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猫背姿勢を抜け出すカギは「お腹」と「寝返り」!?~パーキンソン病のTさんにも効果あり~

今回は、パーキンソン病と共に生きるTさんの治療経験を元に、

  • 猫背姿勢の改善をしたいが、どうしても姿勢が戻ってしまう

というあなたに向けて書いています。


猫背をぜひ改善しましょう

猫背姿勢の原因とデメリット

私は病弱だった幼少期より姿勢は
猫背
でした。

よく父親に
「胸を開け!」
ときつく指導をされましたが、治るのは意識をしている一瞬だけ。
気づけば元の猫背姿勢に・・・

「普段から気を付けていないからだ!」
と叱られましたが、今思えば
無理な話
ですよね。

「意識をしない時が、その人の自然な姿勢」
です。
変えなくてはならないのは、
意識ではなく
猫背の根本原因です。

ただ、父親が息子である私の姿勢を直したい
と思うのは自然なことです。

猫背であるだけで、
見た目だけでなく、
肩こりや腰痛、
頭痛などの身体的な不調や、
気分の低下や自信の喪失などの精神的な影響も及ぼします。

病弱だったので猫背になっていたのか?
猫背だったから病弱だったのか?
その真相は今となってはよくわかりませんが、それぞれが悪循環のスパイラルになっていたと思います。


猫背について、一般的にいわれていることをまとめましょう。

  • 猫背姿勢とは、人間の背中が丸まって内側へ反り、頭部が前方に出た姿勢になる現象です。

  • 猫背は、筋力低下や姿勢の偏り、加齢などにより発生するとされます。

  • 後天的な(生活のなかで自然にできてしまった)ケースがほとんどで、矯正で治せる場合が多いと言われています。


では猫背姿勢により、体や精神にどのような影響があるのでしょうか?

  • 内臓機能低下を招く:これは内臓を押しつぶすことによります。

  • 太りやすくなる:消化機能が低下すると、消化しきれなかった余分な栄養素を皮下脂肪として体内に蓄積しやすくなるためです。

  • 姿勢を維持する筋力が低下する:猫背では姿勢を正しい位置に保つ筋力が使えていないため、筋力が衰えてしまいます。結局これは、太りやすさにもつながります。

  • 鬱になりやすいなどの精神的な悪影響:呼吸が浅くなり自律神経が乱れる。ストレスに耐えることで猫背になる悪循環。など諸説あります。

以下に参考サイトを載せます。
猫背のサイトを調べると、「猫背を改善しないと大変!」と読者に危機感を煽るようなサイトもありますのでご注意を。


猫背の改善には健康効果がありますが、
私は、
「精神論」
「単純なストレッチ」
「単純な筋トレ」
からの猫背改善には疑問を持つ立場です。
(姿勢改善グッズなるものを売りつけるのは論外です。)

例えば、
「普段から背筋を反らせるように意識して、毎日背筋を筋トレ、お腹をストレッチする」
という改善方法です。
私は、これを行うことで全身のバランスが崩れ、かえって不調や痛みを招いている方を多く見てきました・・・

猫背には様々な原因があり、
あなたに合った治療を行うことで、
「あれ?自然に姿勢が良くなったかも?」
というのが、本当の猫背の改善方法だと思っています。

そのような改善方法の方がいいですよね?

私も、自分の肩や腰の痛みを脱却するためにいろいろな自己メンテナンスを行ううちに、自然と姿勢が改善されました。


再び「パーキンソン病と共に生きる」Tさんの治療経験から

一般的な猫背姿勢の治療報告ではなく、
パーキンソン病の患者さんの姿勢の治療
をご紹介したいと思います。

それは前回紹介したTさんです。
姿勢の改善は夜間頻尿にも効果が期待できるからです。

手前味噌ですが、ご興味がございましたら以下のリンク先をご覧ください。

もちろん、パーキンソン病の患者さんの姿勢はその病気によるものであり、
猫背姿勢とは異なります。

ただ、パーキンソン病と共に生きるTさんへ行った治療方法は、
猫背姿勢の改善にも有効であると考えます。

パーキンソン病の患者さんの姿勢は、猫背姿勢よりも改善が難しいものです。

今回は、その治療方法のうち、自己メンテナンスに関連する部分をご紹介したいと思います。

あなたの姿勢改善に少しでもお役に立てれば幸いです。


Tさんにも効果あり。猫背改善自己メンテナンス方法3つ。(動画)

「まずは試してみよう」と行っていただいて結構ですよ。
ただし、
強い痛みを感じたり、不快感を感じたりしたらすぐに中止
しくださいね。

1.内臓マッサージ

2.腸腰筋活性化

3.寝返りエクササイズ

いかがでしょうか?
即効性はないかもしれませんね。
でも、継続することで少しずつ良い変化が得られると思います。

以下にその理由を記載します。
理由を理解してから自己メンテナンスを行うと効果がありますよ。

なぜ「内臓」「腸腰筋」「寝返り」?

猫背の改善はまずどこから?

