外と効果的なんですよ。
歩き方を見るだけで、どこが原因でどこが問題なのかがわかりやすくなります。
そして、その人に合ったマッサージや運動のアドバイスが効果的にできるようになります。

今回はそんな事例をいくつかご紹介したいと思います

そうそう
よくこういう質問を聞くことがあります

「歩くとき、どんなことを気をつけると良いですか?」

というものです

残念ながら
意識をして歩き方を変えることは困難なことなのです
脳科学的にも、本質的な歩行の変化は意識してもできないのです
(意識する脳の場所と、歩行の指令を出す場所が全然違う場所だからです)

もちろん、短時間であれば意識して変えることはできますが
「あら、いい男ね」
と思った瞬間、もうリセットされちゃうんですよね(笑)

この問題は語りだすときりがないのでここまでにしますね

2人の女性へ行ったアドヴァイス


歩くことは、人間の最も美しい行為である。
歩くことは、姿勢や動作に優雅さを与えることである。
歩くことは、魅力や魂を表現することである
ココ・シャネル


ウォーキングを始めたら足首や腰が痛くなった女性

「健康のためにウォーキングを始めたんですが…最近足首が痛いんですよね。もともと腰痛もあったんですが、そっちもひどくなったみたいで…」
という40歳代女性

普段の歩き方ではなく、ウォーキングの時の歩き方を見せてもらいました
なるほど、すごく「正しいフォーム」でした
腕をぐっと曲げて、足は大股で、踵から着地して、足指で蹴りだす!
なるべく大股になるように、体幹は大きくねじりながら!

このフォームが悪いわけではないのですが・・・
問題はこれで
「痛みが生じている」
ということ

いろいろなご意見があると思いますが
明初庵は
「痛みが出ているならやめてはいかがですか?」
と思っています。
なぜなら、痛みとはそのためにある大事な感覚なのですから。

その女性には、まずそのフォームを頑張ることをやめて

  • もっとゆったりとした「散歩」にしたらどうでしょうか?(実は消費カロリーはウォーキングと散歩では大差ないのです)

  • 腕は自由に。

  • 靴もウォーキング用のものではなく、履きなれた靴底の薄いスニーカーへ。

  • 踵からつくこと、足指で蹴ることは意識しないで。足全体がペタペタ同時に着くように。当然大股ではなくなり小股でOK

というアドヴァイスをしました。
消費カロリーに違いありませんよ、にビックリされていました(笑)
それで経過を見ることを提案しました
その後については後述します



ランニングでふくらはぎが攣る女性

「毎日20㎞くらい走っています。もう趣味ですね。走らないと気持ち悪いくらい。ただ最近ふくらはぎが攣(つ)って・・・いったいんですよね」
という30歳代女性。全身が引き締まった筋肉質。

摂取しているミネラルや水分量には問題が無いと思われました

歩き方は、やや胴体が前傾。
ずんずんと脚の筋肉で前に進んでいく感じ
ただ、使っている筋肉は
体幹などの体の中心よりも
足首など端っこの筋肉が中心である印象

本当は走り方も見たかったのですが、その相談を受けた環境的にできず

でもその歩き方である程度推測することができました

ただ、毎日20㎞ランニングされる方に
走り方・歩き方を修正しようとしても・・・
すでにしっかり身についたフォームを変更するのは
普通のランナーならば嫌なはず

そこで行ったアドヴァイスは

  • 鼻緒のある履物を生活の中に取り入れる

  • ランニング前の準備体操の中に足踏みを取り入れる

  • 自宅の中で歩くときは、バスタオルなどを腰巻きのようにして、小股で歩くようにする

はっきりいって、キョトンとされていました(笑)

もちろん、「じっくり説明する時間はないので、取り入れられるところからで」と
無理強いはしませんでした
1か月後に再開しましたが、その時のことは後ほど


昔の日本人の歩き方を真似して高龍神社階段克服!


歩くことは、人間の最も勇敢な行為である。
歩くことは、恐れや不安に立ち向かうことである。
歩くことは、夢や目標に近づくことである。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア



明初庵も、以前は歩くとすぐに疲れ
ましてや走るなんて

「そうそう、ランニングって健康にいいんですよねぇ~
(でもしたくない!)」

という一般的な中年男性でした。

少しローカルな例ですが新潟県にあるいくつかの有名なパワースポットの1つ

「高龍神社」

ここには、大変急な長い階段があるのです

新潟観光ナビ様より 階段のほんの一部

かつては
ひいひい
はあはあ
登っていましたね(笑)

でも、歩行についてある勉強を重ね

得た情報を当然、自分自身の体で検証

最初は
「かえって歩きづらいなぁ」
と思っていましたが

そのうち
疲れにくくなった(!)
ことを実感し

走ることも楽になり

そしてある年
高龍神社の階段を
ノンストップで一気に登っても
「ふぅっ」
くらいの呼吸でOK!
という激変(大げさ)を遂げたのであります!(笑)

一体何をしたのか?

それは

「昔の日本人の歩き方を真似をする」

ことから始めたのです

「昔の日本人の歩き方」とは

  • 腕はだらんとして、あえて降らない

  • どうしても、腕が動くときは、出す足と同じ側の腕を少し出すようにする(右足を前に出すときは、右腕を少し前へ振る)

  • 大股で歩かない

  • 踵で着地したり、足指で蹴りだすことはせず、足はただペタと全体がつくようにする

  • 季節が許す限り、鼻緒のついた雪駄などで歩くようにする

  • 走るときは、この歩きと同じ原理で行う


もちろん実証されていない情報もありますが
(実際に歩いているところを見たことがある人はいませんから、全て実証したとは言いずらいところではありますがね)
そこも含めて自分の体で検証をしてきました。


本当に江戸時代の人たちはスゴイです

草鞋を履いて着物を着て腕は帯や懐の落ち着く場所へ

そして、1日にとんどもない距離を歩く

いやスゴイ・・・
真似しない手は無いですよね

そもそも足首を使った歩行って理にかなっている?

この頃の浮世絵を見ると、日本人のふくらはぎの筋肉が全然発達していないように見えます
ひょっとしたら、足首なんて全然使っていなかったのかもしれませんね

よくみたら「ほっそい」おみあし

当時は鼻緒を掴んだ
つま先から着地
をしていたという情報もあるくらいです
(私はそこまでしませんが)

さて、そんな経験から
自分の体にも
相談された方にも
良い影響が出てきたのです。

そして、2人の女性はどうなったのか?


歩くことは、人間の最も幸せな行為である。
歩くことは、自然や人とのつながりを感じることである。
歩くことは、心の平安や喜びを得ることである
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー



結果はどうなったのか?
ご紹介します。

ウォーキングを始めたら足首や腰が痛くなった女性

  • もっとゆったりとした「散歩」にしたらどうでしょうか?(実は消費カロリーはウォーキングと散歩では大差ないのです)

  • 腕は自由に。

  • 靴もウォーキング用のものではなく、履きなれた靴底の薄いスニーカーへ。

  • 踵からつくこと、足指で蹴ることは意識しないで。足全体がペタペタ同時に着くように。当然大股ではなくなり小股でOK

というアドヴァイスをさせていただいた方です
明らかに、足首の使いすぎ
そして、体幹をねじる運動のしすぎ
がみてとれました

腕を振って足を出すことは、
実は非常に非効率
かえって前に進む推進力を殺してしまうのです
殺された推進力は、結局体をひねる動きで代償します
その時、腰の筋肉が過剰に使われる人もいて
この女性もそうだったと思われます

足首を使いすぎないように
クッションに頼らない靴
そして、ペタペタ歩きを

女性の反応は

  • 明らかに痛みが減った

  • カロリーを消費した感覚が無くてそこが物足りない

  • でも、散歩はストレス解消になっている

  • ウォーキングよりも飽きずに継続できそう

というご感想

少し優等生なご回答ではありますが。
喜んでいただいた嬉しい限り

「痛みが無くなったら、時々ウォーキング歩きをしてもいいと思いますよ」

ともお伝えしました

実は歩き方に

1つの正解

なんて無いのです

江戸時代の先輩方も
長距離を歩くときは
複数の歩き方を使い分けて
疲労を分散していたと
いわれていますからね

正解不正解という次元ではなく
もっとおおらかなものだったようですね

う~ん、先輩方は懐が深い(笑)

ランニングでふくらはぎが攣る女性

  • 鼻緒のある履物を生活の中に取り入れる

  • ランニング前の準備体操の中に足踏みを取り入れる

  • 自宅の中で歩くときは、バスタオルなどを腰巻きのようにして、小股で歩くようにする

というアドヴァイスをさせていただいた方です

さすがに全部はされないだろうと思っていました

ですが、

鼻緒のあるスリッパを購入
足踏み体操実施

は行っていただいたそうです

細くて不安定な足首を
過剰に
衝撃吸収
バランス調整
に使っていると思われたので

そこをうまく変化させられないかなと
思ったのです


実は踵から着地することは
かなり足に負担をかけます

理由は簡単です

ジャンプしてください
ただし、着地は
踵から

こんな条件でジャンプしたくなりますか?

私なら絶対しません

ジャンプしてください
着地は足先から
膝も柔らかく曲げてくださいよ

なんて言われたら、
よろこんでジャンプしますよ

歩いたり
走ったり

踵から着地が当たり前と思われている方が多いのですが

人間の体が本来どのようにできているのかを
こんな簡単なジャンプの「思考実験」で
その理論の根拠の脆弱性が証明できるのですが・・・

この女性の改善は正直なかなかできずにおりました

しかし、この女性がマラソンに参加するときに
テーピングをしてくれたある先生が
私と同じようなアドヴァイスをしてくれたそうで

それから、本格的に実施し
足が攣ることが減ってきたと
教えてくれました

「三人これを疑えば、その母も懼る(「あなたの息子が人を殺したというデマも、3人に言われたらさすがに母親もデマを信じてしまう)」

という故事を引っ張り出すのは適切ではないことは承知ですが
やっぱり、人間、複数の人に同じことを言われて、初めて腰を上げるということあるなぁと思いました(笑)

なかなか、言葉だけのアドヴァイスで
その人の身体を改善させることは難しいのですが

もしもこれを読まれているあなたに
身体的な不調や
疲れやすさがございましたら
何かのお役に立てれば幸いであります

補足の動画もございます
見づらい動画ですが、ご理解の助けになるかもしれません

*症例の個人情報は事実とあえて異なるように記載しております。個人を特定させないためです。ご了承ください。

最後に

お話は以上です
最後までお読みいただきありがとうございます

私は文章にするのが苦手ですが、
できるだけ伝えたいことを書いてみました。
もし間違いや不明な点がありましたら、
ぜひコメントやメールで教えてください。
喜んで加筆修正いたします。

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