「私は猫背なので、自己流ですけどこんなことをしています」
という方に出会う機会が多いのですが、ほとんどの方は以下のような自己エクササイズを行っています。

  • 普段から背中を伸ばすようにしている

  • 「巻き肩」を改善するために、胸を開くような体操・筋トレ・ストレッチをしている。

  • 背中の筋肉を強くするための筋トレをしている。いわゆる”背筋トレーニング”

ご自分のために努力されることは大変素晴らしいことです。
ですが、中には

  • 背中の筋肉が硬くなりすぎ、仰け反ったような姿勢になってしまっている。このまま力仕事をして腰を痛めやすくなったり、首を痛めたりしている。

  • 過剰に胸を開くエクササイズをしてしまい、鎖骨と肋骨の間が狭くなったり、首の脇の筋肉が硬くなりすぎ、腕の循環不全や痺れを抱えている。つまり「胸郭出口症候群」となっている。

  • お腹や股関節が伸びないまま「良い姿勢」になろうとして、お尻が後ろに飛び出したような姿勢となり、慢性的な腰痛を抱えている。

という方も実際におられます。
これでは本末転倒です。

私は患者さんから姿勢の改善をお願いされた時は

「まずはお腹の状態の改善から行いましょうね」

とお答えしています。

パーキンソン病の患者さんの姿勢改善の第一歩も、お腹の状態改善から始めます。

猫背改善はむしろお腹にあり

その理由についてお話しますね。

猫背姿勢によって長時間・長期間つぶれたような状態になったお腹は、

  • 内臓と、内臓の周りにある膜が押しつぶされ癒着を起こしているかもしれない。

  • お腹の奥にある股関節を曲げる筋肉が、硬くなり伸びない状態かもしれない。

と考えます。

確認の仕方はとても簡単です。
実際に手でお腹の奥に触れて言ったときに、
「硬いな」
「ちょっと痛いな」
という感触があれば、それはお腹の中の何らかの組織が
「硬くなっている」
「癒着をおこしている」
証拠です。

まずは丁寧に、その硬さ・痛みをご自分の手でほぐしてあげましょう。
最初は人によっては「不快感」を感じるかもしれませんが、
状態が良くなっていけば、気持ち良い作業になりますよ。

なぜお腹から治療するのかについては、動画でも解説しております。
あなたの理解の助けになれば幸いです。


寝返り運動にはあまり知られていない効果があります

お腹の硬さがとれれば「こっちのもの」です(笑)

後は体幹の筋肉トレーニングをしていただいてOKです。

でも、何をしますか?
やっぱり背筋運動ですか?
それとも腹筋運動ですか?

私は患者さんに

「寝返り動作」

をお願いしています。

なぜなら
体幹全体の筋のバランスを調整するのに、
寝返り動作が最適

だと考えるからです。

「寝返り動作」
とはいったい何でしょうか?

私が特に重要視している効果は
筋肉緊張が調整されること
です

筋緊張とは、筋肉の「ハリ感」と認識していただければOKです。

その「ハリ感」のバランスが崩れていると、
結局背中が強くなりすぎたり、
お腹が強くなりすぎたりして、
不自然な姿勢、それに伴う不自然な動作になってしまいやすいのです。

寝返り動作を行うことでそのような弊害を免れつつ、適切な筋緊張を得ることができるのです。

その他の効果については以下の通りです。

  1. 筋肉の強化:寝返りをすることで全身の筋肉、特に腹部、背中、肩、首の筋力の強化と緊張の調整を行うことができます。

  2. 感覚の発達:寝返り動作により、バランス感覚(前庭感覚)と体の認識(固有受容感覚)を改善することができます。

  3. 血液循環:血液循環を促進し、筋肉を凝りにくくします。

  4. 姿勢のリセット:日中は重力が上からかかり背骨が歪みます。寝ている間に寝返りを行うことでリセットする効果があるとされます。

2番目の感覚の発達はわかりづらいかもしれません。
実はこれは非常に重要な効果です。
いずれこのことについては、姿勢に関する記事を書くときに詳しく解説したいと思います。


参考サイトです。
赤ちゃんの発達についてのサイトですが、寝返りの効果は大人でも同じと考えます。

大人にも寝返りが重要と解説したサイトです。
ただし、明初庵は特定の商品を推奨する立場ではありません。
どこでも寝れる体づくりを至上としていますからね)。



猫背改善自己メンテナンス方法3つを再掲(動画)

1.内臓マッサージ

2.腸腰筋活性化

3.寝返りエクササイズ

いかがでしょうか?
即効性はないかもしれませんね。
でも、継続することで少しずつ良い変化が得られると思います。


姿勢改善治療後のTさん

リハビリの開始時期は、平らなマットの上に仰向けの姿勢で寝ることもできませんでした。
それだけ、姿勢が固まっている状態でした。さらに、この姿勢は腰の痛みも伴っていました。

今回ご紹介した猫背姿勢の改善のポイントと同じ考えで、Tさんのお体を時間をかけて治療をしてきました(Tさんは皆さんの様に自己メンテナンスを行うことは難しいのです)。

運動療法も行いつつ治療を進め、Tさんも薬を飲み忘れないようにするなど頑張られ、
最近では腰痛はほぼ無し。
平らなマットの上に仰向けの姿勢でウトウトされる姿もみられるようになりました。

長男さんは、保育園で複数のレディ園児さんに
「将来の結婚の約束」
をされたそうです(笑)

Tさんのお子さんなら「さもありなん」です(笑)

来年度は長男さんも小学生。
父親としていろいろ心配されている様子も見られますが、
パーキンソン病の症状の進行を少しでも遅らせながら、
末永くお元気で、息子さんの成長を見守りたいそうです。

難病となり、精神的に大変なダメージを受けられたTさん。
そして、日々努力をしながら、精神的に成長されているその姿は、
それだけでも素晴らしい父親の姿だと、
私は思います。
きっと、息子さんも感じていることでしょう。

これからも、治療家としてTさんを微力ながら支えていきたいと思っています。

最後に

それではまとめです。

今回は猫背姿勢の改善のための自己メンテナンス方法をしょうかいさせていただきました。
ポイントは以下の3点です。

  1. 縮んでしまった腹部の筋や内臓をまずは柔らかくすること、

  2. 硬くなりやすい腸腰筋の柔軟性を得るエクササイズを行うこと、

  3. その後寝返り動作で体幹の筋のバランスを整える


お話は以上です
最後までお読みいただきありがとうございます

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